小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)
- 早川書房 (2010年2月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
- / ISBN・EAN: 9784153200111
感想・レビュー・書評
-
如何にシンプルな方法で成功するか?そしてできたのか?如何に身軽でいるか?身軽でいると何が良いのか?
文章全体が本質をついておりしかもそのすべてが正論でかつ読みやすい。
どんなサービスは良くてどんなサービスが悪いのかわかりやすく書かれおりまたつまらない仕事観も否定し打ち砕いている。
本当に生産性を上げる人間は仕事人間ではないし睡眠もしっかりとる。
小さい企業が大手に勝つ方法は時間を多くかける事ではないんだなと思えた。
気がついた時に読むと勇気をもらえるかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
組織の中の力関係や保身に熱心な人や、顧客よりも上司に向けて仕事をする人を見るたびにがっかりしてきました。ドラッカーが言うように成果をあげることに注力したいです。こんな組織が増えるといいです。
-
ビジネスの作り方について、37シグナルズの取り組み方を学ぶことができます。小さな会社はこんな風にビジネスをするべきだ、というよりはいいビジネスをするのに大きくある必要はない、といった感じです。その取り組み方はあくまでもこの会社の一例で、webの会社ならではという感じもありますが、他業種の会社や大きい会社で働く方にも、あらためていい商品、サービスはどのように生みだすのか、といった所はすごく面白く感じられる内容です。
-
「37シグナルズ」の創業者である、ジェイソン・フリードと、Ruby on Railsの開発者であるデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンが書いた本です。
大企業で安定した生活を送っている人には、正直何を行っているのか理解できないところがあると思いますが、いい仕事というものは、規模ではないということが理解できる一冊だと思います。
私自身、この本を読み終わる頃には、アイディアさえあれば、自分次第でいつでも起業できるのだと痛感させられました。 -
いくつかメモ。
必要なものは思ったより少ない/身軽でいること/決断することで前に進む/まずは自分自身から/対応の速度はすべてを変える/ひらめきには賞味期限がある
アプローチのおもしろい、いい本だと思う。 -
[ 内容 ]
会社は大きいほうがいいなんて幻想だ。
今日では誰でも自分のアイデアをもとにビジネスを始められる。
高価な広告枠、営業部隊、オフィス、いや、会議も事業計画もいらない。
昼間の仕事をしながら、初めは週末の数時間を費やすだけで十分だ。
小さな所帯で、シンプルに、迅速に、臨機応変に―それで僕らは成功している。
二つの大陸に散らばった十数人のメンバーだけで数百万人のクライアントを抱えるソフトウェア会社37シグナルズは、その優れた製品だけでなく、常識破りな会社運営法でも、業界観測筋の目を釘付けにしている。
その創業者とカリスマ開発者が、いまのビジネスに真に必要な考え方を示す。
[ 目次 ]
まず最初に
見直す
先に進む
進展
生産性
競合相手
進化
プロモーション
人を雇う
ダメージ・コントロール
文化
最後に
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
世界にささやかに貢献する
クレイグリストやドラッジレポート
有名でない彼らは、どこからかやって来て、何世紀も続いた古いモデルを破壊した。あなたも自分の業界で同じ事ができる。
キュレーターになれ
博物館を素晴らしいものにするのは、壁に何がかかっていないかなのだ。キュレーターには何を残すか何を取り去るかを決める役割がある。いわゆる編集のプロセスだ。
副産物を売る
やめた方がいいものを考える
小さな勝利を手に入れる
ヒーローになるな
数字やラベルで優先順位をつけてはいけない。そのかわり、視覚的に優先順位をつける。
競合相手に「教える」
舞台裏を公開する -
小さな会社でも、今の時代なら大きな仕事が出来る!!
