経営学の最前線の内容が紹介されていて非常に参考になった。これから引用されていた論文をいくつか読む予定。

2012年12月22日

読書状況 読み終わった [2012年12月22日]
カテゴリ 経営
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ALSで目、耳、脳以外のすべての機能が麻痺しながらも、徳州会病院グループを指揮し続ける徳田虎雄の真実に迫る本です。
不随の徳田氏へのインタビューも多く含まれています。でも、人工呼吸器を装着しているので話すことはできない。ひらがなの書かれたボードで、徳田氏がみつめた文字を1つ1つ秘書がメモし、それを秘書が読み上げることで話すことができる。徳田氏は徳州会病院の特別室で24時間看護体制のなかで生きている。逆説的にいえば、病院グループの総帥だから受けられる最高の環境だ。その部屋には全グループの朝会を行う会議室の様子がみることができるモニターがある。身体は動かなくてもすべての病院とリアルタイムでつながっている。
もし、目の筋肉が失われれば、意識はあるままコミュニケーションの手段を失う。想像しただけで恐ろしい世界だ。
徳州会グループを僻地や発展途上国での医療を供給できる体制にするために徳田氏はさらに5年間は指揮を執り続けたいと考えている。この本は、この恐ろしいまでの執念がどういう生い立ちではぐくまれたのかを教えてくれる。

2011年12月17日

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読書状況 読み終わった [2011年12月17日]
カテゴリ リーダーシップ

日本で財政破綻が起こるとどうなるかをシミュレーションしています。ギリシア、スペイン、イタリアと財政危機が連鎖的に起こり、ドイツ国債の入札が未達という危機的な状況を見ていると日本の財政破綻も時間の問題です。そのときに決断力もビジョンもない首相だったら、ハイパーインフレ、円安で戦後のような国民が大打撃をうける事態は避けられないでしょう。なんとか着地して日本が再生するにはこのようなシナリオしかない気がします。

2011年11月30日

読書状況 読み終わった [2011年11月30日]
カテゴリ 日本政治

本屋で見つけて、早速購入。その晩に読了。
どういう世代の人が読むかにより印象は違うと思いますが、似たような感覚で生きているので非常に納得感がありました。50代として次の30年をどう生きるかは大きな課題です。会社を退職して引退し、下降線をたどるのではなく、50代から新たな坂を昇る心構えが大切です。この本を読んで新たな坂を登る励ましをもらえた気がしました。

2011年11月30日

読書状況 読み終わった [2011年11月30日]

最近読んだ日本の近代史に関する本の中で、一番インパクトがあった。近代化は西欧発の近代化という見方が主流であるが、身分制の廃止、自由な市場という意味における近代化は宋代の中国で起こった。この流れが中東を経由して辺境の地ヨーロッパにも広がったという史観のもとに日本近代史を再構成している。この観点で見ると平家とは宋の近代化を日本に輸入しようとした勢力であり、源氏は守旧派である。日本は不幸なことにこの近代化を拒否続け、江戸時代のような反近代的な封建社会を守り通した。しかし、江戸時代の後期に発生した社会の不満が、ヨーロッパ経由の近代化とうまく干渉して、いち早く西欧近代の技術導入、産業化に成功した。しかし、政治的には徐々に反近代化(江戸化)し、封建制的な国家社会主義体制になって、中国との戦争に敗れた。しかし戦後の経済成長は国家の目的が戦争から経済成長に変わっただけで基本的な仕組みは温存され、田中角栄時代に最盛期を迎える。しかし、1970年代後半から米英中は中国化を推進する中で、日本は大きく中国化から取り残される。

2011年12月11日

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読書状況 読み終わった [2011年12月11日]
カテゴリ 日本近代史

