うわべに誤魔化されず、世の中の本当のところを見つめて生きていたい。というような少女期ならではの潔癖にも似た信念を中年になってもこっそりとお腹の底で燃やし続けている種類の人(私とか)は、膝をバンバン打つ箇所が幾つかはあるはずです。

2014年7月30日

読書状況 読み終わった [2014年7月30日]
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グッドな短編ばかり。

2013年4月2日

読書状況 読み終わった [2013年4月2日]

比ゆ表現、時空間表現など、さすがベテランと唸る箇所がたくさんあった。

2012年12月3日

読書状況 読み終わった [2012年12月3日]

歴史的事象とは、人々の思想・感情の潮流がその時々に記録した「結果」だ。
だからこそ出来事の羅列ではなく、精神史をストーリーの形で語ることでしか
見えてこないものがある。
しかし精神史を広く平等な視座で語れる人がどれほどいるのか。
なにしろ思想・感情の話である。
その難解な仕事に、鶴見俊輔ほどふさわしい人物はいないだろうと思わされる本作だった。

2012年9月15日

読書状況 読み終わった [2012年9月15日]

ほとんどすべてのビジネス書籍に言えることだが
2しかない素材を膨らませて10あるように見せかけて1冊にまとめるのは
やめていただきたい。

内容そのものは★4つ

2012年2月29日

読書状況 読み終わった [2012年2月29日]

テーマはコミュニケーション(他者と関わるということ)、コミュニティ(共同体)について。
バタイユのシュールレアリスト、極左、秘密結社といった共同体体験を踏まえています。

特に、「共同体をもたない人びとの共同体」の可能性を夢見ている点に強い共感を覚えます。
マルグリット・デュラスの『死の病い』という物語をたどり、
ふたりの男女が触れあうたびに埋めようのない差異をきわ立たせ、絶対的な他者でしかないと思い知らされるような地平を示したのちに
「共同体をもたない人びとの共同体」の可能性を示唆するという構成にも納得。そのようにしか説明できないものでしょう。

2012年2月29日

読書状況 読み終わった [2012年2月29日]

圧巻の文章力。

2012年2月29日

読書状況 読み終わった [2012年2月29日]

読み進むほど陰鬱な気持ちが滾って、仁子さんの台詞「自分が気持ようなりたいだけで殴るんじゃけどよ、あの目は右手のないそを笑うとりはせんかった。ばかにしとりはせんかった。ただ殴りよるだけじゃった。」で一度目のカタルシス。ああ…

ハマのメリーさんみたいなアパートの女を殴る辺りも烈しいが、首絞められた千草が「うちは会いたかったんやけえね。」と小さい声で媚びを売るような態度をとるところがもう、ああ…。メリーさん(じゃないんだけど、白塗りという描写から)とのセックスについて父子で語るシーンも気色悪くていい。

それらからするとラストは存外あっさり、ややポジティブに締め括られすぎる気もする。ただ、父が緑の膨らみに呑まれる最後とか、モチーフの描写がいちいち効いててかっこいい。かっこよすぎてやや現実に引き戻されるくらい。あと、どうしたって中上健次は思い出します。

「新本格ミステリ」に対して、「新本格純文学」といった印象。芥川賞受賞にも納得。

2012年2月29日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2012年2月29日]

この方のおかげでホロスコープがほぼ読めるようになりました。
(本書がホロスコープ指南書というわけではありません)

装丁もすごくいい。

2012年2月29日

読書状況 読み終わった [2012年2月29日]

「生温かい」という形容詞が多用されていて、いかにも若者らしい演出である。
多くの人に読まれたらいいなと思った一冊。

2012年1月26日

読書状況 読み終わった [2012年1月26日]

女の子は早くから性的なことを覚えると「ませている」と責められるが、
適齢期になっても何事もおこらないとそれはそれで責められる。
途中までは男の子と同じようにたくさん勉強しろと言われるが、
東大までは目指さなくていい、そこそこでいいと諫められる。
おしゃれにあまり興味がなくても「もうちょっと」と言われ、
あまりにおしゃれにとちくるっていても「もうちょっと」と言われる。
親から「こうあれ」と示される目標がどんどん変わってしまう。


という主旨のことを、
三浦しをんさんとの対談のなかでおっしゃっていて、深く納得。
そのように、どんどん変わる、親が求める「理想の娘像」を
するどく察して体現しなければ、という強迫観念が、
生育環境においてあったからこそ、
会社でも、どんなコミュニティでも、
男子より女子のほうが察する(気づく)能力が高く発揮されるのかなぁと思った。

