ぬばたまおろち、しらたまおろち (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488588021

作品紹介・あらすじ

妖怪の存在が今も信じられている村に住む綾乃には、大蛇のアロウという秘密の親友がいた。15歳になった綾乃は最近アロウにプロポーズされ、困惑気味。村祭りの夜、サーカスから逃げ出した大蛇に襲われ淵に落ちた綾乃は、箒に乗った魔女に助けられる。魔女の正体は、妖怪の調査のために村に滞在していた民俗学者由希恵。綾乃はそのまま彼女の母校ディアーヌ学園で学ぶことになるが……。第二回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 村で暮らす少女の彼氏は、大蛇?
    要素てんこ盛りのにぎやかなファンタジー1作目。

    深瀬綾乃は両親を亡くし、岡山の伯父の家で暮らしていました。
    妖怪の存在が信じられている村で、村祭りの行事も本気で行われる土地柄。綾乃は、子供の頃に出会った小さな白い蛇が秘密の親友で、それが今は成長して少年の姿もとれるアロウでした。
    村祭りの夜、舞い手になっていた綾乃はサーカスから逃げ出したアナコンダに襲われ、民俗学者の大原由希恵に救われます。箒に乗って現れた大原先生は実は魔女。
    綾乃は彼女に連れられるまま、ディアーヌ学園へ入学することに。
    そこは、妖怪と魔女たちが一緒に学ぶ学校でした。
    綾乃は魔女でも妖怪でもないのですが、何かの素質があり、学べば出来ることというのも意外とあるらしい?

    民話のような和風の世界から、突如ハリー・ポッターの学校生活?みたいな。
    いろいろな妖怪や魔女が顔をそろえた上で、恋のさや当て?
    それが、また一転して‥
    綾乃がどういう子なのか、要素が多すぎて、細かい点ではさばき切れていない感もありますが、熱のこもった内容で、新鮮さと勢いもあります。
    本筋は練り上げられていて、おおっと、そう来ましたか!の展開。

    第二回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞のデビュー作。
    3作目まで出ていますが、まだまだ続きそう。
    他に、大正時代の魔法学校の話もあるようです。

  • 両親を事故で亡くし、妖怪伝説の色濃く残る村に暮らす伯父一家に引き取られて育った綾乃。
    実は綾乃には、神社の池のほとりで出会った、真っ白な大蛇の子・雨太郎(アロウ)という秘密の友達がいた。
    15歳になった綾乃は、人間に変身できるほどに成長したアロウと結婚の誓いをするが…


    伝奇ファンタジー風に始まって、途中から学園コメディになり、最後はタイムトラベルもの。
    うーん、巻末の選評でもふれられていたように、「RDG」や「ハリポタ」のノリと似てきた(というか、作中で綾乃もそう感じるほどにそのままな)あたりから、ちょっと冷めてしまった。
    作者の大好物を全部、自分が描きたくて盛り込んだのはわかるけれど(私もどれも大好物だけれど)、一粒で三度美味しいというより、混ぜすぎて大盛りすぎて、何味だかわからない感じ。
    日常と非日常の、ブレンドの加減が、たぶん好みではないのだろう。

    人と妖の結婚、妖と妖の結婚で、その性質がどう遺伝するのか…という設定は面白いと思った。
    いっそのこと、そこに絞り込んで、妖男子が貴重な人女子を巡って争うラブコメに徹してしまうくらいの方が、すっきり面白かったかも。

  • 図書館で。他のシリーズが気になったので、とりあえず過去作を借りてみました。少女小説でした。

    なんて言うのか、これを無理に一つのお話にする必要あったのかな、という展開。個人的には彼女が岡山で大蛇と悪い竜を退ける辺りで終わりで良かった気がする。それか学園編を抜いて、過去の話とリンクさせて終わらせた方がすっきりするんじゃないかなぁ。

    伯父さんと伯母さんを騙すのも無いよな。うん。
    世話になった親族よりも学者先生を信頼するのもよくわからないし。まだ彼女の母親と知り合いだったとかいう設定があれば理解できたんだけど。

    その後はウキウキ学園編が始まってナニコレ?って感じになり、雪君の登場でラブコメかよ…と大分冷めてしまい、その後は流し読みしてしまいました。最後には彼女を探していたというのがわかるんだけど、学園に入ったころは普通の人間なのに空が飛べるのか?って不思議だったし。後、友人には好きな人がいるぐらい言っとけば良いのになぁとその辺りもよくわからないなぁと首を捻りました。
    雪君の正体ももっと伏線入れてくれてたらなぁ… シリーズみたいですが私はここまででいいかな。

  • ファンタジーだけど少し大人っぽい感じかな。
    綾乃ちゃんがかわいい。

    アロウと雪之丞、どっちにすんのと思ったら、そうきましたか。

    シリーズもの、次作も気になります。

  • 主人公は中学生なのに性の対象として見られることにあまり違和感がなさそうだとか、妖魅のオスがそろいもそろって万年発情期気味なセクハラ野郎だとか、パンジーを花束にするの難しくないかとか、雪が思ったより素直でフレンドリーになるの早かったなとか、そもそも文章が微妙にぎこちないとか、いろいろ突っ込みたいところはあるのだが、それを吹き飛ばすくらい面白かった。作者の好きなものを詰め込んだのがよくわかり、それに一緒に乗れたからかもしれない。ハリポタもRDGも耳をすませばも異類婚姻譚も好きなら、楽しめるのではないかと思う。

  • 楽しさ満載のおもちゃ箱のような作品。女の子たちが元気いっぱいなのがいい。矛盾しているところもいっぱいありそうだが、細かいことはどうでも良くなるハイテンション・ファンタジー(笑)。良作。

  • Tさんのおすすめ。

    両親を失い、伯父の家に引き取られた中学2年生の少女。
    でも、思っていたよりお話は軽くて、明るかった。
    ハリー・ポッターのような、夏への扉のような、君の名は、のような。

    でも、がまの油で有名な筑波山のふもとに、
    洋館の魔女学校はちょっと強引な気もする。
    イメージに合わないって言うか。
    確かに煉瓦風の建物はあるが。

    そいういえば西の出身の友達も、地震が多いと怖がっていた。
    懐かしい。

  • 魔女に妖怪に全寮制の学校、たくさんの本に…と個人的に好きなものがいっぱい詰まったファンタジー。
    白い大蛇のアロウと人間の少女・綾乃のイチャイチャ場面ではいったい私は何を見せられているんだ…と思ったけど、異類婚姻譚とはまた違うピュアな恋愛だった。おもしろかった。

  • きゅんきゅんするんじゃ!!!!!!

  • 王道和ファンタジー。昭和なセクハラ表現や際どい場面が学園モノ設定とはミスマッチだけど、まぁそれが些細な事と思えるくらいにストーリーが出来ていた。クィディッチやRDGの生徒会的要素も欲しかったかな。

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