- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575246513
感想・レビュー・書評
-
あまりに酷い仕打ちにどんな復讐をするのかドキドキしながら読み進めました。染野くんと星さんすごいです。読後スッキリでした。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いわゆる貧困な家だけでなく、
〝豊か〟といわれる家庭でも起こる
痛ましい真実。
それは悲劇である。
悲劇ではあるが、その中で生まれた
ささやかで、微笑ましい幸せの芽吹き。
巡り合った友が己の
小さく狭い世界を変えてくれた。
変えられなかった考えを
改めさせてくれた。
自ら勝ち取った〝自由〟を謳歌せよ!
…そんな声を掛けてあげたい。 -
教育虐待を受ける高志とネグレクトを受ける星の復讐の話。2人の親に憎悪が募り、嫌がらせの陰湿さに辟易する。誰も彼も怪しい中、この状況下で自分の人生を懸命に生きようとする2人が唯一の救いに感じる。こういうのを読むと親に感謝が募る、親孝行しないとと思う。
-
自分の環境・常識が世間的に正しいか間違えているのか考えさせられる小説。
自分の置かれている状況が世間的におかしいかを図るのに、人と話す・本を読む・知識を蓄えるなどしないと常識的におかしいか疑うことができないし、疑問にも持たない恐怖。
また、自分自身が如何に幸せな家庭で育ったか改めて実感しました。
幸せとは、なにかという問いが最後にあり、少し頷いていました。
続きが気になってすぐに読んでしまいました。
僕個人的に、辻堂ゆめさんの本が好きだと気づきました。
必ず、各々に学びがある小説でオススメです。 -
Amazonの紹介より
「絶対に東大合格しなきゃ許さない」――両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。
そんなある日、クラスメートの星という少女から、自身をとりまく異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。
そんな星もまた、自身が親からネグレクトを受けていることを打ち明ける。心を共鳴させあう二人はやがて、自分達を追い詰めた親への〈復讐計画〉を始動させることに――。
教室で浮いていた彼女と、埋もれていた僕の運命が、大学受験を前に交差する。驚愕の結末と切なさが待ち受ける極上の青春ミステリー。
辻堂さんの作品というと、様々なキーワードを散りばめて、最後に伏線回収していくスタイルが印象的なのですが、今回の内容は「虐待」ということで、伏線回収といったものはないと思っていました。
しかし、終盤戦になると、実は仕掛けがされていたことに驚きでした。
といっても、それ以上に印象的だったのが、2人の度重なる度を超えた「虐待」が読んでいて辛かったです。
一人はスパルタ教育、もう一人はネグレクトということで、親の身勝手さがいかに酷いことか、読み手でもわかるくらい表現されていました。
子供にとってみれば、目の前にある状況だけが世界の全てであり、善と悪との違いがわかりません。周囲と比較することで、いかに酷いことがわかるということで、周囲とのコミュニーケーションも大切であると考えさせられました。
中盤からはその2人が、いかにして復讐していくのか?が描かれています。といっても何をするのかはラストあたりでわかっていきます。それまでは、もしかして殺人⁉︎と一瞬頭をよぎってしまいました。
ちなみに復讐計画だけでなく、貴志の身に起きる嫌がらせも発生します。犯人は誰なのか?同時進行で展開していきます。そういったことも含めて様々な要素が張り巡らされていたので、ミステリーとしての面白さを堪能できました。
まさか、受験の裏側ではこんなことが起きていたとは油断していたので、その分驚き度も大きかったです。
2人が切磋琢磨していく「復讐計画」の結果に清々しい気持ちにもなりました。
ちょっと歯痒かったのは、貴志の家族に対する「成敗」が生ぬるいなと思いました。事件でもおかしくないくらいなので、なんか・・・と思ってしまいました。
困難を乗り越えた先の未来に、2人幸せな人生を勝ち取って欲しいです。