「晩菊」
1年ぶりに昔の男が自宅にやって来るも、目的が金だとわかるとさっさと見切りをつけて男を帰らせようとする。ここでの会話に、きんの経験の豊富さと肝の太さが現れている。借金の申込みをのらりくらりとかわしながらもどんなに頼み込まれても絶対に首を縦に振らないであろう強い意思が伝わってくる。
結局は酩酊した男を泊めてしまうのだが。ダメ男に少しは情が残っているのか。ちょっとせつない。しかし決して気を許した訳でなく、きんは眠らないように覚醒剤を飲む(用意していたアルコールにはほとんど口をつけていない)。
酔った勢いで…てなことにならぬように、そのへんは抜かりがない。さすが百戦錬磨の恋愛戦士きん。女ひとりでも生き抜かんとする気概と潔さよ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月19日
- 読了日 : 2023年10月19日
- 本棚登録日 : 2023年10月8日
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