破船 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.13
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本棚登録 : 1367
感想 : 166
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117188

感想・レビュー・書評

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  • 何かすごい読了感。
    まるで映画を観終わったような疲労感。
    たぶん実話ベースなんだろうけど、
    その場所で生きていくためなんだろうけど、
    怖いですね。

  • 日本の風習のおもしろさと奇妙さを垣間見る作品。原因不明の病に村人が右往左往する様は、コロナウイルスの流行初期を思い出された。

  • まずいまずいまずい、と、途中のあのシーンで呟いていた。
    だめだめだめ、と思いながら読み進めていたら案の定。
    辛いなぁ。救いと絶望がしっかりと絡まりあったラストだった。

  • 4.3

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50281011

    僻地の貧しい漁村に古くから伝わる、サバイバルのための過酷な風習“お船様”が招いた海辺の悲劇を描いて、著者の新境地を示す異色の長編小説。
    (生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • 江戸時代の僻地の漁村というこれまで知ることのなかった舞台で、生きることを目的として生きるような生活が描かれる。生きるために働くことが最優先事項で、家族への愛(それもかなり控えめな)の描写はひとつまみ分くらいだったので逆に印象的だった。
    村の習俗は非常に興味深かった。リアリティがあり、こうしたしきたりは実際にあったのだろうと思わせられる。
    「お船様」の乗組員を殺すことに村人たちが殆ど罪悪感を抱かないのは、村があまりに隔絶されていて「お船様」を異世界のものとでも認識しているからか。祭りとしての色を濃くすることで罪悪感を薄めているからか。村でなによりも重んじられるしきたりで可とされているからか。
    この小説のような(生きていても決して幸せとは言えないのではないかと思わせる)環境下でも、人間は生きるために必死に働き、共同体の存続を目指すものなのか…と思った

  • 厳しく辛いだけの暮らしにしか思えないこの村の生活。
    それでも伊作は隣村の暮らしが自分の村とは異質と感じ、自分の村に戻った時にほっとする。ここは考えさせられる。
    死んでしまった伊作の妹のてる、かね。幸せを感じたことはあったのだろうか。山追いを受け入れた村おさと村の人々はその後どうなったのか。(この時の村おさのリーダーシップは強かった)
    「お船様」は史実に基づくのだろうか?
    いろいろ考えさせられるけれど、仕事の都合で何度も間が空き一続きで読めなかったのが残念。

  • 20220827027

    お船様と赤い服、しきたりと行く末、人間の生について考えさせられる

  • 厳しい話だった

  • 本屋大賞、2022年発掘部門「超発掘本!」に選ばれたので、読んだ。
    怖面白い!
    漁村の村は、17戸。小さな村。
    貧しくて厳しい生活をしている村。
    貧困。
    それが当たり前で、食べるために働く。
    村の決まりは絶対的なもので、背くわけにはいかないというところが怖い。
    主人公の伊作は9歳。小学3年生から働き始める。って考えると想像しやすい。
    やっと父が帰ってくる3年後は小学5年生の歳。
    まだまだ子供だけど大人と同じように働く。
    米俵を背負うことが出来ず、
    母から意気地なしとか力なしと呼ばれるのも仕方がない。
    米俵って何キロ?調べたら60kg
    無理じゃん。
    お船様を呼ぶという風習。
    よく考えてみたら海賊だよね。
    中学生にも読みやすいと思う。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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