サクラサク、サクラチル

著者 : 辻堂ゆめ

• 双葉社 (2023年7月26日発売)

感想・レビュー・書評

[rentamao1556さんの感想 · 2023年11月19日]

最初の描写が衝撃的
両親の度がすぎる虐待にもムカムカして、最初の描写がどこに繋がるのか、ハラハラしながら、どんどん引き込まれていった。
予想外の結末だったが、よくやったと褒めてあげたい。

[ymkmさんの感想 · 2023年10月4日]

著作を何作か拝見して、いつからか新刊チェックしたい作家さんとなった辻堂さん。

しかし。
苦しくて。
虐げられる2人が苦しくて、読み進めるのが辛かった。
毒親を扱う話を見るたびに、自戒にも苦しめられる。

洗脳の怖さ
追い詰められて視野が狭くなることの怖さ。
違う場所から見たら、突破口はあるものなのだと思う。
2人がお互いを見つけられて良かった。

最善ではなかったかもしれないけれど、
最後に作戦を決行することができて良かった。
彼らが虐げられた時間は戻らないけれど…
自分で見つけたやりたいこと、自分で見つけた勉強したい気持ちは強い。

彼らの未来が輝いているように祈らずにいられない。

[ゆいさんの感想 · 2023年9月21日]

読んでて、正直辛かった。
すぐ感情移入してしまう私は、小説と知りながら涙が出ました。
エピローグを読んで、安心した。良かった。

[Freedomさんの感想 · 2023年9月21日]

物語前半は、悲しく辛かった。後半、どんな復讐を遂げるのかハラハラ。ステキな着地をしてくれました。

[full3さんの感想 · 2023年9月17日]

染野は高３。小学校受験、中学受験に失敗し、東大合格させようとする親の期待と過剰な干渉を受ける。あまり学校に来てない星さんに話しかけられる。彼女も染野とは違う形で親から虐待されていた。

染野の親がホラー並みに怖い。しかしすごくリアル。ラストでは意外な方向に進む。こういうラスト嫌いじゃない。

[finger0217さんの感想 · 2023年9月14日]

親の言いなりに東大を目指す高志は、クラスメートの星という少女から、自身に対する親の接し方は「虐待」だと指摘される。
定期試験の順位が下がれば罵詈雑言を浴びせられ、東大への受験勉強以外のことに興味を持ったと因縁をつけられて殴られる。門限は16時と厳しく制限され、勉強のメニューも親の指示に従わなくてはならない。

それまで「当たり前」だと思っていた親による支配が、歪なものであったこと、「あなたのために」と東大合格を後押ししてきた親の行動が愛ではなく親自身の見栄のためだったこと。
初めて「自分とは何か」を探し、考え始めて人生を歩み始める子どもたちの成長を描いた作品です。

学歴による評価は「もはや古い価値観」と言われつつも、厳然とした学歴差別は残る昨今。子どもの「やりたいように」だけやらせていればよいということではないと思いますが、本作の親の在り方はあまりに身勝手で歪だと感じます。その親の「支配」から抜け出そうとあがき、自分自身の人生を生きようと奮闘する主人公たちの姿は、心から応援したくなります。

[晴也さんの感想 · 2023年9月11日]

重い題材を扱いながらも、読みやすい文体と応援したくなるような人物像が物語を彩っていてよかった。

[はらぺこあおむしさんの感想 · 2023年9月9日]

やっぱり、ラストがスッキリするのは、いいね！途中までは、ちがう結末を匂わせていただけに、読み終わったあとが、いい余韻に浸れる。わたしも、頑張ろう！って気持ちになれるかな？

[キキさんの感想 · 2023年9月9日]

教育虐待。
家庭の問題は、表出しづらいから、気付きにくいよね。

[おとんさんの感想 · 2023年9月5日]

目を背けたくなる親による虐待やイジメ｡言いようもなく気持ち悪い｡辻堂さん、生理的嫌悪感募る人物造形うますぎる｡どうしたら、こんな人物創造できるの⁈

著者プロフィール

神奈川県生まれ。東京大学在学中の2014年、「夢のトビラは泉の中に」で、第13回『このミステリーがすごい！』大賞《優秀賞》を受賞。15年、同作を改題した『いなくなった私へ』でデビュー。21年、『十の輪をくぐる』で吉川英治文学新人賞候補、『トリカゴ』で大藪春彦賞受賞。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」