べそかきアルルカンの“徒然読書日記”

美術館で働く人たち、
美術館に関わる人たちのことを、
より具体的に知ることができました。
学芸員の方々はご苦労が多いようです。
日本はもっと
文化事業に予算を割くべきだと思いました。
こんなことでは優秀な人材が
どんどん海外に流出してしまいそうです。
美術館を含むあらゆる博物館が、
もっと利用しやすく
開放的になってほしいものです。



べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
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べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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2024年5月5日

読書状況 読み終わった [2024年5月5日]
カテゴリ アート

中短編集ですが、
日常と虚構が融合した
けれどリアルな世界観に、
グイグイ惹き込まれてしまいました。

南米、とくにコロンビアのことはよく知りませんが、
この国の文化や歴史について知識があれば、
もっと理解が深まり、
面白く読めたと思います。



べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
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2024年4月26日

読書状況 読み終わった [2024年4月26日]
カテゴリ 海外文学

主人公はちょっと
アウトローな感じの女性です。
アウトローといっても
法を犯しているとか、
世間に背を向けて生きている
などといったものではありません。
比較的素直な性格だし
ふつうにご近所付き合いもするし、
仕事だってちゃんとしてるし。
ただ、その仕事というのが、
あるご婦人が道楽で始めた古道具屋の店番。
お店は主人公ひとりに任されています。
扱っている道具は
おそらくあまり値打ちのない、
ガラクタといってもいいようなものばかり。
とうぜんお客も滅多に訪れません。
お店は鉄道の高架下にあって、
しかも彼女はそこの2階で暮らしています。
お風呂はないので銭湯通い。
頭の上を頻繁に列車が走り抜けていくようなところで
よく生活できるなぁと思いますが、
建物が揺れることや騒音にも、
ひとは時間がたてば順応できるみたいです。
そんなあれやこれやが、
ちょっとアウトローを感じさせるポイントです。

世の中にはいろんな人がいて、
みな普通に暮らしているように見えますが、
それぞれが心に秘め事を抱えて生きています。
そのような人々の姿が、
ほのぼのとしたタッチで描かれている
とても良いお話でした。



べそかきアルルカンの詩的日常
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2024年4月9日

読書状況 読み終わった [2024年4月9日]
カテゴリ 日本文学

シリーズ第6弾。
今回はある一人の男を巡る事件です。
特捜部はその男を犯人として追い続けますが、
そこに様々な人間の思惑が絡んできて・・・。
このシリーズは事件の特殊性もさることながら、
特捜部Qというチームそのものに興味を惹かれます。
チームはけしてまとまりのある集まりとは言えません。
団結力、一枚岩という言葉は似合わないチームです。
捜査官たちは個性が強く、
考え方も行動もどちらかというとちぐはぐ。
警察組織の中でも鼻つまみ者の集まりです。
けれどそんなチームが
数々の難事件を解決してきたのですから、
個々の能力は高いのでしょう。
ただ、捜査員それぞれに影の部分があって、
本作でまた少しだけ
彼らの秘密を垣間見ることができました。
それがまたこのシリーズの魅力でもありますね。




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カテゴリ 海外文学

いったいどこで
進むべき道を間違ってしまったのだろう。
ふと気づけば、
思いもよらない場所、
望んでもいなかった場所に、
ひとりぽつんと佇んでいる。
人生の半ばでそんな思いを抱くひとは、
存外多いのではないでしょうか?
そう気づいた時には、
後戻りしようにも、
時がたちすぎていてどうにもならない。
そして最期の時を迎え、
きょうまでのことはすべて無駄骨だったと、
思い知ることになるのかもしれません。
それは運命だとか、定めだとかいうのではなく、
自然の成り行きなのだと思います。
自分で進むべき道を選んでいるようでも、
実は皆、その時々の状況に流されて
生きているのではないでしょうか。
なかには思いどおりの生涯を生きてこられた
というひともいるでしょうが、
そんなのは極めて稀で、
もしかするとそう信じたいだけか、
あるいは錯覚なのかもしれません。
本書は、人生に抗おうとして抗いきれず、
むなしい生涯を送った男の物語です。
著者は30代半ばでこの小説を書いたようですが、
そのことには、なんとなく納得できます。
晩年になるとあきらめの境地もあって、
そんなことは取るに足りないことのように
思えてくるのではないかという気がするからです。
この小説は1940年に刊行されたものですが、
普遍的なテーマを扱っているからこそ、
いまも読み継がれているのでしょうね。



