Ank: a mirroring ape

著者 :
  • 講談社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062207133

作品紹介・あらすじ

2026年、多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。
ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。
人類が初めてまみえる災厄は、なぜ起こったのか。
発端はたった一頭の類人猿(エイプ)、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった。

AI研究から転身した世界的天才ダニエル・キュイが創設した霊長類研究施設「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」、通称KMWP。
センター長を務める鈴木望にとって、霊長類研究とは、なぜ唯一人間だけが言語や意識を獲得できたのか、ひいては、どうやって我々が生まれたのかを知るためのものだった。
災厄を引き起こした「アンク」にその鍵をみた望は、最悪の状況下、たった一人渦中に身を投じる――。

江戸川乱歩賞『QJKJQ』で衝撃の”デビュー”を果たした著者による、戦慄の受賞第一作!
我々はどこから来て、どこへ行くのか――。人類史の驚異の旅(オデッセイ)へと誘う、世界レベルの超絶エンターテインメント!!

感想・レビュー・書評

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  • 【近未来の2026年10月26日に発生し、数万単位の死傷者を出した「京都暴動」はなぜ起きたのか?】

    人々が自分の目の前にいる人間を殺し合い、未曽有の大惨劇が繰り広げられた「キョート・ライオット」。ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。事件の発端になったのは、「鏡=アンク」という名のたった1頭のチンパンジーだった。

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    2026年の「京都暴動」から、暴動が起きるまでの出来事をカウントダウンしながら、過去、未来へと時間軸を頻繁に変えて進む展開はスリリングだった!

    「京都暴動」を引き起こした原因を探る謎が、
    「人類(ホモ・サピエンス)はどうして生まれたのか」という謎に繋がっていく。

    ヒトと猿人類を隔てるものは、「言語」を持つものと持たないもの。ヒトが言語を獲得した過程のところは 、『爆発物処理班の遭遇したスピン』の「量子力学」の時に感じたのと同じく佐藤究さんの「大好き」が詰まっているように感じた。知らないことを知りたいという探究心が著書と主人公の共通点なのかな、と。ただ『スピン』の「量子力学」と同様にわたしにはサッパリだったけれど笑

    主人公の霊長類研究者・鈴木望が、東アフリカからきた卓越した頭脳を持つ「アンク(鏡)」という名のチンパンジーと出会ったことが「京都暴動」の引き金となるんだけれど、、、行き過ぎた研究の対象となったankの最期が可哀想でさ。

    作中の「自己鏡像認識」がどこまで本当かはわからないけど、チンパンジーの母親が一日に何十回も子供の顔を覗き込むのは愛情からだと思いたい。

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    「知能とは攻撃性の制御です」
    知能を失い殺し合う人間たち。暴動を止めるため 、鈴木望はたったひとり 厄災に立ち向かう。

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    次はテトラポットでポカリスエットを飲みながら『テスカトリポカ』٩(ˊロˋ*)

    • 1Q84O1さん
      Ank読まれたんですね!よし!(๑•̀ㅂ•́)و✧
      次はテスカトリポカ!よし!(๑•̀ㅂ•́)و✧
      好きな映画はレオン!最高!(๑•̀ㅂ•́...
      Ank読まれたんですね!よし!(๑•̀ㅂ•́)و✧
      次はテスカトリポカ!よし!(๑•̀ㅂ•́)و✧
      好きな映画はレオン!最高!(๑•̀ㅂ•́)و✧
      以上!
      2023/12/04
    • ゆーき本さん
      Ank 読了です(`-´)ゞ
      テスカトリポカ 覚えました(`-´)ゞ
      好きな映画はパーフェクトワールドです(`-´)ゞ
      Ank 読了です(`-´)ゞ
      テスカトリポカ 覚えました(`-´)ゞ
      好きな映画はパーフェクトワールドです(`-´)ゞ
      2023/12/05
    • ゆーき本さん
      映画だとグロとホラーがダメなんだよねぇ。
      泣いた映画は 「チョコレートドーナツ」と「Coda」。
      最近だと「アキラとあきら」かな
      映画だとグロとホラーがダメなんだよねぇ。
      泣いた映画は 「チョコレートドーナツ」と「Coda」。
      最近だと「アキラとあきら」かな
      2023/12/05
  • 京都にある民間施設「KMWPセンター」で総責任者を務める霊長類研究者の鈴木望は、南スーダンから〈ジュバC〉のコードネームを持つチンパンジーの保護を受け入れる。
    センターにはすでにたくさんのチンパンジーが飼育され、知能を観察する実験をおこなっている。
    保護したジュバCは、研究者の真似をして、今まで他のチンパンジーができなかった正二十面体の立体パズルを組み立てたのだ。
    鏡像行為「ミラリング」という高度な同調行為を難なくこなす彼に、望は「アンク」と名づける。