まずは、自分の出来るところからはじめようという気になりました。
世界はめまぐるしく変化しているのに、これまでの常識に囚われていたって、どんどん置いていかれるんだろうなー。
そういう常識破りな会社が、新しい常識を創っていくんだと思いました。
ならば、
こだわって置いていかれるのか、
非常識と言われて新しい常識を創るのか、
といえば、もちろん後者を選びたい☆ -
そういえばK君の経歴詐称問題はどうなったのだろう…
-
大手企業では当然だと思われている、拡大路線、会議、予算管理、取締役会、広告やセールスマン。これら全てを拒絶しても、企業は成功できる。大切なのは「どのように顧客を増やし、利益を増やすか」だと著者の体験を通して説く。
著者は、2大陸に散らばった(本書執筆時点で)わずか16人の従業員で数百万人の顧客を抱える、ソフトウェア会社「37シグナルズ」の創業者と共同経営者。「ビジネスを立ち上げて、経営して、拡大する(あるいは拡大しない)」ことについて助言している。本書を大まかに要約すれば『本質を追求せよ』。納得させられるし、むしろウラヤマシイ。
徹夜も辞さない長時間勤務をこなすサラリーマン。度重なる会議。著者は両者とも“無駄”だと切り捨てる。前者のように睡眠時間を削ることは創造性の喪失につながる、後者は余計な負債を抱えることと同義だと指摘。業務や会議スケジュールなどを“できるだけ小さくする”ことこそが重要だとする。
その際、基準となるのが会社の本質。「『もしこれを手放しても、自分が売るものはまだ残っているか?』と自分自身に問いかけ」、芯の部分さえ捨てなければよいという。そして、「そうしたらその部分を最大限に引き出すべく、エネルギーをすべて注力するのだ」とする。ただ上司に言われたからやるのではなく、「なぜ行うのか」「どういった問題を解決するのか」「本当に役立つのか」「なにか価値を加えているのか」「なにか行動を変えるのか」「もっと簡単な方法はないのか」などを常に念頭に置いて業務に取り組むよう奨める。
また、適度な削減のサジ加減について、ワビサビについての著者、レナード・コーレンの本を引用している。
「『本質だけになるまで切り落とす。だが詩を取り除いてはいけない。余分なもののない、清潔な状態を保つが、不毛にしてはいけない』
『詩を残す』とはいい言い回しだ。簡潔にすぎると魂が抜け出てしまい、ロボットのようになってしまう」
これまでの『会社』の概念を一新してくれる本。起業がぐっと身近に感じられる。創造性や“美”へのこだわりを保って本質を追求。よりシンプルによりスマートに ― 。共感できる。
本書を読み終え、1年ほど前にNHKで放送されていたBump of chickenの特集を思い出した。メンバーの1人が「アーティストはよく、『武道館ライブが目標』と言うけれど、僕らは違う。好きな音楽を続けてきて、『いいぞ、いいぞ』とやっているうちにここまで来た」といった趣旨の発言していた。長期的な目標を立ててそれに向けて実行するのではなく、自分たちの核を道標として直近の課題をクリア、クリア、クリア。積み重ねるうちに、(本人はそう考えていないのだろうけど)いわゆる“成功”を成し遂げていた、ということなのだろう。
また、その歌詞は美しい。時間の経過とともに表現方法は変遷しているけれど、どの曲にも“芯”を感じる。“詩を残しながら”無駄がない。
著者やbumpのイキザマ。『小さなチーム、大きな仕事』。素敵だな、と改めて思う。 -
Small is beautiful. Less is more.
