観たい映画が増えました。
ジェレミー・アイアンズが一番気になります。デヴィッド・シューリスも格好いい。
若い頃のジャンヌ・モローもとても美しいです。初めて拝見したのが晩年だからなぁ、、それでも格好良かったけど。
でもタイトルはちょっと合ってない気がします。単行本のタイトルも素敵だったのに。

2021年3月24日

読書状況 読み終わった [2021年3月24日]
カテゴリ エッセイ

ひたひたと怪異が迫ってくる感じがじわじわ怖い短編集でした。どのお話も面白かった。
怖かったのは「山荘奇譚」。この不条理な恐怖がここで終わってるのもいい。
「日影歯科医院」「緋色の窓」の、情念のような想いが残っている怪異が特に好きでした。この人たちは現れるだけだし、歯科医院は治療までしてくれるから…全く痛くないのも凄腕。
解説も面白かったです。お母さまが視える体質だったみたいだけれど、小池先生にもちょっと引き継がれたのかなぁ。

2023年8月17日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年8月17日]
カテゴリ 小説

短編でも、身近にある闇は油断したら呑まれるという薄ら寒さがありました。いつでも直ぐ側にぽっかりと口を開けている。
「喪服を着る女」「老後の楽しみ」「団地」が好きでした。それっぽい訳ありな人たちではなく、そっちか…となる。わかりやすい人だと気を付けようと構えるけど、先入観は怖いです。まさかあの人が…と。

2023年3月22日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年3月22日]
カテゴリ 小説

とても引き込まれた作品でした。面白かったです。鏡子さんの孤独と鬱状態の描写に自分の過去を思い出したりして序盤はひりひりしましたが、高齢の男女の恋物語かな?こういうひっそりした穏やかな生活いいな、と思い始めたところで、ミステリー?と気持ちよく翻弄されました。鏡子さんの、氷の壁の間を滑り落ちていく、という気持ちが落ちる時のイメージ、わたしも怖いと思いました。登場人物の細やかな心の動きが感じられて、タイトルもすとんと理解できました。鏡子さんのこれからもきっと幸せだ、と思わせるラストも好きです。冬の描写が素敵で、今読めて良かったなと思います。

2017年12月1日

読書状況 読み終わった [2017年12月1日]
カテゴリ 小説

わかるところもわからないところも。でも人の恋愛ってそういうものか…自分の恋愛でもよくわからないし。
野呂さんを烈しく愛して失って、というマヤの心の移り変わりがしみじみと感じられました。失恋した事ある人ならグッとくるだろうな。失恋した事ない人なんていないだろうけど。
でも野呂さんの性癖はちょっとうっ…ときました。正直とか率直というのも時には考えものなのかもしれない。
柿村さんも拝島さんも、こういう友情もきっとあるだろうなと思う。でもマヤを性的に奔放って捉える人もいるんだろな……

2021年11月5日

読書状況 読み終わった [2021年11月5日]
カテゴリ 小説

過不足なく、しみじみとする短編集でした。いくつになっても恋愛に慣れることはないしいつもままならない。苦しみたくないけどそうも言ってられずこうなってしまいます。
愛と死は近いところにあるなぁ。続きがあってもここで終わっても、すべてきっと大事な記憶になります。ほんの少し不幸でも、それもまた悪くはないです。

2022年8月19日

読書状況 読み終わった [2022年8月19日]
カテゴリ 小説

面白かったです。
かつての恋人と、30年ぶりに偶然再会するなんてファンタジーだと思ってしまいましたが、こんなお話があってもいいよなと思います。さすがに現実でも…みたいな夢は見ませんが。
由香と拓が恋人として過ごした1970年代は、以前小池さんの「無伴奏」でも読みましたが、今とは違う若者像がなんだか新鮮で好きです。自分の十代の頃よりかなり大人な人たち…と思って読んでいます。
ふたりの人生はまた繋がるのか、それとも一時の夢なのか…でもなんだかハッピーエンドなところも良いです。