    冒頭、京都暴動のインタビューから始まったので、どう話が展開していくのか、夢中になって読みました。
    チンパンジーは猿ではないというのもお恥ずかしながら初めて知りました。
    この研究所の投資者はカウンセリング用AI研究をするダニエル・キュイ。
    彼はAIに心を求め、霊長類研究にそのヒントがあるのではと出資した。
    望は人間にはなくて類人猿にあるDNAの塩基配列についてダニエル・キュイに説明する。

    ただのパニック系の話で終わらず、内容にも出てくるが「2001年宇宙の旅」や、「猿の惑星」を彷彿とさせる、生物の本能や法則、自然の摂理を感じられる小説でした。
    面白かったです。

  •  小説の題名でAnkとは、主人公鈴木望が、激しい戦闘地帯南スーザンの首都ジュバで保護されたチンパンジーにつけた名前です。
    古代エジプトから発掘された王だけが使うことが出来る鏡の名前に由来する。

     ウガンダの密猟者によって運ばれていた途中―密猟者にとって、チンバンジー・ゴリラは宝石と同じだという。ワシントン条約違反等でドライバーは逮捕された。しかし、紛争地にある南スーザンに高度な知能を持つチンバンジーを保護する場所はなく、受け入れ先を探していたところシンガポールの霊長類研究プロジェクトが飼育用のチンバンジーを探していた、と。

     望の研究論文は、科学雑誌に掲載されたものの世界中の誰にも注目されなかったし、問い合わせもなかった。たった一人を除いては。

     望は、その論文について考えれば考えるほど落胆していた。欲しいのは評価そのものではなく、研究のできる環境作りであって、そのため結局〈霊長類研究者鈴木望〉への注目と予算だった。
     そんなとき、望の衛星携帯電話が鳴った。もう一人の主人公ダニエル・キュイからだった。当時名もない霊長類研究者であった鈴木望の論文を読み、望と直接面接してからのことだった。AIのシステムを開発し巨万の富を得た。しかし、ある理由からAIに抱いていた不満があり、開発の母体である組織を撤退し売却してしまったのだ。

     なぜ手放したのか?

     ダニエルは、シンガポール人・北米ビジネス誌が選ぶ〈世界で最も影響力のある百人〉に名を連ねるAIの研究者・開発者だった。彼は、京都市中央区の〈スターバックス〉にやってきた。
     『突然呼び出してすまなかった、どうしても君に会ってみたくてね』、店内に顔を覚えている客はいなかった。数百億ドルの資産をコントロールできる彼が、注文の珈琲二杯は、彼がポケットに手を入れ小銭を出して奢ったのだ。

     後日譚、ダニエルは、その当日〈スターバックス〉を借上げていたのだ。しかも、プライベートジェットで伊丹空港に着陸し来日したのだ。以後KMWPセンターをダニエルが十億ドルを出資し設立した。

