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この作品からのみんなの引用
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生物学的生命の絶えず循環するサイクルが通過しなければならぬ、労働と消費というこの二つの局面がその比率を変えて、人間のほとんどすべての「労働力」が消費に費やされるという状態さえやってくるかもしれない。・・・
この結果、最後には、苦痛と努力の足枷から完全に「解放された」人類は、世界全体を自由に「消費」するようになり、人類が消費したいと思うすべての物を日々自由に再生産するようになるだろう。
― 193ページ -
〈活動的生活〉via activa という用語によって、私は、三つの基本的な人間の活動力、すなわち、労働、仕事、活動を意味するものとしたいと思う。この三つの活動が基本的だというのは、人間が地上の生命を得た際の根本的な条件に、それぞれが対応しているからである。
― 19ページ
みんなの感想・レビュー・書評
読み終わるのに3ヶ月ぐらいかかった。 本書の内容は殊更に述べる必要もないだろう。人間の活動力を労働、仕事、活動(言論など人々の間で行われるもの)に分け、今日は人々が種々の利害に囚われず活動する公的領域がなく、労働だけが支配し、人々が政治に参加せず(=活動せず)ただ生産と消費に終始する虚しい社会になったよね、という話。 僕が注目するのは、以下のようなことである。 アレントは、ただ食っちゃ寝の「労働... 続きを読む »
これはいい本だと思う。広く勧めたい。 しかし、かと言ってここでのハンナ・アレントの思想に深く共感できるわけではなく、そもそも彼女の思想は私には非常に隔絶したところから不意にやってくる「他者の声」にすぎない。それでも、この本は素晴らしく豊かな示唆に満ち、読者に沢山の思考をもたらすだろう。考えさせてくれる本である。 ただし、論述が下手なせいもあり、また、発想があまりに独創的なせいもあって、少々わか... 続きを読む »
少しだけ読むのは難解だが、通読すれば、得るものが多い。 労働と仕事と活動。それぞれの言葉をこれでもかというぐらい腑分けし、精緻にその語の深奥から展開していく。 普段、私は言葉に無自覚であることを本書で思い知った。 アレントは、古典とりわけプラトンなどのギリシャ哲学や、ラテン語などの語源的な意味と、語彙をめぐる歴史的な変遷に照らし合わせながら、言葉の意味を現代に照射している。... 続きを読む »
1958年、ユダヤ系ドイツ人であるハンナ・アレントによって出版された政治理論を扱う英語版の訳書。彼女自身、ユダヤ人であるという偶然性によってナツィによる迫害を受けた経験をもつため、人間は先天的な要素ではなく後天的で自発的な行動が見止められる存在であろうと説かれている。 アレント思想のその後の軸ともなる用語-例えば「労働labor」「仕事work」「活動action」-はたくさん出てくる。けれども... 続きを読む »
つまり、人間であるということは、私的領域を満足させた上で、公的領域に向かっていくこと。 公的領域というものは、他者の理解があって初めて成立するものであって、人間の自己表現の本能なんかにも結びついていくのではないだろうか。 また、他者との共有を深めることで、「リアル」を生み出していく。 客観性の基盤としての金銭は、公分母として働くけれども、それは公的領域のリアリティとは相反するもの。 金銭は... 続きを読む »
大学の卒業論文のテーマにアレントを設定し、この本に挑戦しましたが、死にました(私が)。
ゼミの先生曰く、「大学4年でアレント読むのはきついよね。」
先生、そういうことはもっと早く言ってください(と痛感した一冊でした)。
何度か読み終えましたが、自分の中で全然理解が残っていなくて、内容は非常に難解でした。
けれども、アレントが現代において議論されることの意義はどこにあるのか、「この本は大学生の時に読んでおいて損はない。ものを考える良いきっかけになる本だ。」という先生の言葉を信じて読みました。
結果は、大変思考の訓練になったと思います。
難解なものを読むと、きっと将来の自分のためになるし、今全部理解できなくてもいい、と感じた一冊でした。
あの時進めて下さった先生に感謝したいです。
先生、ありがとう。
何度くり返し読んでも新しい発見がある本です。それだけ難解ともいえますが。「公的領域と私的領域」で古代ギリシア・共和制ローマに政治の理念型を見いだしている点、activityの最後の章actionで言論speechへの言及が多い点から、議論と説得、つまり公共性の先駆的理論家、というのが通説になっています。ですが、アーレントは過去に郷愁をいだくような人とは思えませんし、現実を鋭く見つめる研究者です。語... 続きを読む »
2008年はこれに出会えた為に無事生き延びられた、的な。
M時代の1冊を選べといわれれば、コレ。
ハンナ・アレントの代表的な書籍の一つです。彼女独自の理論である「活動(action)」という人間行為の原理と想定される概念が説明されています。
「活動」は、対比として「労働(labor)」、包括概念として「仕事(work)」と併せて理解する必要があります。
「活動」を一言で言うと、人間が言論や行動を通じて他者と交わり理解したうえで、それぞれの存在の共存を許しあう過程です。
なにやら難しいですね。
でも中身は小説タッチになっているので、読みやすい・・・というより新しい発見があるかもしれませんよ。
アレントはドイツ人ですが,本書は1956年にシカゴ大学で行われた講義がもとになっているようで,1958年に英語で発表されたもの。彼女の肩書きは政治学者とされることが多いが,半世紀を経た今日においても読み注がれる彼女の研究の関心は多岐に及んでいる。 数ある著作のなかから初めて読む彼女の著作として本書を選んだのは古書店で比較的安く売られていたという偶然によるものだが,この1冊を読んだだけでも,その知... 続きを読む »
人間の活動力を「労働」「仕事」「活動」に分けることからはじまって、「『労働』の優位の下で『仕事』『活動』が人間的意味を失った」(本書裏表紙)現代世界の危機を告発する、スリリングな一冊。
『暴走する資本主義』が話題となっているが、あれがすっきりと頭に入ってくる人であれば、本当に熱中して読むことができるだろう。また金融危機(このレビューを執筆しているのが2008年末)の余波を正面から受けている人も、アクチュアルな問題意識の下に読むことができるだろう。
本書で示されるアレントの問題意識は多岐にわたっている。特に印象深かったのは、消費社会化、大衆社会化につれて「仕事」による製作物が単なる消耗品として使い捨てられるようになり、同時に「活動」も大衆社会化の中で衰退した結果、「労働」ばかりが幅を利かせるようになったというくだりだった。
http://d.hatena.ne.jp/hachiro86/20070209#p1

世界は、すべての介在者(イン・ビットウィーン)と同じように、人々を結びつけると同時に人々を分離させている。p79
古代人は、生命を維持するための必要物に奉仕するすべての職業が奴隷的性格をもつから...