古賀氏の著作は何冊か読んでいるので繰り返しの部分も多いが以下に気になった発言を引用する。
-野田総理も枝野経産大臣もリスクを取って改革できる政治家ではない。
-海江田は、記者会見で人臣一新といい更迭という言葉は一度も使っていない。
-福島原発事故によって東京電力を頂点とした電力業界が日本の経済だけでなく社会まで含めて広く深く支配している構造が見えてきた。
-経産省が何を考えているかというと、原発を推進すべきだと考えている。しかし、今は言わないという方針です。・・流れを見てそのうち言う。やがて反原発フィーバーが少しずつ冷めてくるだろうと思っている。不足分をLNGと再生可能エネルギーで代替するのは非現実的だと思っている
-うまく電力自由化ができないと電力会社の体質は変わらない。そのままでは、原子力の安全は担保できない。
-すべての安全規制が国民の安全を守る観点からではなく、経産省の立場を守る観点から作られている。
-新しい原発、反対が強かった原発ほど頑丈です。
-ベントせよは命令か?要請の場合、結果が悪ければ東電が勝手にやったことになる。
-出荷制限は命令でないので、補償金は支払われない。
-あれだけの放射能をばらまいても、東電の刑事罰は問われない。汚染防止法の対象外だから。

2012年1月10日

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読書状況 読み終わった [2012年1月10日]
カテゴリ 日本政治

本屋で見つけて早速購入し読了。社会ということに注目している点が新しい。また、1章、2章は原発事故に関連しての部分なのでいろいろ新しい話があった。デンマークの教育改革の話は興味深い。
4章はこのまとめ方が目新しい。5章のアプローチ論として小さな成功を積み重ねよという主張は重要だ。イギリスのビッグソサエティに言及しているところも評価できる。ビジョンに関しては、あまり目新しいものはないが、さすがに2025年までに実施できていないと相当やばいであろう。

2011年11月6日

読書状況 読み終わった [2011年11月6日]
カテゴリ 日本政治

殆どの内容は既知であったが、新しい情報を書き留めておく。
いまだに日本滞在の外国人が日本の銀行に口座を開けない国。制度的にはできるが煩雑な手続きと日本の銀行の英語力のなさで実質的に解説できない。証券投資もできない。帰国すれば口座はクローズ
中国では旅行者でも口座開設ができる。
米国では25兆円の寄付が毎年行われている。日本では約1兆円。
海外に一回に持ち出せるのは現金は100万円未満
東電の処理は、世界中の投資家を唖然とさせた。このようなルール無視はありえない。
法律ではなく庶民感情で裁判を行うでたらめ司法。しかし、一部は最高裁でまともな判決がでてよかった。

2012年1月9日

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読書状況 読み終わった [2012年1月9日]

ナショナリズムは戦前の軍国主義の原因とされ日本では口にしてはいけない忌み言葉化している。このタブーにあえて踏み込んで、ナショナリズムについて正面から分析してる。ナショナリズムや国民国家の否定は、結果として過激なナショナリズムを引き起こす。いまこそ日本のナショナリズムを高め、国民国家のビジョンを定義する必要がある。その作業抜きには国益を定義することはできない。国益とは既得権益の現状維持ということではない。国民の幸福度を高めるためことが国益であり、不幸を最小にすることではない。
雇用問題、少子化問題、移民問題、社会保障等についてきちんとした議論を行うべきであろう。グローバル化のなかで、昔に戻ることはできない以上、新しいビジョンが必要である。ビジョンなしに個別分野の専門家に判断を任せることは非常に危険だ。

2011年12月2日

読書状況 読み終わった [2011年12月2日]
カテゴリ 日本政治

著者による同シリーズの本としては、年金問題、財政問題等何冊か読んだがすでに知っている事柄が整理されているレベルであった。この本はそうした期待を見事に裏切る非常に内容の濃い本である。高橋千太郎氏が放射線の人体への影響についてわかりやすく説明していて、初めて知った事柄も多々あった。
100ミリシーベルト以下の被曝の議論について、何故LNTモデルに落ち着いたかについてきちんと説明されている。低線量被曝については、研究データがない訳ではなく、矛盾するいろいろなケースが見つかっていて、安全サイドをとって、LNTモデルに落ち着いている。100ミリシーベルトで癌による死亡者が最大で0.5%増える。原発労働者で、年間5ミリシーベルト、10年間被曝して白血病になったケースでは労災が認定されている。しかし、もう一点重要なのは、しきい値が存在する障害もある。精子の製造能力は200ミリシーベルトの被曝で1時的な影響が出る。発癌性のような確率的影響としきい値がある確定的影響を理解することが放射線の影響を考えるときに必要である。