     小説の章ごとに日付があり、過去から未来へ、未来から過去へと繰り返す。そして未来に暴動が起こることを示唆する。
     その暴動については原因も何もわからない。

     いくつもの章の冒頭でカウントダウンされ、暴動が迫ってくるドキドキ感は読みどころだと思う。

     小説の本質は、数千万年前から現在そして未来へと繋ぐメッセージだと思う。
     読書は楽しい。

  • 私には夢が限りなくある。その1つが「人類過渡期をみてみたい」そんな私の心に突き刺さる小説だった。

  • 私の本友達が「今年一番おもしろかった!」
    と、オススメしてくれた本。

    なんだけど…最初はおもしろかったんだけど後半からのれなくなってきてしまった。
    Iさんすみません。

    2016年10月28日 突如、京都で大暴動が起こり観光客、市民など多数の死傷者が出る。その原因は不明。「ほとんどゾンビ」状態となった人々はこの「京都暴動」でお互いに殺しあうという恐ろしいことに…。実はその原因は…1匹の猿。そして、人類の進化に潜む闇が関わっており…

    なんだろ…のれない原因はDNAの塩基配列の変化は訓練によっては変化しないんじゃないの?って中途半端な知識が頭をよぎってしまって…。いや、まあ塩基配列に変化が起こったとしても…ってもうやめとこ…

    猿人、原人、類人猿、人類…
    新進化論のミステリー&パニック小説
    ということで。

  • '21年10月3日、読了。図書館本です。佐藤究さんの作品、初です。

    なんとも壮大な、物語…で、とても面白かった、のですが…なんだか、僕にとっては、とても読みにくい小説でした。読み終わるのに、一週間以上、かかってしまいました┐(´д`)┌別に、難しい小説ではないと思いますが。

    文が細切れのようになっていて…どうも集中力が持続しない。これだけ面白い小説なのに。何度も挫けそうになりました。

    でも、とても立派な出来、と思います。参考文献、いったい何冊読んで書いたんだろうか?(巻末に参考文献のリストは、ちゃんとあります。)
    ミラリングの話とか、科学的に事実なのかな?強烈に好奇心を刺激する、凄い小説でした!

    佐藤究さん、直木賞受賞だそうで…ややこしい(失礼!)題名の受賞作も、読んでみようか?でも、僕の持つ微細な集中力では…トホホ┐( ˘_˘)┌

  •  著者お初。快作でした。
     昔からの興味(ホモ・サピエンスの進化の謎)と昨今の関心(AIの高度化と限界)とが、いい具合に絡まった近未来SFサスペンスで、非常に楽しめた。
     著者が前作で第62回江戸川乱歩賞を受賞したとか、本作が大藪春彦賞、吉川英治新人賞を獲ったとかは読んでみようと思った理由ではなく(先日『マンモスのつくり方』を読んだ影響は多少あったかもしれないけど)、本屋のサイエンスコーナーには、なぜ我々(ホモ・サピエンス)だけが唯一の生き残りなのかの新解釈の本が次々に出ている昨今、この分野は古くて新しい実にホット話題と思うところ。そんな古くて新しい神秘にAI(人工知能)の発展の切り札として、人が「言葉」を獲得した謎、「鏡像認識力」というヒトと類人猿の分岐の謎を絡めた点が、非常に斬新だ。

     その昔、『ネアンデルタール』(ジョン・ダーントン著 1996年)を読んだ時も、実に楽しかった。あの頃は、雪男の謎ではないけど、現世に彼らがまだ生きているという仮説でお話が進んだが、今や、ホモ・サピエンス以外の新人類は絶滅したという説が有力で、なぜ彼ら(本書ではロスト・エイプと称される)は亡びたかという謎解きが主流か。 本書も、その論旨、その謎解きで展開される。
     絶滅の謎に加え、ヒトとチンパンジーの遺伝子の差は1.8%に過ぎない等々既知の情報、京都大学霊長類研究所に代表される日本における霊長類に関する総合研究の実績を踏まえ、舞台を京都としたあたりも面白い。「京都暴動(キョート・ライオット)」という騒ぎが引き起こされるのであるが、嵐山、太秦(映画撮影所)、金閣寺、哲学の道、鴨川等々、落ち着いた古都の風景と血なまぐさい騒動の対比が視覚的にも楽しめ舞台設定として巧い。そんな表面的なこともであるが、洋の東西で検体である類人猿に対するアプローチの違い、その違いによる発想の違いも京都ゆえに説得力が増すのであった。曰く、