2019年3月30日

読書状況 読み終わった [2019年3月30日]
カテゴリ 小説

面白かったです。教授の授業での言葉に惹かれ、近所の男性に対して文学的・哲学的尾行を始めた珠。男性の秘密を知ってしまうのですが、それに連れて同棲相手に対しても不信を募らせていくのが怖いです。尾行していることを対象に知られてしまうところはハラハラしました。モラトリアムを享受している珠に共感は全く出来ませんでしたが、元の生活に戻った珠が生きていくことに倦怠感を持ってしまったのが印象に残ります。この作品に流れてるのはこれなんじゃないかと思いました。厭世観と、倦怠感。人の感情の移り変わりをまざまざと見せ付けられました。映画も観たいです。

2017年8月27日

読書状況 読み終わった [2017年8月27日]
カテゴリ 小説

目眩く性と死…圧倒された世界でした。
類子と正巳と阿佐緒、そして袴田…形の違う欲望でも、それぞれの欲望はとても強かったです。
肉体だけでなく精神のエロス。かなり際どいことも書かれているのですが全く厭らしくないのはさすがです。
正巳が性的不能者じゃなかったら、類子と正巳はここまで感応し合い、高まらなかったのではないか…とも思いました。
静かに狂っていく感じも良かったです。正巳の最後の海での言葉は悲しくなりました。
そして三島由紀夫の豊饒の海を今度こそ読破したくなります。その上で再読したいです。
官能にもみくちゃにされました…すごかったです。

2019年5月30日

読書状況 読み終わった [2019年5月28日]
カテゴリ 小説

「恋」。完璧。圧倒されて直ぐにはまとめられませんでした。息苦しい。
片瀬夫妻はどんな関係でも2人で一組で、布美子はそれをいつまでも失いたくなかったんだろう。布美子は片瀬先生の事は好きだけど、片瀬先生は妻の雛子にぞっこんで、それなら2人の側にペットみたいにいるだけでも…な打算もきっと。
布美子を足して3人一組だと片瀬夫妻は思ってたけど、雛子が大久保に本気の恋をしたところで崩壊する。
大久保は布美子に、「お前はお子ちゃまだ」みたいな態度を貫くし、雛子がそんな大久保にぞっこんでそれまでの(布美子にとっては)素敵な姿から変わってしまったのも耐えられず…で発砲、というのも自然な流れでした。
布美子の心情が過不足なく描かれていて物凄いです。なんたって全共闘世代の大学生だし元恋人は活動家なので知らず知らずその空気に染まってて、意識しなくても「銃」が選択肢にある。
発砲当日、あさま山荘事件でざわつく世間が背景として描写されるのも緊迫感がありました。この日は母も一日中テレビに齧り付いてたって言ってた。
ラストの救いも好き。布美子に届いてたら救いレベルは上がったのでしょうけど、そこは殺人は殺人という線引きがされているように思いました。良かったです。

2022年11月13日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2022年11月10日]
カテゴリ 小説

長い間、川久保家での出来事に心を囚われているけれど、何処までいっても雅代は傍観者以上にはなれないのが虚しいです。一時は確かに桃子の共犯者ではあったけれど、川久保家を離れた事で桃子は独りで戦わなくてはならなくなったから…負けてしまったのかもしれないし。
悟郎も千夏も、桃子を単純に考えてたのかもしれません。子どもだから愛情を持って接していればそのうち、みたいに。でも、桃子に向けてると思ってる愛情も独りよがりで、桃子がララべったりになるのもわかります。。
起こるべくして起こった悲劇。桃子が背負うには重すぎたけど。。心理描写が丁寧でどきどきしました。

2022年1月26日

読書状況 読み終わった [2022年1月26日]
カテゴリ 小説

面白かったです。登場人物の年齢が上だったので、大人のお話だ…と思いましたが、わたしもこんな風に年を重ねられたらいいなと思いました。小池真理子さんのお話の、「いったん溶けおうた男女に、金輪際、別れなんぞあらへんのや。」という台詞が残ります。人と人は水のようで、いったん溶け合ったら、二度と分離することはできないと思うと、誰かを好きになるっていいなと感じます。村上龍さんのお話は男性の主人公だったので共感は出来ませんでしたが、こちらも良かったです。どちらのお話も品があって好きでした。

2016年12月10日

読書状況 読み終わった [2016年12月9日]
カテゴリ アンソロジー
ツイートする