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世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
- 入山章栄
- 英治出版 / 2012年11月13日発売
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経営学の最前線の内容が紹介されていて非常に参考になった。これから引用されていた論文をいくつか読む予定。
2012年12月22日
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トラオ: 徳田虎雄不随の病院王
- 青木理
- 小学館 / 2011年12月1日発売
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2011年12月17日
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もし小泉進次郎がフリードマンの資本主義と自由を読んだら
- 日経BP
- 日経BP / 2011年11月25日発売
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日本で財政破綻が起こるとどうなるかをシミュレーションしています。ギリシア、スペイン、イタリアと財政危機が連鎖的に起こり、ドイツ国債の入札が未達という危機的な状況を見ていると日本の財政破綻も時間の問題です。そのときに決断力もビジョンもない首相だったら、ハイパーインフレ、円安で戦後のような国民が大打撃をうける事態は避けられないでしょう。なんとか着地して日本が再生するにはこのようなシナリオしかない気がします。
2011年11月30日
本屋で見つけて、早速購入。その晩に読了。
どういう世代の人が読むかにより印象は違うと思いますが、似たような感覚で生きているので非常に納得感がありました。50代として次の30年をどう生きるかは大きな課題です。会社を退職して引退し、下降線をたどるのではなく、50代から新たな坂を昇る心構えが大切です。この本を読んで新たな坂を登る励ましをもらえた気がしました。
2011年11月30日
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中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史
- 與那覇潤
- 文藝春秋 / 2011年11月19日発売
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2011年12月11日
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田原総一朗責任編集 決別!日本の病根 (2時間でいまがわかる!)
- 古賀茂明
- アスコム / 2011年11月16日発売
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2012年1月10日
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訣別―大前研一の新・国家戦略論
- 大前研一
- 朝日新聞出版 / 2011年11月4日発売
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本屋で見つけて早速購入し読了。社会ということに注目している点が新しい。また、1章、2章は原発事故に関連しての部分なのでいろいろ新しい話があった。デンマークの教育改革の話は興味深い。
4章はこのまとめ方が目新しい。5章のアプローチ論として小さな成功を積み重ねよという主張は重要だ。イギリスのビッグソサエティに言及しているところも評価できる。ビジョンに関しては、あまり目新しいものはないが、さすがに2025年までに実施できていないと相当やばいであろう。
2011年11月6日
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資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)
- 山田順
- 文藝春秋 / 2011年10月19日発売
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2012年1月9日
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新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか (NHK出版新書)
- 萱野稔人
- NHK出版 / 2011年10月6日発売
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ナショナリズムは戦前の軍国主義の原因とされ日本では口にしてはいけない忌み言葉化している。このタブーにあえて踏み込んで、ナショナリズムについて正面から分析してる。ナショナリズムや国民国家の否定は、結果として過激なナショナリズムを引き起こす。いまこそ日本のナショナリズムを高め、国民国家のビジョンを定義する必要がある。その作業抜きには国益を定義することはできない。国益とは既得権益の現状維持ということではない。国民の幸福度を高めるためことが国益であり、不幸を最小にすることではない。
雇用問題、少子化問題、移民問題、社会保障等についてきちんとした議論を行うべきであろう。グローバル化のなかで、昔に戻ることはできない以上、新しいビジョンが必要である。ビジョンなしに個別分野の専門家に判断を任せることは非常に危険だ。
2011年12月2日
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2時間でいまがわかる! 放射能の真実! (2時間でいまがわかる!)