そうして育った「細やかに気づく」能力を、
女の子らしい気遣いができてよい、と褒められることで、
ますます空気を読もうと邁進したりして・・・ギャー


その他、全般おもしろかったです。
羽海野チカさんとのやりとりは、
私と大学時代の友人たちのやりとりをまざまざ思い出させるものでした。

2010年9月1日

読書状況 読み終わった [2010年9月1日]

評論作品とは、ある作品を光源とし、論者の視点(プリズム)を通してできたひとすじのあたらしい作品(ひかり)である。本著では複数の多彩な論者により、一作品ずつを論じてもらう形式で並び立っているため、評論とは~ということをあらためて感じた。
また、小池さん、蜂飼さんら詩が本職の方々に語らせると、川上の特徴が、感性のピンセットでするどくつまみあげられ、つままれた幾つかがテクスト全体にちりばめられ、充実した作品になっているなぁと恐れ入った。
その他では、田中さんの「恋愛小説の不可能に逆らって」、前田さんの「弑逆者(としての…)」、小谷野さんの「ペニスなき身体との交歓」に、それぞれ抜き出せたところがあった。

2010年8月26日

読書状況 読み終わった [2010年8月26日]
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クウネルに連載していた掌編集。
ここから『パスタマシーンの幽霊』は一連のもの。
おかまの修三ちゃんとアンコのやりとりは唯一(?)連作のよう。
基本パターンとして、女がふられたあとという設定がある。
そのなかで『同行二人』と『淋しいな』『椰子の実』は、まあ、
基本形からそうずれてもいないんだけど、それぞれとても上手だった。
それから『桃サンド』は女子を好きになる女子が主人公で、
おや川上さんガールズラブにまで、と思いました。

2010年8月22日

読書状況 読み終わった [2010年8月22日]

私生児である生まれを、祖父の籍に入れて隠されたことで、生れつき隠蔽された人生を生きることを定められた男。
その男を起点として横浜に生まれたある家族に必然的に発生する歪み。
ひとつのシークレットがシークレットを呼ぶ連鎖を描いている。

柳美里の最新エッセイだが、今までと違うのは、なんと彼女がカウンセラーにかかって過去に向き合おうとすること。
その過程をたどった作品であること。

繰り返し性が強化される
遺体が安置された寝台を蹴って泣く
当てつけで死ぬ
ロジカルからの脱出

気になった箇所をぬいておく。

2010年7月31日

読書状況 読み終わった [2010年7月31日]

川上弘美にがっかりすることは二度とないだろう、と
「真鶴」のときに確信を持って書いたが、
うん、がっかりはしなかった、けど、
やはり気合いの入った長編をつづけざまに書くのは難しいことなのだなぁと
改めて感じ入りました。
しかし各人物の奥行きの出し方はさすが、あっぱれ。

2010年4月26日

読書状況 読み終わった [2010年4月26日]

期待したほどでは・・・かも。ごめんなさい。
ライトノベルっぽさがそこここに現れて、特に、キャラっぽい(だいぶ二次元ぽい)人物造形が気になった。
結末は、忘れてしまった。

2010年1月2日

読書状況 読み終わった [2010年1月2日]

英語が読めないので原書がわからないが、翻訳がまずいのではないかと邪推してしまうほど読みにくい。
ヒッピーのフリークアウトとゲイリブの動機を同グループ化する乱暴さが気になったが、情報量は満足のいくものだった。

2010年1月2日

読書状況 読み終わった [2010年1月2日]

須賀を愛する人々による、須賀おっかけ記録。
本書の著者である稲葉由紀子さんは、文体まで須賀似。
愛をふかめるのにもってこいのシリーズ。

読書状況 読み終わった

水上勉の解説が補填している感。

読書状況 読み終わった

ワイドショーでオウムと闘う人、として有名になった
元フリーライターの有田さんの著作。

サカキバラ世代についての推論。

ワイドショーでの彼のコメントと同様、
まさにサカキバラ世代である私には、ピンとこない、憶測による断定がかなりあった。

とはいえ取材力はさすが。
オウムの影響とは単純な・・・とうなだれるような、
案外真相は単純なのかもしれない・・・と目がさめるような、

ともかくわれわれ世代について一緒に考えてくれるおじさんというのは
存在するだけでありがたいものだなぁと
つくづく、おもた

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