- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022736208
感想・レビュー・書評
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話題性があり関連書が多い
前半
社会福祉の現状の説明と 下流(と言われるもの) になる 可能性の人たちの紹介
子供はコスパが悪い
健康であることは重大
が記憶に残った
後半
生活保護とは?
受給のためのマニュアルとして使えそうだ
不安を煽るような 内容の書が多い
データの取り方が 巧妙で騙される -
全体としてよく書かれていると思います、納得の一冊。
個々の内容については、限られたスペースであり、やむを得ませんが、問題だらけです。まず用語の使用がかなりルーズで、データは頻繁に参照されますが、その都度、都合のいい数字を引っ張ってきている感が否めません。書き方も、後術と提言が多くて気になります。ボートの例えは何が言いたいの???認知症の傾向って何、発症してるのしてないの?特にひどいのは、ケアマネジャー(介護支援専門員)の職務に対する誤解、質云々の話ではなく、制度の問題であり、著者が言う職務を行うのは、特定施設であれば、別途、生活相談員が配置されています。また、なぜ「養護老人ホーム」なのか?ほとんど休眠状態ともいえる施設を取り上げるのも理解しかねます。有料老人ホームの経営母体も、介護付は民間が多いのは事実ですが、住宅型は社会福祉法人や医療法人、NPOも多いです。「特別養護老人ホームは大きな利益は見込めない」と書かれていますが、昨年介護報酬が改定(下げられた)された一因は、特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人の内部留保の多さではなかったですか?補足性の原理も、「家や土地を保有していると生活保護を受けづらくなる」としても、今年、大阪府H市からは、可能であると回答を得ています。身寄りがなかったり、認知症を患っていたりして、本人が売却処分などできない場合、保佐人や後見人を立てる等、時間がかかる場合もあるでしょうが、まずは相談してみることです。自己防衛策はお粗末、前の章とも整合性がありません。 -
本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。
誰が本当の捨て石なのか?
たまたま、某アナウンサーの捨て石発言に関連して考えていたことが、本書の冒頭に書かれていた。
子供を生み育てないことは、下流老人にならないという観点でみれば、経済合理性のある選択肢となる。言い換えれば、子供を産み育てる選択をした人は、社会のために捨て石となっているのかもしれない。
子供を生み育て、そして高等教育を受けさせるには莫大な費用が必要になる。
それを自分の老後のために積み立てることは、自らが下流老人にならないための選択肢の1つである。
第2章以降、下流老人の生活実態、そしてなぜ人が下流老人と、なってしまうかというプロセスと、多くの現実に対応してきた筆者だからできるリアリティを持ったレポートが続く。
そして、我が国の憲法で認められている生存権が、行政の仕組みとして担保されない構造になっていること、また、国民の空気がそれを追認しているとの厳しい指摘。
家族制度の変容、急速に進む少子高齢化の中で、かつて機能してきていた制度ではもう社会を支えきれなくなってきている現実がそこにある。
そして、終わりに下流老人にならないため、私たちにできるヒントが書かれているが、やはり個人ができる究極の対策は、充分なお金を持っていることだろう。
したがって、経済的な観点から見れば、捨て石発言したアナウンサーは、子育てを行った人々(捨て石)の犠牲の上に下流老人にならない老後生活を過ごすことができると、言えるかもしれない。
ただし、その選択肢はわが国が未来に継続していくことを阻害し、また、お金で買えると考えていた安楽な老後生活それ自身を失う事になりかねない劇薬ではある。
なぜなら、お金はそれ自身で自分を介護してはくれない。お金を代償に世話をしてくれる将来の他人を必要とするからである。 -
生活保護を受給するのが恥かしいとか、受給の仕組みを知らないというのが問題の根源なので、この点では自己責任以外のナニモノでもない。とくに目新しい情報・提言はなかったように思う。首都圏の団地なら3Kで4~5万で住める空き家はゴロゴロある。公営住宅が不足しているとは思わない。ただし、介護施設は圧倒的に不足しているので、その対策は急務だろう。東京五輪などやってる場合ではない。
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何年か前に西宮のイベントで登壇されているのを見たけど、最近になって生活困窮者支援で頻繁にメディアへ登場してはるNPO法人ほっとぷらすの藤田孝典さんのレポート。現場の状況をデータと照らし合わせて「下流老人」の存在とそれを生む社会構造を問題提供。社会保障制度ってそもそもそんなに詳しく知らんよね、というのは老いも若いも同様に抱いてること。そこと地域のネットワークづくりを掛け合わせることが、隣保館の役割かもと具体な動きを妄想。
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仕事柄、高齢者問題はチェックしているのですが、下流というのはどこかで他人事だと思っていました。いつ自分や家族が病気になるかわからないのに。。
著者も指摘していますが、富者と貧者、高齢者と児童、生命の重さは同じはずなのに優先順位をつけてしまう風潮がやはりこわいと思う。
身近なところで感じるのは、専門性を高める=蛸壺化になってはいけないということ。 -
貧困層の老人が発生している原因は自己責任だと思っていました。確かに、高齢になれば様々なリスクにさらされ、出費も嵩みます。
また、コミュニケーションの不足が貧困に繋がるというのも新たな視点でした。
著者は生活保護の拡充を訴えていますが、個人的にはどうかと。。。いきなり生活保護になる前のセーフティネットの整備が重要だと思いました。 -
年収400万でも、下流老人に陥ると言う。
どんなにお金があってもひとの不安は尽きないと思う。病気になれば多額の費用が飛んでいくし、結婚しなければ、ひとりでなんでもしなければならない。
逆に言えば健康面と住まいの不安が解決して、いっしょに楽しめる仲間や家族がいれば、解決するのではと思う。ただ下流予備軍の30、40代の非正規労働者やブラック企業で働くひとの現状を考えると今後はもっと酷くなるのでは。
村上龍さんの言葉にこの国にはなんでもある。希望だけがないと言うフレーズがありました。現在進行形で何も変わらない世の中は、怒りと哀しみしか生まれてきません。 -
この国は崩壊に向かっているんだろうなーということを実感する本。新自由主義や自己責任論が跋扈して、みんながある程度等しく豊かに、安心して過ごしたいと希望は踏みにじられていく。これだけ老後が長くなると、誰もが貧困に陥る可能性があるので、それを肌感覚で知っているので、若い世代は今現在の消費に後ろ向きになる。そして経済は停滞する。
ただ、著者の提案する解決法は、概ねその通りだと思うが、生活保護を使いやすく・・・などはコストがかかりすぎる、と思う。行政は肥大化するばかりで、無駄なコストや癒着は増大するだろう。マイナンバーが導入された今だからこそ、ベーシックインカムを検討して欲しいと思うのである。
まず現状を知る、そのためのおすすめの本。