妖し (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 全部良かった、一冊。

    豪華作家陣で紡がれる「妖し」。

    どの作家さんもあの手この手で攻めてきて全部良かった。

    恩田さんの 店の主人ご夫婦の絡み合う視線が漂わせる妖しい瞬間は読み手の心をものすごく掻き立てる瞬間。
    この一瞬で読み手にあれこれ想像させる、その描き方が巧い。

    小池さんはさすがなジメっとした雰囲気と読後感。

    そして意外にも一番苦手かなって思っていた村山さんが一番好みだった。

    赤いほおずきと昼間の喧騒のしじまが魅せる妖しの瞬間はもちろん、せつなさポイントを刺激しながら氷が背筋を伝うような瞬間、これがたまらなかった。

  • どれもなんとも言えないくらーい湿っぽーい雰囲気が漂っていて、うえぇ…と思うような短編集の中で、初めて読んだ窪美澄さんの一編が怖さもあるのに不思議な寂しさがあって面白かった。

  • 妖しいテーマの短編集。映像はダメでも文章ではホラー慣れしてるかも。ただ不気味なだけでは心は動かない。

  • 「妖し」アンソロジー10作。
    全然違う種類の怖さ、ここまでほとんど好みなアンソロジーも珍しい。

  • 「怪異」がテーマのアンソロジー。全て未読であり、怪異も少し不思議なものから妖怪、人の心の怪異、ほっこりする怪異とバラエティーに富んでいて楽しく読めた。
    中でも村山由佳「ANNIVERSARY」の、ズレた世界に迷い混む感覚
    彩瀬まる「マイ、マイマイ」この時期特有の甘酸っぱさに不思議を混ぜた切なさ
    朱川湊人「フクライ駅から」実際の都市伝説をモチーフにしたサスペンス系のハラハラ感
    小池真理子「喪中の客」最初から最後までジメジメじわじわする怖さ
    この四編が印象的だった。

  • 怪異をテーマにしたアンソロジーだ。
    ちょっと気持ちが和むような幽霊譚も混じっていたけれど、全体的に薄気味悪かったり後味が悪かったりする短編が多い。

    ホラー調の話はあまり好んで手に取らず、好みの作家が寄稿しているこういったアンソロジーでしか読むことがないので、新鮮でいい。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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