- Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344012141
感想・レビュー・書評
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杉村三郎シリーズ第二作目。杉村さんが優しくて普通の感覚を持っているだけに、彼や家族や周囲の人が事件に巻き込まれるのが痛々しい…。今ある幸せがあまりにも美しく描かれているので今後どうなっていくのかふと不安になりました。事件は解決するけれど、からっと晴れた気分にはならずなんとなく物悲しい余韻が残るのは第一弾と共通しています。
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「2007本屋大賞 10位」
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/609200 -
連続で起きた青酸カリ無差別殺人事件の被害者家族とヒョンなことから知り合い、助けになろうとするが自身も会社内でのモンスター部下に悩まされ、それが大事件に発展していくお話。「誰か」に続く杉村三郎シリーズの第2弾。
序盤に出てくるシックハウス症候群がどう関係してくる?と思うも、最後には見事に全てが繋がっていく。お見事!のらりくらりと進んでいく前半だけど、後半はたたみかけるように面白くなっていく。
第3弾が楽しみ。どうなるんだろ、杉村さんは探偵になるのかな? -
毒殺事件、シックハウス症候群、土壌汚染、そして、世の中の不公平、理不尽な怒り、、、
いろんなことが絡まりあって、もつれて、人間って怖いなあと思う。
でも、何とかしてあげたいと助けてくれる人もいて、世の中、捨てたもんじゃないなとも思う。
現実的で、おもしろかった。 -
↓利用状況はこちらから↓
https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00032017 -
「昨日がなければ明日はない」をふと手にとり面白かったので、シリーズの最初から読み始めた。
シリーズ2作目、自分には3冊目。
順番通りに読めていないが、なるほど、あれはこれが始まりなのか、という読み方が出来てこれはこれで面白い。
物語の軸になっている事件は、もしかすると自分の日常に起こり得る身近なものであり読むのが苦痛になりそうなものだが、作者の力量のおかげで一気に引き込まれどんどんと読み進められる。
その事件以上に、登場人物それぞれの家族の在り方に心を持っていかれてしまった。我が子が違う方へ育って行く際の親の悩みは計り知れないが、子もまた親に振り回される立場であり、家族が平穏で無事に毎日を過ごすことがいかに難しいかを考えさせられた。
読後感はそう悪くないが、普通とはどういうものかという課題、そして、彼女の真実は結局どこにあったのかという謎、そして自分が毒になりえるという恐ろしさが残った。
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★鬱屈感の表現★肩ひじ張らずにはいられない年配の女性編集長、自分が認められないいらだちを常軌を逸した方法で他人にぶち当てる中途入社の女性(自分の経歴も望んでいたように偽ってしまう)、お嬢様である妻の無邪気な生活感とそこにわずかに感じる主人公の違和感。人物設定と描き方がやはりうまい。推理小説としてはやや唐突感があるが、報われない人のやるせなさが新聞小説にフィットもしているのだろう。
吉川英治文学賞とのことで改めて読んだが、著者の本ならほかに素晴らしいものはもっとあるだろうに。もちろん面白いのだが。 -
程度はあれ原田いずみみたいな女が職場に1人はいるよなあ…
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油断した。
宮部さんは現代モノは怖いから避けてたんだけど、以前見たペテロの葬列のドラマが良かったのでそのシリーズと知って読んでしまった。
何が怖いってすぐ隣に居そうな壊れてしまってる人達があまりにリアルで……
そしてその人達が一概に責められなかったりすることが怖い。
自分すらもそうなってしまうかもしれない、そういう子供を持ってしまうかもしれない怖さもある。
みんな毒の素を持ってるのかもしれない。