2011年10月30日

読書状況 読み終わった [2011年10月30日]
カテゴリ 原発問題

何十枚も資料を作って仕事をしたつもり、中身より形にこだわる「はこもの志向」、みんなで一緒に考えて仕事をしたつもり、業界トップの真似をして仕事をしたつもり、商売の原則を無視した「過剰サービス」、「安全策」や「奇策」に逃げるという5つの典型的な症状とその対策が紹介されています。
日本のホワイトカラーの生産性が低いのはこの「仕事をしたつもり」症候群が原因です。思考を活性化させないと価値を生み出すことはできないことを自覚することが大切です。

2011年10月2日

読書状況 読み終わった [2011年10月2日]
カテゴリ 仕事術

「容易に収穫できる果実は食べつくされた。」という言葉に最近の経済の停滞の理由が説明されています。米国の経済発展は、西部という無償の土地、イノベーション、未教育の賢い子供たちによって実現された。しかし、最近は、この全ての要因がなくなっている。1968年に人類は月に行ったが、その技術は大して世の中を変えなかった。米国の大学卒業生のレベルは70年代と大差がない。無償の土地は遠い昔になくなった。
最近の米国経済の牽引役だった政府部門、医療部門、教育部門は経済の生産性ほど世の中をよくしていない。金融部門も一部の人にしか恩恵を与えていない。インターネットはより多くの情報を安価に提供する一方で、たいした雇用を生み出していない。
コーエンの処方箋は科学者の社会的地位を高めることだ。イノベーションを起こすには科学技術の発展が重要でその領域に優秀な学生が集まることが重要と主張している。
日本でも理系離れが甚だしい。近代化を推し進めた原動力である科学技術を再度強化することは理屈としては正しいが、果たしてそれが可能なのであろうか?

2011年10月2日

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読書状況 読み終わった [2011年10月2日]
カテゴリ グローバル経済

宮台真司の最新作。会社のインターン生に一読を薦めたい本です。
私も以前から指摘していることですが、就活に重要なことは充実した大学生生活を送ることです。きちんと勉強し、研究室やサークル活動等を通して社会性を身につけ、人生の目的をあれこれ考え、恋愛し、充実した学生生活を送っていれば、それなりの結果が得られるでしょう。それが何故なのかはこの本を読むとよく理解できます。
この本の中で気に入った、3.11の原発事故以降、今後の日本が生き延びるために必要な宮台氏のスローガンを紹介します。
1.〈任せて文句を垂れる社会〉から〈引き受けて考える社会〉へ
2.〈空気に縛られる社会〉から〈知識を尊重する社会〉へ
3.〈行政に従って褒美をもらう社会〉から〈善いことをすると儲かる社会〉へ
4.〈国家と市場に依存する社会〉から〈共同体自治で自立する社会〉へ
5.〈便利と快適を追求する社会〉から〈幸福と尊厳を追求する社会〉へ

2011年9月19日

読書状況 読み終わった [2011年9月19日]
カテゴリ 就職活動

衆議院厚生労働委員会の発言で、国民を感動させた児玉龍彦氏の著作である。委員会の発言内容と説明用資料はもちろん収録されているが、それ以外にもチェルノブイリにおける甲状腺がんや膀胱炎にかんする調査結果が含まれている。
放射能被曝に閾値があるのかという問題については、この本を読む限りでは少量でも害があることが理解できる。遺伝子の一部が傷つくことにより、将来がんが発生しやすくなることがチェルノブイリの甲状腺癌の研究からわかってきた。
福島ではヨウ素による被害はそれほどひどくなさそうであるが、セシウム137による汚染が長期にわたって発生した場合どのような被害が引き起こされるか想像できない。特に、内部被曝を抑えることが重要で、そのためには食品検査を効率的に行う体制の確立と除染が重要だ。

2011年9月30日

読書状況 読み終わった [2011年9月30日]
カテゴリ 原発問題

漁業問題はいままで殆ど関心がなかったが、この本で危機的な状況にあることがよくわかった。
日本の漁業は稚魚や親魚まで乱獲することで、毎年の漁獲高が減っている。このような旧態依然とした漁業を政府は放置してきた。もしくはでたらめな理屈で乱獲を放置してきた。今のでたらめさは次の文章によく表れている。
「自国のサバ資源は未成魚のうちに乱獲して、二束三文でたたき売りしておきながら、自分たちの食べるサバはノルウェーから輸入しているのです。」
ノルウェーも昔は日本同様の焼き畑漁業をしてきたわけですが、漁獲量を制限する改革により売り上げを伸ばすことを成功し、漁業は成長産業となっている。ノルウェーやニュージーランドのような漁業先進国に見習い日本も抜本的に漁業を改革する必要がある。そうしなければ、漁業どころか、魚を食べるという食文化すら維持することができなくなるであろう。