以下抜粋
小さなチームでいい。小さなチームがいい。
新しい現実とは、今や誰でもビジネスが出来るということだ。
「現実」の世界とは場所ではなく、言い訳だ。何も試さないことの正当化だ。あなたには関係ない。
成功から学べ
予想を頼りにしてはいけない。今年ではなく、今週することを決めよう。次にやるべき最重要課題を見つけ出して、取り組むのだ。何かを擦るずっと前ではなく、直前に決定を下そう。計画無しに仕事をするのは恐ろしく思えるかもしれない。しかし現実通り合わない計画に従うのは、もっと恐ろしいことだ。
すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、あなたが使いたいものを作ることだ。
まずは作り始めよう
少しのお金は、自慢できない食べ物を売ることの埋め合わせにはなりません
身軽でいよう
芯に注力する
やることを減らす
変わらないもの、10年後も欲しいものに注力する
副産物を売る
作り始める
もっと簡単な方法はないのか
あなたは一人きりモードに入らなければならない。ひとりだけの長い人続きの時間にこそ生産性は最も高くなる。
仕事の「はずみ」はモチベーションの燃料だ
極地探検家のベン・ソーンダースは彼の単独の北極探検の間、日々「目の前の数メートルの僅かな氷にたどり着くこと」だけを考えたという。
あなたをそんなマネッコから守る素晴らしい方法がある。それはあなた自身を製品やサービスの一部にすることだ。
模倣することによる問題とは、理解を飛ばしてしまうことだ
ケンカを売る。敵を作る。仮想敵国を作る
競合相手以下のことしかしない
あなたは少しだけいいものを作るだけでなく、ルールを再定義しなくてはいけない。
あなたの会社はニーズがコロコロ変わる特定の個人よりも、あるタイプの顧客に忠実である必要がある。
アイデアを書きためて、何日か棚にあげておこう。落ち着いてから、そのアイデアの優先順位を評価してみるのだ。
今、あなたが誰なのかを知る人はいない。それでいい。無名であるのは、素晴らしいことだ。日陰にいることを幸せに思おう。
競合相手に教える。共有することを恐れてはいけない。料理本を売ろう。舞台裏を公開しよう。
地理はもはや重要な問題ではない。どこに住んでいるかではなく、最高の逸材を雇うのだ。
悪いニュースは必ず顧客に知らせる -
もう少しノウハウが書かれている本かと思ったが、期待はずれ。
だけど、この本にはこれからの社会で自分たちらしく仕事をしていくための心構えのようなものが、たくさん詰まっている。
「ハッカーと画家」と「 社員をサーフィンに行かせよう」を合わせて凝縮したエッセンスを本にしたような感じ?
仕事への情熱がほしいんだけど、あまり背中押されても、
転んじゃいますけど!って人には、もってこいの本かと。 -
・生産性を高くする「ひとりモード」の時間を設ける。
・会議
タイマーをセットする。タイマーが鳴ったら会議は終了。
可能なかぎり少ない人数しか呼ばない。
常に明確な会議の議題を設定する。
具体的な問題から始める。
会議のかわりに問題がが起こった場所で会う。実際の物を指差し、本質的な提案をする。
解決先を出して終了し、誰かにそれを実行する責任を負わせる。
・時間枠はより小さいかたまりへと分解し続けよう。1つの12週間のプロジェクトのかわりに、それを12の1週間のプロジェクトへと組み変える。30時間以上かかるタスクの見積もりを考えるのではなく、まずはより現実的な6~10時間のかたまりにタスクを分解する。それから1つ1つ取り組んでいくのだ。
・優先順位をはっきりさせるために、「ノー」と言う習慣をつけよう。
・顧客と接する暇などない、と思っているなら、その暇を作らなければいけないのだ。
以上、付箋箇所。
また読み返したい。 -
借りて読んだだけでは足りず、また読みたくて購入。
スケールメリットを活かして動く企業体と同じ活動、同じビジネスをしたところで、中小企業にはデメリットばかり。身の回りの現実から解離した情報に踊らされず、現実と調査を大事にしなきゃなと思わされる本。
ただし、著者の成功にあやかって振る舞いだけを真似てみたり、同じことをしようとしても、情報に踊らされてることには変わらない。切り口鮮やかな内容なので、かえって独善ぶりだけが目立つ浮ついた真似ごとになる恐れあり。自分の身の丈と振舞えることを把握しつつ吸収できることを見つけようと思う。 -
