プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫 白 209-3)
- 岩波書店 (1989年1月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003420935
感想・レビュー・書評
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私たちが生きている世界は、どうして、こんな姿をしているのか。一つの社会が共有している暗黙のルールを探る本書は、古びず、いまを照らします。
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難解なうえ時間的制約で拾い読みのみで正確な理解はできなかったが、以下のようなことか。
プロテスタンティズムの予定説から生じる内心の不安を払拭するため、天職としての絶え間ない職業労働に打ち込むことで、救われているという確信が与えられる。これが利潤追求という資本主義の精神の推進力になった。 -
11/8/11
スミスの書棚 山田五郎 -
資本主義がむしろ資本に徹底的に反対する経済思想の文化圏から生まれた
資本主義は資本家主義ではなく、労動者にも宿ることで成立している
天職義務 Berufs pflicht
私はプロテスタンティズムが近代の資本主義文化をつくったとか、そういうことを絶対に言おうとしているのではない。彼らはただ、意図せずして資本主義文化の発達を促進するという役割を果たしたに過ぎなかった
ベンジャミン フランクリンの資本主義の精神への言及
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本文で撃沈 -
素人としては、訳者解説だけ読めば良いような気がする。
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2017/09/16
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近代資本主義の出自を、
カトリックからプロテスタントへの転換、ピューリタニズムへの先鋭化から表出した
世俗的禁欲からの発露だと主張する名著。
丁寧、多角的に分析・批判され導出される論理にはやはり説得力があり
いわゆる儲け事などは良しとしない禁欲的精神から逆説的に資本主義が発達していったというのは大変興味深い。
私にとってはかなり難解であり、また本文と注釈の頻繁な交代は読むことへの忍耐力を試されているようにも感じた。
が、先に巻末の解説(これがとても端的で理解しやすい)に目を通していたためどうにか少しずつ理解を深め通読することができた。 -
我ながらもうそんなに働きたくないので、勤勉、労働の美徳は自明なことではないという論拠を求めてこういうのを読むんだろうか。
中国・インドやユダヤのように、営利を否定しない社会ではなく、禁欲精神に支配されるキリスト教社会において資本主義が生じた、というのが第一の主張である。メディチ家なんかが苦労したように、カトリックでは明確に金利は禁止されていて、下手したら来世を棒に振ることになる。
カトリックは世俗外の精神活動に重きを置いたが、プロテスタントとくにピューリタニズムにおいては、与えられた天職を生活の中で全うすることを重視しつつ、享楽すなわち再生産を伴わない消費を否定したため、財の蓄積や資本主義の精神が発達した、というのが第二の主張だ。であるから、本質的な資本主義の精神は貴族や地主階級にではなく、小店舗経営者や労働者に宿るのである。プチブルの誕生である。
二章の宗教教義のところは正直よく理解できなかったので誤読してるかもしれない。
とにかく、プロテスタントの国は飯がまずいのがいけない。
現代でも、就活時に仕事による自己実現がどうのとか聞いたような気がするが、何百年も前の天職倫理概念の二番煎じでしかないし、キリスト教会の方が救済をからめてくるあたりずっとあざとい。 -
自分のプロテスタントとカソリックの理解はこの本の内容で止まっている