2011年9月29日

読書状況 読み終わった [2011年9月29日]
カテゴリ 漁業問題

海老原氏の就活問題に関する最新版。民主党が打ち出した就活対策の政策の問題点まで指摘している。
今回もいろいろなデータに基づいて、就活に関する常識のうそを暴いている。
文科省が若年人口が減少しているにもかかわらず、大学の定員の大幅削減を指導しなかったために、大学生の数は増え、質は低下している。したがって下位層が、昔の大学生のような総合職として大企業から内定をもらうことは難しい。しかし、これは問題ではなく、実力相応の企業に入社すればよいだけである。そのことを大騒ぎしてもしかたなく、卒業後3年までは新卒扱いしても大企業への就活は難しくなっても易しくなることはない。
就活時期も3年生の2月から始まり4月頃内定が出るのであれば、勉学への影響も少ないし、企業が以前早期化したことで学習したことにより、これ以上早くなることはない。
海老原氏が問題視しているのは、高校卒業生の就職問題および中間層の従業員の転職が難しいことである。

2011年9月30日

読書状況 読み終わった [2011年9月30日]
カテゴリ 就職活動

今まで、ハイエクの解説本を何冊か読んだが、この本はハイエクの経済学者ではなく社会思想家としての領域について詳細に解説している。「隷属への道」は理解していたが、「自由の条件」、「法と立法と自由」の不十分な理解を深めることができた。
 ハイエクはオーストリア出身であるが、イギリスに帰化し、思想的にはロック、ヒューム、バークという英米系の流れに属している。設計主義への批判にはデカルト的なフレームワークへの強い批判が込められている。ハイエクは、環境から独立した理性の存在は否定し、進化論的合理主義の立場をとる。
 ハイエクの一番重要なコンセプトは「自生的秩序」である。これは設計主義に対立する考え方である。具体的には市場とルールである。大きな社会で個人が異なった目的を持ちながら、生きていくにはこの仕掛けが不可欠である。
 自由主義と民主主義に関する分析も非常に示唆に富んでいる。議会のあり方を見直すことは日本では不可欠だと思われる。
 

2011年9月8日

読書状況 読み終わった [2011年9月8日]
カテゴリ 自由主義

ここでの新自由主義という定義は、リバタリアニズムよりは政府の役割を肯定する立場です。すべて市場に任せるということではなく、市場の失敗は認め政治が一定の役割を果たすことが前提です。ハイエク、フリードマンにちかい立場です。具体的には、資源分配における市場競争の重視、効率的な所得分配、公平な社会保障制度を柱にし、賢人政治や共同体主義への批判を含んでいます。
日本経済の課題に新自由主義の立場から、処方箋を提言しています。内容的には私にとっては自明なものばかりです。1940年体制、1970年体制を守ろうとしている抵抗勢力が多いためにこのようなまっとうなことが実現できないのは非常に嘆かわしいことです。新自由主義政党が結成され、政治の主導権を握る日が早く来ることを祈るばかりです。

2011年8月31日

読書状況 読み終わった [2011年8月31日]
カテゴリ 日本経済

読後の感想として、この本を多くの人に読んでいただきたい。安保の問題、日本の政治の劣化、民主党政権の愚かさ、官僚機構の無責任さがよく理解できる。 
 震災でうやむやになってしまった感がある、「沖縄はゆすりの名人」発言事件。弱腰のルース大使によりきちんとした抗議もせぬまま現在に至っているが、日本のマスコミは共同通信の報道を批判するべきだ。このようなねつ造を看過することはできない。
 米国は原子力発電所の全電源喪失の危険性を以前から指摘していた。これは津波ではなくテロを想定してのことであるが、この文脈からも福島原発事故は想定内である。米国からの支援リストに回答するのに2週間もかかるような平時のお役所仕事を是正するのが政治主導であるが、管政権はなんのリーダーシップも発揮できなかった。アメリカ政府は、最悪の事態を想定し東京に住む9万人の在日米国人の避難を検討していた。NRCが80キロメートル圏内からの避難を決断できるのは、NRCの独立・信頼があってのことだ。
「責任を取らず、自己保身を図ることが目的化している今の政治からの脱却」なくしては、日本は永遠に立ち直れない。