    「カリフォルニアの研究者が一頭のチンパンジーを個として観察するような場合でも、京都の研究者はそこに群れの世代の心理を見てとろうとする。それも禅の直観のような、じつに深いレベルでだ。」

     科学と相いれないような禅の思想も、舞台を京都に置くことで、すんなんり腑に落ちる。主人公はじめとする科学者たちは、”西洋哲学と東洋思想のハイブリッドされた思考”を用いて、霊長類の研究を通じ、進化の謎、言語能力獲得の謎に迫りつつ、ヒトのルーツを探る700万年、それ以上の壮大な歴史をたどっていく。
     そしてその研究が、当該研究所KMWP(KYOTO MoonWatchers Project)の出資者である人工知能で財を成した事業家の、AIの限界(AIは言語の模倣できても真の意味で使うことができない)を超える成果に結びつくかもしれないという期待、経済的な損得勘定も絡んでいて現実的でもあり納得のいくものだった。
     
    「みずからのルーツがわからないものに、未来が思い描けるだろうか?」

     これが主人公はじめ、研究に携わるKMWPの科学者、および出資者の共通の思いだ。

     そんな夢のある設定が、とある個体による暴走で「京都暴動」という悲劇を生み、物語の後半はバイオレンス・アクションとなってゆく。時を前後しながら、その”暴走”に至る原因の推測、あるいはそもそも当KMWPの計画が発足した経緯、主人公たちの過去が描かれていく。
     キーワードは「土星通りのトラウマ」と暗号化された「StSat反復」というDNAの塩基配列の謎と、自己鏡像認識という大型類人猿にしか見られない反応だ。KMWP内で主人公と出資者と、もう一人の科学者だけで極秘裏に進めていた研究が、不幸なアクシデントの積み重なりで暴動へと発展し甚大な被害をもたらすことに。後半は、これでもかこれでもかと繰り広げられる京都の観光名所各地での惨劇の描写にあてられ、エンターテイメント性は高まるが正直、分量としてはこの半分くらいでも良かったんじゃないかと思われるところだ。それぞれ各所での暴動やそこで見られる行動パターンなどが後々の伏線となるのならまだしも、どちらかというと「絵」になるということで紙面が割かれていた感がなきにしもあらずだ。

     その他、いろいろ強引な仮説、無理やりなコジツケもてんこ盛りで(ナルキッソスの話、8分19秒の謎)。 故にヒトは何故、言語と思考を手に入れたのか?という究極の謎は、当然、本書内の仮説に過ぎないままとなるのであるが、鏡像認識による己と鏡の中の己であるが己でない存在の理解を極めたヒトは、本書の仮説の暴動の引き金となる警戒音(アラーム・コール)に冷静でいられたからこそ生き残れ、ロスト・エイプたちはその進化に及ばなかったが故に絶滅してしまったと理解したが、そうではなく、まだまだ我々の中にも絶滅への引き金が潜んでたのか?!