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2024年2月23日

読書状況 読み終わった [2024年2月23日]
カテゴリ 海外文学

水の精霊と騎士の悲恋を描いた物語です。
哀しく美しいファンタジーとして味わうか、
キリスト教的なお話と受け取るか、
それとも人間の愚かさを描いた作品として読むか、
近代、現代文学に慣れ親しんだ身には
かなりもの足りない感じがしますが、
文章が簡潔であるだけに、
その分、想いを巡らす余地が
ふんだんにあることに気づかされました。

この小説は1811年に発表された作品で、
ドイツロマン主義の名作と言われているようです。
本作が世に出ると
たちまち数か国語に訳されるほど
当時の評判はすごくて、
あの文豪ゲーテも〝ドイツの真珠〟と絶賛したとか。
また、この物語は戯曲やバレエ、
オペラにもなっていて、
絵画のモチーフにもなっています。
近年も映画化されるほど人気のある作品のようですね。




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2024年2月14日

読書状況 読み終わった [2024年2月14日]
カテゴリ 海外文学

ちょっと浮世離れした
風変りな家族を描いたお話です。
一般的な常識とはかけ離れた家族で、
普通なら泥沼のような状況になるのでしょうが、
本作では比較的穏やかな家族の日々が綴られています。
でもそれは、登場人物たちの品の良さと
寛容さから受ける印象であって、
もしかするとその大らかさは彼ら彼女らの
諦念によるものかもしれません。
理想的な家庭のようにも思えますが、
一人ひとりの寂しさや孤独感を
行間からうかがい知ることができます。
子供であった者が父になり、母になり、
やがて祖父となり、祖母となって、
ひとり去り、ふたり去り、世代交代が繰り返される・・・。
世界は若い人たちのためにあるのだということ、
人生は過去の想い出で成り立っているということ、
そして、どのように恵まれた状況にあっても、
ひとはやっぱり孤独なのだということを感じました。



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2024年2月8日

読書状況 読み終わった [2024年2月8日]
カテゴリ 日本文学

海彦山彦の物語をベースにしたお話です。
海彦山彦の物語は、全国各地に伝わる
浦島太郎伝説のもとになったものとして知られていますね。

兄である海幸彦は、古事記では火照命(ホデリノミコト)、
日本書紀では火須勢理命(ホスセリノミコト)と呼ばれています。
弟の山幸彦は、古事記では火遠理命(ホオリノミコト)、
日本書紀では彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)となっています。
伝説では山幸彦の孫が日本最初の天皇である神武天皇、
一方海幸彦は、古代日本の薩摩周辺に居住していた
隼人と呼ばれる人たちの祖先といわれています。
そのことから海彦山彦の物語は、
天孫族と隼人族との闘争を神話化したものという説があるようです。
とはいえ神話や童話の物語が、この小説のストーリーに
直接絡んでくるわけではありません。
主人公は長年患っている肩の痛み治療を切っ掛けに、
古い屋敷やその土地の歴史、
自分たちの名前の由来、血筋を知って・・・というお話ですが、
死者と生きている者が同時に存在する世界観と、
巧みな文章術にどんどん引き込まれてしまいます。

どうやらこのお話、「f植物園の巣穴」という小説と
やんわり繋がっているようです。
でも、そちらは10年ほど前に読んだので内容を覚えていません。
あらためて読み直す必要がありそうです。

痛みは身体的なものだけではありません。
精神的な痛み、心の苦痛というものだってあります。
身体的なものにしろ、精神的なものにしろ、
生きている限り、誰もがなんらかの痛みを抱えています。
あらゆる痛みから解放される死は、
生きている者にとって救いなのだと思います。



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2024年1月12日

読書状況 読み終わった [2024年1月12日]

