1日10分のぜいたく NHK国際放送が選んだ日本の名作 (双葉文庫)

  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575524079

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズ、大好きです。どれもなんとなく心が和むからです。
    ムシヤシナイの話はちょっと泣けた。。。です。

  • 1日10分のシリーズ第3弾!
    特に良かったのは、
    *「おまじない」重松清
    震災後の東京に済む主婦の物語。過去から現在へと続く絆を感じてじわじわきました。

    *「ムシヤシナイ」高田郁
    勉強勉強と親に追い詰められ、疎遠になっていた祖父の元へやってきた孫。何も聞かずに受け入れてくれるおじいちゃんの懐の深さと優しさが身に沁みました。

    1日10分のシリーズ
    「ごほうび」「しあわせ」「ぜいたく」は短編ながらどれも面白くてタイトルにも納得です♪

  • 「NHK WORLD JAPAN 世界各国でラジオ放送された絶品の小説が一冊に」との帯がある。 こちらも丸善に複数冊の本を買いに行った際に目に留まって、いくつかのビジネス本とかハードな本とかに交じって、こういうジャンルもいいよね、という感じで癒しのために購入した本。「1日10分の…」シリーズ 累計25万部突破なんだそうです。 確かに読書が苦手な人でもほんと10分で読める短編がいくつか全編読んでも一日で読めてしまう。

     世界17言語に翻訳されて朗読された小説なんだそうだ。 あまり覚えがないが、確かに「NHK WORLD JAPAN」という番組でラジオで朗読をやっていた記憶はあるし、その朗読に吸い込まれて、感動して泣いてしまったこともあったっけ、と思いこの本を手にした。

     8作家の作品、いずれも、なんというか情景が浮かぶ、というか、ほっこりする、というか。 難しい本や、芥川や直木賞や本屋大賞や時代の本、というわけでなく、 『本と過ごすわたしだけのぜいたくな時間。 心の貯金箱にまたひとつ大切なもの。』 という帯の文言が正しいね。 いろんなストレスで心がギスギスしてしまったりしたなかで、ちょっとした癒しになりました。 

     全部読み終わって、表紙に戻ってきて、改めてジャケットを見ると・・・ ラジオがあって、かき氷があって、グレープフルーツがあって、テンがいて、右奥にはねぎの乗ったそば、かな、木があって、ピアノがあって、東京タワーがあって、ブランコがあって、 購入時、とくに気にしていなかった絵が、ぐっときました。  本日は引用なしでこんなところです。  読書苦手な人にもこういう本から読書の世界を味わってほしい。

  • 8人の作家さんの短編集。

    まだ一冊分の長い話はメンタルが疲れてしまうわたしにはぴったり。そして何より心がふわっとあったかくなる物語でしたので、読んでいて安らぎました。

    一番気に入ったのは、高田郁さんの『ムシヤシナイ』心が疲弊した孫の存在が思わず自分と重なってしまう、、。あんな優しいじいさんがいたら素敵だな、と思いつつ。

  • 「NHK国際放送が選んだ日本の名作」という副題がついた朗読された名手たちの短編7作と東京の区が主人公となる掌編4作。

    高田郁の「ムシヤシナイ」は放送を聞いた。駅の立ちそば店に勤める男が、10年近く会っていなかった中学生の孫が精神的に追い詰められている状況を包丁でねぎを切ることを教えて救う。心に残る話。
    重松清の「おまじない」もいい。東日本大震災で被災した町に小学生の1年だけ住み、再会を約束し作ったおまじないが、訪れた被災地の小学校に伝えられて残っていた、という奇跡。
    ほかにあさのあつこ、いしいしんじ、小川糸、小池真理子、沢木耕太郎、掌編は山内マリコ。

  • 読んだことがあったのはムシヤシナイのみ。
    有名な作家さんばかりなのに、びっくり。

    短編だから、あっさり読めるけど、
    外れはない。
    さすが。

  • 第一弾、第二弾を読んでとても良かったので
    引き続き第三弾も手に取りました。

    どの作品も短編の中でもかなり短いページと文字数の中で、
    こんなに重厚で心を打たせ、心を温まされることが
    出来るのだろうかと思うほど良い作品ばかりでした。

