- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488265120
作品紹介・あらすじ
“すぐ目の前にあって──わたしをまっすぐ見つめかえしていたの”名探偵アティカス・ピュント・シリーズの『愚行の代償』を読んだ女性は、ある殺人事件の真相についてそう言い残し、姿を消した。『愚行の代償』の舞台は1953年のイギリスの村、事件は一世を風靡した女優の殺人。誰もが怪しい事件に挑むアティカス・ピュントが明かす、驚きの真実とは……。ピースが次々と組み合わさり、意外な真相が浮かびあがる──そんなミステリの醍醐味を二回も味わえる、ミステリ界のトップランナーによる傑作!
感想・レビュー・書評
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エンターテイメント推理小説の完全体 バチクソ面白いから未読の人は今すぐ読みなさい #ヨルガオ殺人事件
下巻でのレビューは、作品全体のレビューです。ネタバレは書いてませんが、物語の構成について語ってますので、未読のかたは多少楽しみを奪ってしまうかもです。お気を付けください。
ひとことで言うと、バケモノです。
ズバリ、こんなミステリーは読んだことがない。
本作は、作中作でも前作とは違ったアプローチになってます。今度はこんな構成でまとめてくるの?というほど、発想力と組み立てがスゴイ。
前作はまぁ想像つきますよ、こういう作中作を入れ込むミステリーの構成もあるかなって。でも今作は、現在起きている事件を、過去の推理小説からヒントをくみ取り、過去と現在の事件の両方を解決しちゃうんです。
はぁ? こんなの成立するの?
それが成立してるんです、そりゃ面白いっつーの。
作中作との関連性もビビった。もう参った、降参です。
暗中模索の中、終盤ある人との会話から突然出てくるシンプルなカタカナ2文字。そして最重要人物との対話から、一気に物語の霧が晴れてくる感じったら、もうゾクゾクがハンパないすよ。
細かい伏線の仕掛けもスゴイんです。こんなにいっぱい作中作にちりばめられているのに、1つも気がつかない。
登場人物も魅力的な人ばっかり、これまた作中作とリンクしてそうで、してないような…って感じが複雑で面白い。
事件の真相もあまりに衝撃的でハナミズがでました(汚い
こんな複雑な話にもかかわらず、思いもよらなかったただ一つの真相で、切れ味が鋭く解答が明らかになります。はー面白かった。
最後に、これから読む方にアドバイスです。
序盤中盤はよくわからないことだらけで、事件全体が五里霧中の状態だと思います。くじけずに、まずは物語の筋と人物表をよくよく見ながら、じっくりと読み進めてください。上巻の終盤あたりから、ぐいぐい面白くなってきます!下巻はもう止まらない。
本作ですが、おすすめも何も、いいから黙って読めというのが正直なところ。間違いなく人生の楽しい思い出の一冊になりますから。 -
いやはや、すごいよねー。
そうくるか。
そう絡めてくるのか。
え?ちょろい読者選手権の結果?
それは秘密。 -
『カササギ』の時もだが、クリスティーのポアロ風の作中作がとても好みで夢中で読んだ。スーザンの推理するパートも出版業界事情や恋愛等がテンポ良い会話で展開し面白かったけど、犯人の予想が早めについたのは惜しい。楽しい読書はじめとなった。
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正確な数値については今後の研究の成果を待たねばなりません
ですが「おおよそで」ということであれば私がもしイギリス人だった場合今の3.7倍くらい面白かったと推測されます
★18.5ということです
とんでもない傑作やないか!
アナグラムが使われている海外の推理小説を読むと
もともとの小説が書かれた言語の読み書きが普通に出来たらなぁって思うこと良くありますが
今回はその他にも英語というか英語圏で生活していたら腑に落ちる遊びがたくさん散りばめられていたような気がしてあ〜あと思うのです
(まあ英語を学ぶ機会はいくらでもあったと思いますので別に不運でもなんでもなく本人の志の低さゆえなんですが)
まあでも邦訳でもその面白さは文句なしの★5です
しかも作中作のほうも古典的なミストテリーを模した傑作で二粒で二度美味しい!(当たり前)というね
探偵が関係者を集めて謎解きをするという探偵小説お馴染みの名場面が2回あるなんて傑作は本書だけ!(たぶん!) -
完成度に拍手の一冊。
上巻から引き続き現代パートの犯人のヒントを探っていたつもりだけれど、作中作「愚行の代償」の探偵ピュントの鮮やかな解決に、ミステリの楽しさと満足感ですっかり心は虜に。
その虜の真っ只中の裏であんなにもこの現代パートの犯人への事件を解く"鍵"が散りばめられていたなんて…!
そしてスーザンも重要な"鍵"をこんなにも拾い集めていたなんて!
伏線一つ一つがすごいな…と改めて思う。
読み終えた今はただこの作中作と現代パートとの完璧な融合とも言うべき犯人当てミステリの完成度に称賛の言葉と拍手を贈りたい。 -
アンソニー・ホロヴィッツ作品を読むのは4作目。
作中作「愚行の代償」単独でも十分に高品質なミステリーなのに、それが現在(設定は2016年)の事件と共鳴しあって、8年前に結審した筈の殺人事件と今の行方不明事件が同時に解決する、という、またまたアクロバティックな展開に今回も脱帽です。
独特な性癖のひとが多めに出てくるのは、少々食傷気味ではあるけれど、アティカス・ピュントものとして続く限りはある程度避け難いのかも。
これだけ制約がある中、続編で同じクオリティを保てるのかしらん、と次が心配になるくらいの傑作でした。
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『カササギ殺人事件』の続編ということで、期待したとおりでした。
今回も作中作の構成になっており、お見事でした。
どちらも登場人物のキャラクターはしっかりと作られており、主人公のスーザンとパートナーであるアンドレアスとの感情変化や葛藤も事件に関係ないけど深みを持たせてるね。
やはりただの推理小説ではなかった。 -
下巻ではまず一気に「愚行の代償」ラストまで。犯行、結構ぎりぎりのタイミングなのでは?とは思ったけど散りばめられた小さなエピソードを在るべき所にきちんと収めた真相は綺麗。8年前の事件とは違うタイプなのに何処にヒントが?と思いながらスーザンと一緒にぐるぐる。スーザンの思考の過程が丁寧で感情移入しやすい。どいつもこいつも作中作同様怪しさ満点で誰が犯人でもおかしくなさそうな中、一番怪しいなーと思っていた人物が犯人という流れでやや拍子抜けし、初めに"決め手"が示された時も唐突でややこじつけでは?と感じたけど説明されると納得してしまった。見落としがちな伏線の回収鮮やか過ぎる。そして作中作に仕込まれていたヒントのしつこさには脱帽だ。訳しきれないニュアンスの仕掛けもあるんだろうか。
autumn522akiさん、モーレツなオススメですね。そして、勧めるレビューがとても美味い。今、図書館で上巻...
autumn522akiさん、モーレツなオススメですね。そして、勧めるレビューがとても美味い。今、図書館で上巻を予約しました。遅くとも7月中には読むかなと思います。
おほめの言葉、ありがとうございます。
いやはや、本作、あまりにすごくて興奮してしまいまし...
おほめの言葉、ありがとうございます。
いやはや、本作、あまりにすごくて興奮してしまいました。
ぜひぜひ楽しんでください!