- 辛坊治郎
- アスコム / 2011年9月30日発売
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著者による同シリーズの本としては、年金問題、財政問題等何冊か読んだがすでに知っている事柄が整理されているレベルであった。この本はそうした期待を見事に裏切る非常に内容の濃い本である。高橋千太郎氏が放射線の人体への影響についてわかりやすく説明していて、初めて知った事柄も多々あった。
100ミリシーベルト以下の被曝の議論について、何故LNTモデルに落ち着いたかについてきちんと説明されている。低線量被曝については、研究データがない訳ではなく、矛盾するいろいろなケースが見つかっていて、安全サイドをとって、LNTモデルに落ち着いている。100ミリシーベルトで癌による死亡者が最大で0.5%増える。原発労働者で、年間5ミリシーベルト、10年間被曝して白血病になったケースでは労災が認定されている。しかし、もう一点重要なのは、しきい値が存在する障害もある。精子の製造能力は200ミリシーベルトの被曝で1時的な影響が出る。発癌性のような確率的影響としきい値がある確定的影響を理解することが放射線の影響を考えるときに必要である。
2011年10月30日
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仕事をしたつもり (星海社新書)
- 海老原嗣生
- 星海社 / 2011年9月22日発売
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何十枚も資料を作って仕事をしたつもり、中身より形にこだわる「はこもの志向」、みんなで一緒に考えて仕事をしたつもり、業界トップの真似をして仕事をしたつもり、商売の原則を無視した「過剰サービス」、「安全策」や「奇策」に逃げるという5つの典型的な症状とその対策が紹介されています。
日本のホワイトカラーの生産性が低いのはこの「仕事をしたつもり」症候群が原因です。思考を活性化させないと価値を生み出すことはできないことを自覚することが大切です。
2011年10月2日
2011年10月2日
宮台真司の最新作。会社のインターン生に一読を薦めたい本です。
私も以前から指摘していることですが、就活に重要なことは充実した大学生生活を送ることです。きちんと勉強し、研究室やサークル活動等を通して社会性を身につけ、人生の目的をあれこれ考え、恋愛し、充実した学生生活を送っていれば、それなりの結果が得られるでしょう。それが何故なのかはこの本を読むとよく理解できます。
この本の中で気に入った、3.11の原発事故以降、今後の日本が生き延びるために必要な宮台氏のスローガンを紹介します。
1.〈任せて文句を垂れる社会〉から〈引き受けて考える社会〉へ
2.〈空気に縛られる社会〉から〈知識を尊重する社会〉へ
3.〈行政に従って褒美をもらう社会〉から〈善いことをすると儲かる社会〉へ
4.〈国家と市場に依存する社会〉から〈共同体自治で自立する社会〉へ
5.〈便利と快適を追求する社会〉から〈幸福と尊厳を追求する社会〉へ
2011年9月19日
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内部被曝の真実 (幻冬舎新書)
- 児玉龍彦
- 幻冬舎 / 2011年9月8日発売
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衆議院厚生労働委員会の発言で、国民を感動させた児玉龍彦氏の著作である。委員会の発言内容と説明用資料はもちろん収録されているが、それ以外にもチェルノブイリにおける甲状腺がんや膀胱炎にかんする調査結果が含まれている。
放射能被曝に閾値があるのかという問題については、この本を読む限りでは少量でも害があることが理解できる。遺伝子の一部が傷つくことにより、将来がんが発生しやすくなることがチェルノブイリの甲状腺癌の研究からわかってきた。
福島ではヨウ素による被害はそれほどひどくなさそうであるが、セシウム137による汚染が長期にわたって発生した場合どのような被害が引き起こされるか想像できない。特に、内部被曝を抑えることが重要で、そのためには食品検査を効率的に行う体制の確立と除染が重要だ。
2011年9月30日
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日本の魚は大丈夫か 漁業は三陸から生まれ変わる (NHK出版新書)
- 勝川俊雄
- NHK出版 / 2011年9月8日発売
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漁業問題はいままで殆ど関心がなかったが、この本で危機的な状況にあることがよくわかった。
日本の漁業は稚魚や親魚まで乱獲することで、毎年の漁獲高が減っている。このような旧態依然とした漁業を政府は放置してきた。もしくはでたらめな理屈で乱獲を放置してきた。今のでたらめさは次の文章によく表れている。
「自国のサバ資源は未成魚のうちに乱獲して、二束三文でたたき売りしておきながら、自分たちの食べるサバはノルウェーから輸入しているのです。」