1000年以上も前の物語が、
なぜいまも読み継がれているのか、
この小説によってわかったような気がします。
平安時代の雅さはもとより、
この時代に生きた人々の
恋愛に関する自由奔放さに
憧れるからではないでしょうか。
道徳観や倫理観は、
時代によって異なりますが、
このころは感情の赴くままに行動することが
許された時代なんですね。
もちろんそれだけではありません。
現代を生きるわたしたちにも通じる
感情の機微が描かれているのでしょう。

人間に定められた苦しみを
生老病死などと言いますが、
その中でも生を受けること、
老いることが、
最も苦しいことのように思われます。
物語の中には「飽かず哀し」という言葉が
幾度も出てきます。
満たされることなく
不完全なままこの世を去ることもまた、
人の定めなのですね。
在原業平ほどの人物でさえ
そうだったのですから。



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2024年1月2日

読書状況 読み終わった [2024年1月2日]
カテゴリ 日本文学

感情は自らの中から生まれ出てくるものなのに、
とらえどころがなく、扱いづらいものです。
人間ってそんなものに振りまわされて
生きているのですね。
感情って実は、
自分のものじゃなくて
本能なのかもって気がします。

本作は伊勢物語をモチーフに書かれたものです。
専業主婦である主人公の女性は、
現生と夢で見る時代を同時に生きています。
夢の中で主人公は
江戸時代の吉原遊郭の花魁であったり、
平安時代の姫に仕える女房であったりしますが、
毎夜のように見る夢の中の暮らしがとてもリアルで、
それぞれの時代にどっぷり浸かって生きながら、
同時に現代女性の意識で考えたりもします。
もちろん眠りから覚めれば、
いまの時代を生きるごく普通の女性です。

時代によって価値観や道徳観、
倫理観は随分変わるものですが、
この作品ではそれらを
現代の視点で肯定したり、
否定したりすることをしていません。
主人公が生きた江戸や平安の時代の風俗風習、
その時ともに生きた人たちの姿を通して、
人間の営みの本質が描かれています。

読み終えるのが惜しくなるような本に
ときおり出会うことがありますが、
本書がまさにそれで、
一気に読み進めるのではなく、
できるだけ間をあけて、
ゆっくり読ませていただきました。

歴史や古文の授業が
いまひとつ面白くなかった理由が
わかったような気がします。
歴史の授業では
それぞれの時代に起こった出来事、
古文の授業では
古典文法や古文解釈を教わるばかりで、
その時代に生きた人たちに
スポットがあたっていませんでした。
歴史は人によって築かれるものなのに。
その時代を生きた人物を深堀すれば、
歴史や古文も
もっと興味を持って学べたかもしれません。




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2023年12月15日

読書状況 読み終わった [2023年12月15日]
カテゴリ 日本文学

人生は悪あがき。
生まれて生きて、
どうしようもないことがあるって知って、
それでもあがかずにはいられない。
恵まれた人も、そうでない人も。
運が良い人も、運に見放された人も。
俯瞰してみれば
大して変わりはないように思えます。
みんなそれぞれ
重荷を背負って生きているんです。
悪あがきしながら。



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2023年11月24日

読書状況 読み終わった [2023年11月24日]
カテゴリ 日本文学

実際の事件をもとに
法曹界の非正義を描いた法廷小説です。
冤罪で死刑判決を受け、
22年もの間刑務所に入れられ、
執行まで数時間という人を救い出す物語。
冤罪を晴らすのは、
このような事件を専門に扱う非営利団体の弁護士たち。
法律は弱者を救済するためのものではなく、
判事や検察官、弁護士など、
それを専門に扱う人たちのためにあるのではないかと
思えてしまいます。
「正義とは、強者の利益にほかならず」
ということでしょうか。

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2023年11月19日

読書状況 読み終わった [2023年11月19日]
カテゴリ 海外文学

主人公は
ある日突然
交通事故で亡くなった男の子。
彼はとても強い子です。
前向きだし、勇気もあります。
これは死後のお話ですが、
むしろ
現世での生き方を考えさせられます。

でも、
死んだ後もこんなだったら
すごく嫌だなぁ。
亡くなった後も
生きてる時と同じように、
後悔したり、悩んだりして、
あくせく動きまわるくらいなら、
死んだ方がましです。
すでに死んでいるのに、
死んだ方がましって思えるほど、
嫌なことはありません。