アイディアのコアを絞って、小さいところから始めようという本。
とにかくすごく読みやすい。
Eric Sink on the Business of Softwareに近い本かな。
他の機能を削ってでも自分の独自性に注力して、真似されづらいものをつくるというのは、ブルーオーシャンに似ているね。
無名をチャレンジという武器にかえるというのはいいね。 -
常識を覆す仕事術の数々。読んでいて小気味いいです。
-
企業で働く多くの人が「こんな働き方やサービスの打ち出し方、戦略の立て方を真似ることはできない」というかもしれない。だが、ネットサービスをなりわいとし、少人数で働く企業にとっては、本著で語られている多くのエッセンスを常識としてとらえておく必要がある。ビジネスを成功に導く要素だからだ。骨子は「より速く、よりシンプルに、自分がいいと思う製品やサービスを世に打ち出していく」ことにあると感じた。
37シグナルズはプロジェクト管理やCRM(顧客関係管理)分野のソフトを手掛ける少人数の企業。世界で300万人が同社のツールを使い、年々利益を出してきている。ネットという世界にマッチした製品と戦略を編み出し、競合を押さえて勝ち抜いてきた企業だ。
同社は、多くの企業が「ハマりがち」な働き方やサービスの改良、戦略の立案に異を唱える。例えば「いらないものを捨て、小さく、シンプルにサービスを作る」という視点、同社は誰もが簡単に使えるツールという点にこだわり抜き、「もっと簡単な方法はないのか」を自問自答し続ける。1つの信念のために、ほかの余分な機能や改善要望をあえて捨てたツールを打ち出す。いち顧客の望みをすべて反映させると、サービスに投影した理念や思いが崩れてしまう。自社が何を成し遂げようとしているのかを、シンプルに追求し続けることが、最終的には利益となって跳ね返ってくるという法則が見えてくる。
あらゆる戦略において、拡大基調をとらないのも同社の特徴だ。身軽でいれば、ビジネスモデルや製品、マーケティングメッセージなどをすばやく変えることができる。ネットの世界では身軽さとスピードが命になる。「小さくなることの勇気」が、安定した収益源と新規顧客の開拓を推し進める。大は小を兼ねるという「確からしい論理」は、ネットサービスには通用しないことを知る。
「競合相手は分析しない」。サービスが成功すれば、競合相手から真似されるのが宿命だ。守る手段は、自分自身をサービスや製品の一部にすること。自信を商品、そして商品のまわりにあるすべてのもの(販売やマーケティング、サポートの仕方)に注ぎ込む。それが付加価値となり、顧客は自社のサービスに戻ってくる。競合相手は、サービスはコピーできても、自分自身の思いまではコピーできない。靴ではなく「人と人のつながりを媒介としたサービスを売る」ザッポスに似た哲学を感じた。
人々に来てもらえるように会話を重視し、ブログやツイッターを使う。価値ある情報を共有し、ゆっくりと忠実な顧客を獲得する。「顧客はつくるもの」であり、自分らしく、ほかの人が話題にしないことも語る。欠点も隠さず、完璧を求めない。今取り組んでいるものの一番新しい形を、会社のみんなで見せる。マーケティングは独立したものではなく、日々やっていることの集まりである--広告を大量に配信するという従来のマーケティング手法をわざわざとらなくても、多大な成果をあげることは可能だ。
ここで紹介した一部のエッセンスは、特に規模の大きい企業にとっては受け入れがたいことなのかもしれない。だが規模が小さく、小回りが効く企業にとっては、実践してみる価値は大いにあると感じる。競合分析などをやっている暇があれば、自社のサービスに磨きをかけて、早く世界に送り出す。そうすれば人々は何らかの評価をしてくれる。ネットの世界には、これまでのビジネスとは異なる常識や秩序がある。のるかそるかを見誤ると、ネットの世界では勝ち抜けない。
訳者あとがきには、「多くのファンを惹きつけているのが、同社の仕事・プロジェクトについての新しい考え方や働き方の哲学である、小さいことに価値がある」と添えられている。こんな価値観が、ビジネスを、そして世界を動かす鍵になっていることを37シグナルズは教えてくれる。 -
いいなあこんな働き方したい
-
そぎ落としの美学。機能をつけないことを強みとする。独自の哲学と技術力でビジネスをやっている
-
2010/4/23読了