ノルウェーも昔は日本同様の焼き畑漁業をしてきたわけですが、漁獲量を制限する改革により売り上げを伸ばすことを成功し、漁業は成長産業となっている。ノルウェーやニュージーランドのような漁業先進国に見習い日本も抜本的に漁業を改革する必要がある。そうしなければ、漁業どころか、魚を食べるという食文化すら維持することができなくなるであろう。
2011年9月29日
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就職、絶望期―「若者はかわいそう」論の失敗 (扶桑社新書 99)
- 海老原嗣生
- 扶桑社 / 2011年9月1日発売
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海老原氏の就活問題に関する最新版。民主党が打ち出した就活対策の政策の問題点まで指摘している。
今回もいろいろなデータに基づいて、就活に関する常識のうそを暴いている。
文科省が若年人口が減少しているにもかかわらず、大学の定員の大幅削減を指導しなかったために、大学生の数は増え、質は低下している。したがって下位層が、昔の大学生のような総合職として大企業から内定をもらうことは難しい。しかし、これは問題ではなく、実力相応の企業に入社すればよいだけである。そのことを大騒ぎしてもしかたなく、卒業後3年までは新卒扱いしても大企業への就活は難しくなっても易しくなることはない。
就活時期も3年生の2月から始まり4月頃内定が出るのであれば、勉学への影響も少ないし、企業が以前早期化したことで学習したことにより、これ以上早くなることはない。
海老原氏が問題視しているのは、高校卒業生の就職問題および中間層の従業員の転職が難しいことである。
2011年9月30日
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いまこそハイエクに学べ: 〈戦略〉としての思想史
- 仲正昌樹
- 春秋社 / 2011年8月26日発売
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今まで、ハイエクの解説本を何冊か読んだが、この本はハイエクの経済学者ではなく社会思想家としての領域について詳細に解説している。「隷属への道」は理解していたが、「自由の条件」、「法と立法と自由」の不十分な理解を深めることができた。
ハイエクはオーストリア出身であるが、イギリスに帰化し、思想的にはロック、ヒューム、バークという英米系の流れに属している。設計主義への批判にはデカルト的なフレームワークへの強い批判が込められている。ハイエクは、環境から独立した理性の存在は否定し、進化論的合理主義の立場をとる。
ハイエクの一番重要なコンセプトは「自生的秩序」である。これは設計主義に対立する考え方である。具体的には市場とルールである。大きな社会で個人が異なった目的を持ちながら、生きていくにはこの仕掛けが不可欠である。
自由主義と民主主義に関する分析も非常に示唆に富んでいる。議会のあり方を見直すことは日本では不可欠だと思われる。
2011年9月8日
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新自由主義の復権 - 日本経済はなぜ停滞しているのか (中公新書 2123)
- 八代尚宏
- 中央公論新社 / 2011年8月25日発売
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ここでの新自由主義という定義は、リバタリアニズムよりは政府の役割を肯定する立場です。すべて市場に任せるということではなく、市場の失敗は認め政治が一定の役割を果たすことが前提です。ハイエク、フリードマンにちかい立場です。具体的には、資源分配における市場競争の重視、効率的な所得分配、公平な社会保障制度を柱にし、賢人政治や共同体主義への批判を含んでいます。
日本経済の課題に新自由主義の立場から、処方箋を提言しています。内容的には私にとっては自明なものばかりです。1940年体制、1970年体制を守ろうとしている抵抗勢力が多いためにこのようなまっとうなことが実現できないのは非常に嘆かわしいことです。新自由主義政党が結成され、政治の主導権を握る日が早く来ることを祈るばかりです。
2011年8月31日
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決断できない日本 (文春新書)
- ケビン・メア
- 文藝春秋 / 2011年8月18日発売
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読後の感想として、この本を多くの人に読んでいただきたい。安保の問題、日本の政治の劣化、民主党政権の愚かさ、官僚機構の無責任さがよく理解できる。
震災でうやむやになってしまった感がある、「沖縄はゆすりの名人」発言事件。弱腰のルース大使によりきちんとした抗議もせぬまま現在に至っているが、日本のマスコミは共同通信の報道を批判するべきだ。このようなねつ造を看過することはできない。