少なくとも自分は、
いつか死ぬとわかっているから、
死ぬと無になれるから、
いま生きていられるんです。
死んだ後も
現世と似たような
日常が待っているなんて、
恐ろしくて
オチオチ死んでなんか
いられなくなります。




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2023年10月23日

読書状況 読み終わった [2023年10月23日]
カテゴリ 海外文学

著者にしてはめずらしく、
人類滅亡を扱った壮大な物語です。
なのにやっぱり、
やわらかさと優しさを感じました。

命には必ず終わりが訪れます。
それは個々の命の終焉というだけでなく、
この地球にだって寿命はあるのです。
だれもがそのことを知っているにもかかわらず、
現実のこととして受け止めていません。
終わりがあるとわかっているのに、
人間はどうして
無駄なことばかりするのでしょう?

過去にさいなまれず、
未来におびやかされることなく、
いまだけを生きることが、
なぜこんなにも難しいのでしょう?
生きもののほとんどは、
過去にも未来にもとらわれることなく、
いまこの瞬間を生きているように思われます。

人類の存在しない地球を想像してみると、
自然の法則に従った
秩序正しい世界が思い浮かびます。
人間だけがありもしない真理を求め、
この世界に生まれたことの意味を求めて、
本来単純であるはずのものを
複雑で醜悪なものに
してしまっているような気がします。



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2023年10月17日

読書状況 読み終わった [2023年10月17日]
カテゴリ 日本文学

スランプに陥った著者が、
言いしれない虚無感を抱えたまま、
都会の喧騒を離れ、
アルプス山中の打つ捨てられた集落
フォンターネへ移り住んだ経験が綴られています。

孤独をかみしめるには、
美しい場所が最適だと思います。
陰鬱な場所だと、
気持ちまで沈んでしまいますが、
アルプスのような環境の中で、
孤独に生きることほど
贅沢なことはないような気がします。
美しい自然の中で、
孤独を楽しむことができれば、
人生はもっと豊かなものになるはずです。
このような暮らしに憧れます。





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2023年10月6日

読書状況 読み終わった [2023年10月6日]
カテゴリ エッセイ・随筆

狂乱の時代といわれた
1920年代のアメリカの雰囲気を味わいたくて、
本書を手に取ってみました。

ジャズ・エイジとも呼ばれるこの時代は、
伝統の破壊、きらびやかで退廃的
というイメージがありますが、
この短編集でも
そのことが伝わってきました。
また、人間のさまざまな側面を
同時に描き出していて、
いつの世も変わらない
人生の本質を
突きつけられたような気がしました。

どの作品も
映画化したら面白そうと
思えるものばかりでした。



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2023年9月25日

読書状況 読み終わった [2023年9月25日]
カテゴリ 海外文学

フィンランドの
文化、社会、習慣、国民性などが
対話形式で紹介されています。
そこから
同国の幸福度が
なぜ高いのかということを
探ってみようとする内容です。
日本と似たところもありますが、
見習わなければいけないところが多々ありました。



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2023年9月14日

読書状況 読み終わった [2023年9月14日]
カテゴリ 民族・文化

魂を削りながらシャッターを切る男と、
魂を削られながら写される女。。。。。
修羅、あるいは
人間の業という言葉が思い浮かびましたが、
壮絶というのとは、
ちょっと違うような気がしました。
人は誰しも重荷を背負って生きています。
だから、
奈落を覗いてみたい。
そして、その深みへ身を投げ出し
落ちてみたい。
落ちるところまで落ちて、
無限地獄に身を沈めないではいられない・・・
そんな気持ちは多かれ少なかれ
誰にでもあるのではないでしょうか?
でも、ふつうの人はここまでしませんね。
このような状況に
身をゆだねることができるのは、
やはりどこかでそれを
望んでいたからではないでしょうか。





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2023年9月10日

読書状況 読み終わった [2023年9月10日]