2011年9月4日

読書状況 読み終わった [2011年9月4日]
カテゴリ 日本政治

前作の「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」と重複しているところもあるが、この本はキャリア論としてまとめられている。いわば、残酷な世界におけるキャリア論ということである。日本のフラジャイルな構造から逃れて人生を切り開くか若い人にとって大問題であるが、是非この本を読んでキャリア設計を見つめ直してほしい。

2011年8月17日

読書状況 読み終わった [2011年8月17日]

低レベルの放射線被曝であれば、月に100ミリシーベルトであっても大丈夫だと主張して話題になった本を読んでみた。
アリソンの主張する基準は、急性の場合は100ミリシーベルト、低線量の被曝については、月100ミリシーベルト、生涯で5シーベルトである。論拠は放射線治療の経験、放射線生物学、急性被曝者と慢性被曝者の長期的な医療記録である。1シーベルト被曝すると5%癌で死ぬ人が増えるというデータは長崎、広島の被曝者の調査から得られているが、アリソンは人体の細胞レベルの損傷修復機能を評価して、このような基準を提唱している。
この本を読んでいるとアリソンにとっては、地球温暖化が大きな危機でそのためには原子力発電を化石燃料の代替として使うことを促進するべきだという理屈が背景にある。また、核燃料廃棄物は、量としてはそれほど多くなく、十分に廃棄可能だと主張している。
科学的な真理とはなにかと考えると、少なくとも専門家集団での合意が不可欠であるが、この基準が直ちに合意されることはないであろう。(たとえば、先日紹介した辛坊治郎「放射能の真実」)

2011年11月6日

読書状況 読み終わった [2011年11月6日]
カテゴリ 原発問題

クライメートゲート事件というIPCCの中心的気候学者によるデータ捏造や学会への圧力等の知的に不誠実な事件の詳細が解説されています。この事件が日本ではまったく報道されなかったことは大変残念だ。
この本では、温室効果ガスによる地球温暖化説の誤りを、宇宙線による低層雲の発生メカニズムや古気象学の成果を説明しながら批判している。
私の理解としては、気温上昇への温暖化ガスの影響はIPCCの想定よりもかなり低く、ヒートアイランド現象や不適切な場所での測温、地球の周期的な気候変動によるものと思われる。
21世紀に入ってから、二酸化炭素の排出量は増えているが平均気温の上昇は減少している。また、地球規模の気候変動により気温が低下する可能性もある。多分、10年後には地球温暖化説は消えてなくなっているであろう。
人類にとって重要なことはエネルギーや石油の効率的な利用である。そのことを考えると電気自動車のようなものはエネルギーロスのなにものでもない。温暖化ガス説のマイナス面を早く払拭することが重要である。

2011年11月14日

読書状況 読み終わった [2011年11月14日]
カテゴリ 環境問題

最新の宇宙論の解説書。2011年のノーベル物理学賞は、宇宙の膨張速度が加速しているという発見であったが、この本はその詳細が解説されている。この時期にこの本に出会えたのは非常にタイムリーであった。
ダークマター、ダークエネルギーとそれを理論的に説明するために導入された多次元宇宙や多元宇宙というアイディアについてその一端を知ることができた。
スイスにあるLHCという装置により光速近くまで加速された陽子を衝突させることにより多次元世界の存在を確かめようとしている。2つの陽子が衝突してブラックホールができれば多次元宇宙の存在が確認できる。多次元世界は実は目に見えないくらい小さい可能性もある。
宇宙物理学と素粒子物理学から宇宙の謎が徐々に解き明かされつつある最新の研究動向が理解できる良書である。

2011年10月6日

ネタバレ

日本中枢の崩壊を読んでいるとかなりの部分は重複しています。こちらの方がページ数も少なく読みやすいと思います。長妻氏に関する記述はこちらの方が好意的かも・・

2011年8月31日

読書状況 読み終わった [2011年8月31日]
カテゴリ 日本政治
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