源氏物語をまた別の視点から見られるようで、単なる現代語訳で読むより理解が深まる感じもするし、おもしろかった。源氏物語ってやっぱりおもしろいんだなー。よかったのは、江國香織の夕顔(わりに地味にオーソドックスにまとまった感じだけれど、源氏が、ものごとのよい面をさがすのに長けている、っていうのがなんだかすごくツボ。そういう感じ)、町田康の末摘花(いやー、おかしかった、笑った! なんともすばらしい! 命婦の口調とか。命婦の人柄がよくわかったような)、金原ひとみの葵の上(マタニティブルーみたいな葵、頼りない光、がまさしくそんな感じ)、桐野夏生の女三宮(はじめて女三宮のことがわかったような気がした。年とって不満やいらつきが多くなった源氏、っていうのもすごくそんな感じ)。個人的に生理的に単なる好みでイヤだったのが、角田光代の紫の上。紫の上が熱い国の売春宿にいる子ども、っていうのが、なんか悲しくて憂鬱になった。まさにそのとおりかも、って思うんだけど、イメージが壊れるというか。
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- 感想投稿日 : 2011年6月9日
- 読了日 : 2011年6月9日
- 本棚登録日 : 2011年6月9日
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コメント 3件
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/08/09
niwatokoさんのコメント
2012/08/10
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/08/28