安井かずみさんという人のことは
まったく知らず、
本の表紙に惹かれて購入しました。
いわゆるジャケ買いです。

彼女は時代を牽引するほど
派手でカコイイ人ではありましたが、
その一方で、
古風な面を併せ持つ
不思議な人だったようです。
いまも語り継がれるほど、
とても魅力的な人だったのでしょうね。

本書は
安井かずみさんの生涯をたどると同時に、
彼女が生きた時代とその空気感、
先端をいく女性としての生き方、
男と女の関係性、
愛情の在り方などが描かれ、
とくに加藤和彦さんとの関係は、
実に興味深いものでした。
まるで
人間の本質を描いた物語を
読んでいるようでした。







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2023年9月1日

読書状況 読み終わった [2023年9月1日]

シリーズ第2弾。
今回は空き巣と誘拐、
二つの事件を追う物語です。
タイトルにある通り、
メインはやはり幼児誘拐事件なのですが、
前作同様、
刑事たちの私生活にも
多くのページが割かれています。
そのことによって
彼ら、彼女らの個性が特徴づけられ、
魅力が増幅されています。
物語の結末には賛否ありそうですが、
人間の愚かさが際立つ描き方だと思いました。




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2023年8月20日

読書状況 読み終わった [2023年8月20日]
カテゴリ 海外文学

一枚の絵を中心に紡がれる5つの物語。
連作短編集かと思いきや、
最終章に思わぬ仕掛けが・・・。
タイトルのもつ本当の意味も、
最後になってわかります。

生きることは出会いと別れの繰り返し。
言い換えるなら、
小さな喜びと大きな悲しみの繰り返しです。
でも、再び巡り会えたときの喜びは格別ですね。




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2023年8月12日

読書状況 読み終わった [2023年8月12日]
カテゴリ 日本文学

とても辛いお話でした。
同じような境遇にある子供は、
残念ながら実際に存在します。
ニュースなどで耳にするたび、
腸の煮えかえるような心持になります。
でも本書は、再生の物語でもあります。
まったく救いがないわけではありません。

多かれ少なかれ人は孤独な生き物です。
誰にも声が届かないことなど、
当然のことであるように思います。
もし、そうでないという人がいれば、
その方は特別に
恵まれた人ではないでしょうか。
タイトルも〝クジラたち〟と
複数形になっているではありませんか。
この世に生きる多くの人が、
実は52ヘルツで歌うクジラなのです。
自分の声が誰にも届かないとしても、
せめて人の心の叫びには
耳を傾けられるように生きたいものです。



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2023年8月6日

読書状況 読み終わった [2023年8月6日]
カテゴリ 日本文学

小学生が主人公の短編集です。
自分が子供だった頃のことを思い出し、
ちょっとノスタルジックな気分になりました。

人を見た目で判断してはいけません。
相手の立場に立って考えなさい。
勝手な思い込みはダメですよ。
肩書に惑わされてはいけません。
ものごとは多角的に見なさい・・・
などと教えられてきましたが、
それでも人は先入観にふりまわされたり、
客観性を欠いたり、画一的な見方をしたり、
根拠のない歪んだ認識を持ったりするものです。

無垢であるはずの子供たちが偏見を抱いたり、
なんの裏付けもなしに思い込んだりするのは、
大人たちの言動に因るのではないでしょうか?
逆に考えると、
大人たちが清廉潔白でさえあれば、
子供たちも清く、正しく育つような気がします。
けど、世の中はそうなっていません。
じつに悲しいことです。




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2023年7月28日

読書状況 読み終わった [2023年7月28日]
カテゴリ 日本文学

シリーズ5作目ともなると
登場人物のキャラクターも固まり、
回を重ねるごとに読み方がわかってきました。

今回はロマとおぼしき少年を中心に
物語が展開していきます。
悪党たちから逃げ回る少年。
しかし、追い詰められているのは悪漢たちの方でした。

読み進むうちに
反出生主義の思想が頭をよぎりました。
子供は本人の同意なしにこの世に生み出されます。
時代や出生地、親を選ぶことはできません。
この世界は幸福よりも苦しみの方が多く、
存在は苦悩することにほかなりません。
やっぱり生命は生まれない方が良いのでしょうか?



べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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2023年7月22日

読書状況 読み終わった [2023年7月22日]
カテゴリ 海外文学
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