    中でも印象的で好きな作品は
    小川糸さんの「バーバのかき氷」、重松清さんの「おまじない」、
    高田郁さんの「ムシヤシナイ」でした。


    小川さんの「バーバのかき氷」では闘病しているおばあちゃんが
    なかなか食事を摂ることもままならず、
    何としても長生きをして欲しいと思いおばあちゃんが
    好きだったかき氷を探し求めるということが
    子どもの視点から綴られています。
    小川さんらしく命の尊さを重くなく爽やかに描かれいる
    ところがまたジンと心を打ちました。

    重松さんの「おまじない」では以前女性は数年間住んでいた
    場所が震災にみまわれてしまいその報道を観るたびに
    何かしなければと思っていた女性。
    やっとの思いで被災地に辿り着き愕然としていたところ、
    かつて自分が考案して同級生にやっていたおまじないが
    ひょんな所で見つかりそれから過去の思い出と現在が
    繋がっていくということが綴られています。

    被災地の人達に大きなことは出来なくても
    小さくても自分で出来る範囲内で少しずつ被災地の人達を
    救っていくという気持ちがとても心を打ちました。
    重松さんらしく幼い頃の懐かしい気持ちも繊細に描かれているのでとても共感できました。

    高田さんの「ムシヤシナイ」では、立ち食い蕎麦屋を
    一人切り盛りをしている祖父さん。そこへ突然孫が訪れる。初めは二人ともぎこちないやり取りでしたが、
    ふとしたことから孫の異変に気が付き二人の心の交流が始まるという
    ことが綴られています。

    「ムシヤシナイ」という言葉は何だろうと思っていましたが、
    この作品でその意味もよく分かり、人生に無駄はなく、
    小さなことでも意味があり、回り道をしてでも良いことはあるということがじんわりと伝わります。
    この二人がまた再会してどんな人生を歩いたかというのがとても気になるラストでした。

    あさのさんの「みどり色の記憶」や
    沢木さんの「ピアノのある場所」では
    共通にして幼い頃の同じような記憶や思い出が
    蘇って心がほっこりした印象で良かったです。

    小池さんの「テンと月」では夫が遺した老朽化した
    ペンションの中で、自然と隣り合わせの中で
    野生の生命を見ながら人生も見つめながら
    嘆きながらも冷静かつ力強く分析している所が印象的でした。

    山内さんの作品は他の作品とはまた違った味わいで、
    どれもユニークでこれも印象的でした。
    東京五輪の気持ちになってみたり、
    それぞれの区の気持ちになってみたり、
    擬人化されていて面白いですが、
    東京というのはいつの時代でも火事で燃えようが、
    地震で崩れようが、淡々とそれをどうにかしようとする。
    そうやって何度も誕生し続ける力強い場所なんだと
    思わず再確認すると共にそんな日本人が勇ましく思えた作品でした。

    この短編集だけでも十分ですが、
    ラジオでは聞いたことがないので一度で良いから
    聞いてみたいと思います。
    それと同時に心が疲れた時にまた再読したいと
    思うので手元においておきたい本です。

  • ホッコリ作品を求めて読んでみたけど、そういうタイプの話ばかりではなかったかな…。髙田郁さんの話が一番好き!

  • あさのあつこ「みどり色の記憶」、小川糸「バーバのかき氷」、小池真理子「テンと月」、沢木耕太郎「ピアノのある場所」、重松清「おまじない」、高田郁「ムシヤシナイ」などの8小説家による短編集。いずれもピリッとひきしまった内容で、印象的。ほっこり癒しを示す。「ピアノ…」は何とも切ない作品だった。「おまじない」は懐かしい!「ムシヤシナイ」は祖父と傷心の孫との交流、「バーバのかき氷」は死の迫る祖母との時事との心の通い合い。どれも心が締め付けられ、幼少期の熱い感傷を思い出させる。

  • 心が温まる作品をいろいろな作家の視点でつむいでいくぜいたくな本だった。想像力が豊かにはばたく感じが好き。私もムシヤシナイがいいと思った。他のシリーズも読んでみたい。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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