    「おれたちは過去にStSat反復をどこまでも増幅させ、仲間を殺し続け、無限の殺戮の果てに閾値に達したStSat反復が、あたかも特異点が爆発するように状態を変えて、言語の母胎となるまでを生き延びた。他のヒト族は、進化の途中でたがいを殺戮して死に絶えたのだ。」

     閾値に達したStSat反復も言語を生み出し何かに変質したのではなく、リスクを孕んでいる(故に京都暴動が起こった)ということだったか? そのあたりが、ちょっと判然としなかった。

     また、暴動の端緒となった一頭のオスのチンパンジー、「Ank」(ギリシャ語の鏡から命名)の存在は、何か特別だったのだろうか? 駆け足で読んで読み飛ばしたか? そもそも、そんな重要な役回りのAnkであるが、あまりに偶然に捕獲され、特に理由もないまま施設に引き取られ、なぜ特異な能力を持ち発揮するに至ったのかという背景説明が特になかったのが、ひっかかる部分か。
     ただ、どんどんドライブのかかるストーリー展開と、過去と未来を前後させて描く物語構成の妙で、そんな引っ掛かりを意識させずに読み進めていけてしまうところが、エンタメ作品としての本作品の良さでもあったかもしれない。

     究極のところの説明が実は省かれていた(かもしれない)という欠点はあるのだけれど、自分の興味と、進化論をエンタメ的仮説を軸に、周辺の情報も楽しく興味深く読ませてくれたということで、良かったです。

  • 2026年京都が舞台のお話。一匹の類人猿が引き起こす暴動。暴力的な描写が多くて、途中で読むのが辛くなったけど、ラストは圧巻。コレはすごい。伏線回収が気持ちいい。なんとも切ないお話だな……仕方ないんだけどさ。

  • これは凄い。

    類人猿の生活と研究、女性海外記者の過去、京都の類人猿研究センター総責任者の鈴木望、そして京都での大規模な暴動。
    それぞれのストーリーを挟みながら、この暴動の原因を解明していくのだが映画を観ているようだった。

    人類の進化、なぜ私たちが今こうやって地球上でトップに君臨して生活できているのか。
    猿やチンパンジー達との決定的な分岐点は何だったのか。
    ものすごく難しい話だが知識のない私でもスッと話が入ってきて(理解できないところはあるけれど)、とても読みやすい。

    それにいま現在、世界中に猛威を震わせているコロナウイルスのように、人間を恐怖に陥れる存在は何もウイルスだけではないのだという衝撃。

    実際、こんなことが起こってしまったらウイルスより怖い。。
    ウイルスは原因不明だとしてもそこに「ウイルス」という確信的なものがあるから。

    でも、この小説のように、過去、まだ人間というものが存在する大昔の進化の過程で封印された遺伝子が原因なのだとしたら、、、!!!

    そんなの研究者でも最上級の研究者しか分からないだろうし、話の中でもあったようにSNSが流通している現代、“音”を通して暴力的になってしまうならもう防ぎようがない。
    情報はTwitterなどですぐ拡散されてリアルタイムの情報はすぐ手に入るから。。

    これを読んでて悲しいのは、誰も悪くないということ。
    確かにアンクにこの力を呼び起こさせてしまった望は周りから見たら悪い科学者なのかもしれない。

    けれど、そこはただ進化の謎を解き明かしたいという、純粋な好奇心があっただけ。
    アンクだって平和に森で暮らせていればこんな事態を引き起こさずにすんだのに。。

    ダニエルキュイもそう。
    彼はすごく望に信頼を寄せていたんだろうなと最後、読んでいて感じた。

    シャガが生きていてホッとしたし、彼がアンクを追いかけている様子は過去と現代の遺伝子の闘いのようで、これは研究者の望は震えるほど興奮しただろうなと思った。

    エピローグ後の著者・佐藤究さんがシャガを描くにあたって取材させてもらった御礼のコメントを読んで、望を想い、少し切なくなった。

    映画化して欲しいけど、暴動のシーンはなかなかエグそうだから難しいかもなぁ、、

  • 面白かった。中盤に中弛みはあったけど一気に読めた。
    どうやって人類は言語を手に入れたか、という壮大なテーマをかなりきれいにまとめている。

    「元々無いと有ったけど無くなったでは意味が違う」は、見落としがちな視点だな〜と思う。忘れないようにしたい。

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著者プロフィール

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。

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