- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300820
感想・レビュー・書評
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このトリックは今までのアガサ・クリスティ作品の中でもかなり好きだ。
そんなことあるんだなと裏をかかれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラストが謎展開だがサイコ犯人は面白かった
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著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)
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ただ単に、面白い。
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まあ解決のきっかけが運に頼りすぎ、という気はするけど
なかなか面白かった。
思わず乗り過ごすくらいに(おいおい)。 -
どのように話がつながっていくのかな、と思って読んでいったけど、後半から話がどんどん進んでいって、いろんな要素が噛み合っていって、犯人が特定される過程がおもしろかった。犯人の特徴がちょうど読んでいた別の本と関連していて、いつの時代にもこんな人は存在しているんだな、と複雑な気持ちになった。ポワロは出てこないが、登場人物の会話にポワロのことが出てくるのがなんだかうれしかった。
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クリスティーが得意とする、遺産相続と男女間の嫉妬を背景にして起こる殺人事件。ポアロ、マープルではなく、バトル警視が探偵役であるのは、犯人をいったん見誤るという状況を作り出すためだろうか。冒頭のバトル警視の娘の出来事や、後半で目撃証言者となるマクハーターの話がうまく真相とつなっているところに、ミステリーの女王の匠の技を感じた。
この事件の核となるトリックについては、私はこれまでに、クイーン、横溝正史、有栖川有栖の作品で使われているのを知っている(クイーンの作品の方が書かれたのは約十年も前)。本作品では、アリバイが問題にされていないので、このトリック自体はそれほどうまく活かせていないと感じた。また、マクハーターの目撃証言者が出てくるまでは、犯人を特定するような決め手に欠ける事件の状況であり、ミステリーとして特に特筆するような内容を持ち合わせていないと感じる。ただし、動機に関してはひねりがあって、かなり屈折した動機なのだが、個人的にはその心情は理解しがたい。
「殺人は終局であり、物語ははるか以前から始まっており、あらゆるものがその終局、ゼロ時間の一点に集中されている」という、作品中で弁護士トリーヴスが語っている言葉を体現するような作品を書きたかったというのが本作品の創作意図ではないだろうか。
本作品は事件を取り巻く人物の配置が絶妙であり、人間関係をうまく構築して、人物を適切に配置さえすれば、事件は起こるべくして起こるということなのだろう。 -
2018/04/22読了
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アガサクリスティーの作品にはまり、続けざまに読んでいます。
本作品にはポアロは出てきませんが、よく相棒となるバトル警視が主人公となり物語を進めていきます。序盤はさまざまな登場人物が出てきて関係性がよくわからなかったのですが、次第に不穏な空気になっていき、事件が起こってから収束まではスピード感がありました。
ある程度ポアロシリーズを読んだ後の方がいいかもしれません。初めてのひとは前振りの長さにうんざりしてしまうかも。
トリックにはちょっと無理があるようにも思いましたが、登場人物たちの人間模様と相まってなかなか味わい深く読み終わりました。 -
★3.5
昔、数冊読んだことがあるだけのクリスティ。最近、P・D・ジェイムス作品を立て続けに読んだせいか、クリスティのライトな書き味に驚いた。加えてこんな昼メロみたいな人間模様を書くんだなーと新鮮な驚きも。
終盤キーになる人物の行動が唐突すぎることや、何事かを企んでいたと思われる人物が何を狙っていたのかが結局分からず終いで少し消化不良。ただ、伏線から真相まで良くまとまっていて面白かったので、他の作品も読んでみたい。