米国は原子力発電所の全電源喪失の危険性を以前から指摘していた。これは津波ではなくテロを想定してのことであるが、この文脈からも福島原発事故は想定内である。米国からの支援リストに回答するのに2週間もかかるような平時のお役所仕事を是正するのが政治主導であるが、管政権はなんのリーダーシップも発揮できなかった。アメリカ政府は、最悪の事態を想定し東京に住む9万人の在日米国人の避難を検討していた。NRCが80キロメートル圏内からの避難を決断できるのは、NRCの独立・信頼があってのことだ。
「責任を取らず、自己保身を図ることが目的化している今の政治からの脱却」なくしては、日本は永遠に立ち直れない。
2011年9月4日
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大震災の後で人生について語るということ
- 橘玲
- 講談社 / 2011年7月30日発売
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前作の「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」と重複しているところもあるが、この本はキャリア論としてまとめられている。いわば、残酷な世界におけるキャリア論ということである。日本のフラジャイルな構造から逃れて人生を切り開くか若い人にとって大問題であるが、是非この本を読んでキャリア設計を見つめ直してほしい。
2011年8月17日
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放射能と理性 なぜ「100ミリシーベルト」なのか
- ウェード・アリソン
- 徳間書店 / 2011年7月29日発売
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低レベルの放射線被曝であれば、月に100ミリシーベルトであっても大丈夫だと主張して話題になった本を読んでみた。
アリソンの主張する基準は、急性の場合は100ミリシーベルト、低線量の被曝については、月100ミリシーベルト、生涯で5シーベルトである。論拠は放射線治療の経験、放射線生物学、急性被曝者と慢性被曝者の長期的な医療記録である。1シーベルト被曝すると5%癌で死ぬ人が増えるというデータは長崎、広島の被曝者の調査から得られているが、アリソンは人体の細胞レベルの損傷修復機能を評価して、このような基準を提唱している。
この本を読んでいるとアリソンにとっては、地球温暖化が大きな危機でそのためには原子力発電を化石燃料の代替として使うことを促進するべきだという理屈が背景にある。また、核燃料廃棄物は、量としてはそれほど多くなく、十分に廃棄可能だと主張している。
科学的な真理とはなにかと考えると、少なくとも専門家集団での合意が不可欠であるが、この基準が直ちに合意されることはないであろう。(たとえば、先日紹介した辛坊治郎「放射能の真実」)
2011年11月6日
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気候変動とエネルギー問題 - CO2温暖化論争を超えて (中公新書 2120)
- 深井有
- 中央公論新社 / 2011年7月22日発売
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クライメートゲート事件というIPCCの中心的気候学者によるデータ捏造や学会への圧力等の知的に不誠実な事件の詳細が解説されています。この事件が日本ではまったく報道されなかったことは大変残念だ。
この本では、温室効果ガスによる地球温暖化説の誤りを、宇宙線による低層雲の発生メカニズムや古気象学の成果を説明しながら批判している。
私の理解としては、気温上昇への温暖化ガスの影響はIPCCの想定よりもかなり低く、ヒートアイランド現象や不適切な場所での測温、地球の周期的な気候変動によるものと思われる。
21世紀に入ってから、二酸化炭素の排出量は増えているが平均気温の上昇は減少している。また、地球規模の気候変動により気温が低下する可能性もある。多分、10年後には地球温暖化説は消えてなくなっているであろう。
人類にとって重要なことはエネルギーや石油の効率的な利用である。そのことを考えると電気自動車のようなものはエネルギーロスのなにものでもない。温暖化ガス説のマイナス面を早く払拭することが重要である。
2011年11月14日
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宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)
- 村山斉
- 講談社 / 2011年7月21日発売
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2011年10月6日
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官僚の責任 (PHP新書 745)
- 古賀茂明
- PHP研究所 / 2011年7月16日発売
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日本中枢の崩壊を読んでいるとかなりの部分は重複しています。こちらの方がページ数も少なく読みやすいと思います。長妻氏に関する記述はこちらの方が好意的かも・・
2011年8月31日