- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048653923
感想・レビュー・書評
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この作者特有の雰囲気が漂った作品だった。人魚姫の話にリンクしているところがいいと思った。見た目が大切なのか、中身なのか、深く考えさせられる。特に千草のキャラがしっかりしていて読んでいて楽しかった。なぜ初鹿野の顔に同じ痣ができたのか?電話の向こうの女は誰なのか?色々と謎が残っているので、後編に期待したい。
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顔に大きな痣を持つ少年は、ある日電話向こうの女性に賭けを持ちかけられる。それは、「痣を消した時、好きな女の子の心を射止めることができるか」というもの。けれどその女の子とは、小学校を卒業してから3年も会っていないし、そもそも痣が消えるわけもない。そう思いながら賭けに乗った次の日、少年は鏡を見て立ち尽くす。ーーー痣が、なくなっていたのだ。
(上下巻の上巻です。) -
上下巻構成の上巻。げんふうけいの落ち着いた語り口が秋の夜長に合い、その文体、表現がまた美しい。
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三秋さんの作人には毎回,人としての生を考えさせられるものがあります.この作品では,人の心の醜さを思い知りましたし,逆に心の綺麗さを思い知りもしました.私たちなんて外見だけで,本当は中身は同じなのに,その外見によって大きく生き方は左右され,その人の一生は決まってしまいます.『人は見た目が9割』て本もあるくらいですから,私たちが如何に偏見というフィルターを変えて判断をしているのかと思い知らされます.そんな問題と真っ向から向き合い,時に目を逸らし,迷いながらも一途な思いを貫く主人公には頭が上がりません.
描かれている描写は,現実離れしたようなところもあります.しかし,それが美しい.夜空を見上げるところには心を奪われ,うっとりしてしまいます.
三秋さんで続編があるのは初めてなので期待が膨らみます. -
あらすじ(背表紙より)
「賭けをしませんか?」と受話器の向こうの女は言った。「十歳の夏、あなたは初鹿野さんに恋をしました。しかし、当時のあなたにとって、彼女はあまりに遠い存在でした。『自分には、彼女に恋をする資格はない』。そう考えることで、あなたは初鹿野さんへの想いを抑えつけていたのです。…ですが、同時にこうも考えていました。『この痣さえなければ、ひょっとしたら』と。では、実際に痣を消してみましょう。その結果、初鹿野さんの心を射止めることができれば、賭けはあなたの勝ちです」。 -
ブクログから献本でいただきました。生まれながらにある顔の痣のせいで暗い小中学生時代を過ごす羽目になった主人公、深町、に突然かかってきた電話(それも帰宅途中の公衆電話)に出てみたら 見知らぬ女性からの賭けをもちかけられる。それは想いを閉じ込めていた痣は消してあげるので、痣のせいで淡い恋心を抱いていた小学生時代のマドンナ初鹿野との恋を実らせればか賭けは深町の勝ちだという。
実はこの卷は、続編の「僕が電話をかけていた場所」の前哨戦のような一冊なのでこれだけではオチがないので注意。最後の最後で思いの丈を初鹿野にぶっちゃけた深町に男気を感じないでもないけれどオチは何か欲しかったかな? -
8月25日発売の『君が電話をかけていた場所』は、9月25日発売の『僕が電話をかけていた場所』と上下巻構成になっております。
ということらしいので、楽しみです。 -
【暗闇に鳴り響く公衆電話のベル。受話器を取ってしまったその瞬間、不思議な夏が始まる。】
「賭けをしませんか?」と受話器の向こうの女は言った。
「十二歳の夏、あなたは初鹿野さんに恋をしました。しかし、当時のあなたにとって、彼女はあまりに遠い存在でした。『自分には、彼女に恋をする資格はない』。そう考えることで、あなたは初鹿野さんへの想いを抑えつけていたのです。……ですが、同時にこうも考えていました。『この痣さえなければ、ひょっとしたら』と。では、実際に痣を消してみましょう。その結果、初鹿野さんの心を射止めることができれば、賭けはあなたの勝ちです。初鹿野さんの気持ちに変化が起きなければ、賭けは私の勝ちです」 -
ふいに公衆電話にかかってきた電話に出て、謎の女と「顔から痣を消すから、初鹿野をお落とさなきゃいけない」って賭けをして翌朝実際顔から痣が消え、その痣が初鹿野に移動しなきゃならないんだ?後半が気になります。