マルタ・サギーは探偵ですか? (富士見ミステリー文庫 54-1)
- KADOKAWA(富士見書房) (2003年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829162330
作品紹介・あらすじ
彼の名前はマルタ・サギー。本当は少し違うけれど、オスタスに来てからはそう呼ばれている。職業は『名探偵』。けれど推理はしないし、できない。マルタにあるのは"事件を強制的に終結"させる力だけ。彼がその力を行使すると"世界の法則さえ捻じ曲げて事態が解決"してしまうのだ。「だってどんな世界でも働かなきゃ、生きていけないし。僕にできるのは『名探偵』だけだし」完璧な探偵であり、同時に全く探偵でないマルタ・サギーは、如何にして『名探偵』になったのか?彼の"秘匿されている"過去が、そして宿命の好敵手、怪盗ドクトル・バーチとの出会いの顛末が、今初めて明らかになる!マルタは、へらりと笑う。「不安なのは、どこでだって一緒だ。だから新しい世界で、僕はどんな僕になろうか考えたのさ」。
感想・レビュー・書評
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第一巻を読んだときは「ふ〜ん」としか思わなかった。
でも5巻(だったかな)で胸を鷲づかみにされた。
ここまで《喪失》を書ける人だとは思わなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリ文庫だがファンタジー
『ちょー』とあまり変わらない -
学校を辞めたその日、見知らぬコンビニに入ったら
妙なゲームに参戦させられた。
聞けば答えてくれる、と思ってはいけない。
さくっと教訓を手に入れられた最初。
なのに、次の瞬間(?)案外信じているのは
育った環境が『平和』だからでしょうか?
見知らぬ土地にやってきて、そこで定住する事に。
陛下とはどういう方なのか。
出てきた女性は何なのか。
結局彼は…どうなのか。
謎が、やたらめったらです。
そして『名探偵』カード、ひっくり返しすぎですw -
シリーズ通して、常にときめきが溢れる作品。
日常に飽きたら読んでリフレッシュ(。・v・。) -
某中古書店にて購入後積んでた本
なんとなく時間つぶしに読んでみたら
“事件を強制的に終結”する力を持つ
『名探偵』とその仲間たちがもう可愛くて(*・ω・*)!
読んだ次の日に
シリーズ大人買いした作品です -
推理もへったくれもなかった。ダメダメなマルタが化けることに期待。
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“「バーチャルとリアルの区別って何だと思う?」
(中略)
丸太は話を聞きながら、なんとなく窓枠に腰をかけて空を見ていた。確か春。五月の若葉。桜は散って、少し暑い陽気の日だった。布団干したいなぁと思った。
「鷺井は?」
誰かに訊かれてぼんやり答えた。
「……自分がそこにいるかいないかじゃないの」
自分が言った答えがもし合っているなら。
丸太はラーメンのスープをぐい、と飲み干して器を置いて言った。
「ごちそうさま。ありがとう」
認めなきゃ。”
結構面白い。
マルタの性格とか。
語り口調が読みやすいし、カードのことやオルタスの世界観にも惹かれる。
まだ謎は、たくさんあるのだけど。
“「疲れただろう」
トーリアスに言われ、頷く。
「殺人事件じゃなければよかったんだけど」
トーリアスはそれには返事をしなかった。
「ドクトル・バーチというのはなかなかよい男だな。人気が出そうだ。こんど、奴が出たらお前に回していいか?何しろ……市民に愛される怪盗を目指しているらしいから?」
それはバーチの言ったことをトーリアス的に解釈した言葉だと、マルタは思った。
「ああ、そうしてくれ。まず、僕が愛することとしよう」”
20141114 再読