夜行観覧車

著者 :
  • 双葉社
3.27
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本棚登録 : 7781
感想 : 1169
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236941

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わって、「こんな面白い話ひさしぶりに読んだ!」と思った本でした。
    「感動した」とか「ここが心に残った」とか「この人に感情移入した」とかじゃないんだけど、お話としてずっと続きが気になって、一気に読めちゃうかんじ。

    高級住宅街で起こった殺人事件と、そこに住む家族たちのお話。
    「告白」と同じように章ごとに違う人物の視点で語られていくんだけど、どの立場に立ってもムカつく人がだれかいてイライラする。
    でもいざそのムカつく人の立場に立つと、その気持ちもなんとなくわかったりして、代わりに他の人がムカついたりして、人間って自己中心的だなあと思う。
    でも最終的にはちょっと救われて、自己中心的な人間の集まりでも、ちょっとのきっかけで共存できたりできなかったりするんだと思ったり。

  • なんか薄いなぁ、、、

    家庭内暴力、自己中心主義、無関心がテーマなのかな。

    いまいちだったなぁ、、、

  • やーっと図書館の順番がまわってきて、一気に読んだ。
    最初に出てきた真弓を、頭の中で湊かなえさん本人の映像で
    再生しながら読んでしまったので、
    後半、湊さんは大変な事になってしまった(苦笑) 
    今までの作品の中では、一番面白いと思った。
    何気なく放った言葉や態度が、
    思いがけず相手を傷つけてしまう事や、
    同じ事柄を違う立場で見つめたり、
    同じ態度を違う角度から眺めると、
    こうも別の意味を持ってしまうのか・・
    という事などを恐ろしく思いながら読んだ。 
    自分の立場や角度から見てばかりいるのではなく、
    観覧車の上から客観的に眺める事が出来ていれば、
    この本の様なことは防げたのかもしれないし
    やはり防げなかったのかもしれない。

  • ミステリーかと思ったらそうでもなく、犯人は、自白とおり。原因は、ひばりが丘の坂道病。家族と学歴の問題だった。

  • 絶望的な話ばかりなぜ、次から次へと書けるんだろう?
    テレビで著者さんを見たことがあるけど、健康的そうな明るそうなおばさんなのに。


    あ〜いやだ、いやだ、とうんざりするけど、テンポがよく、日本語が平易で、とても読みやすいのだ、
    普通の言い方をすれば、こういう本が「おもしろい」って言えるのかも。


    嫌悪感は、真弓の思考とか、ありえない、とか思いつつ、そういう要素を持ってるのかも、というところから来るのかもしれないけど、やっぱり、ありえない、と思いたい。
    殺人を犯した高橋さんの奥さんも、信じられない。
    だけど、こんなに極端じゃなくても、自分の娘だって、何気なく返したひとことでスイッチが入ることもあるな、などと思う。

    いやだいやだ、
    と読んでいたのに、告白や贖罪と違う、
    読後感が良い。というのは、救いがないね、って終わり方じゃなかったから。
    彩花はおそらくこれから好転するだろう。なぜなら、その母真弓がなにかに気づいたから。
    そのきっかけはさと子さんではなく、父親の行動だったから。
    そして、KeyPersonはさと子さんだな。
    いやはやすばらしい。と思わせるところが数箇所。
    だけど、できた人じゃない。信念を持ってる。
    いいこと、悪いことを判断できる。いや、ちょっと違うかも。
    信念に基づいてるから、それが間違ってる場合もあるけど、きっちり自分の頭を動かすことができる人だ。
    スパンコールのポシェットのくだりも納得。おそらく、ひどいセンスなんだろうけど。
    そして、ただの野次馬おばさんじゃない。ちゃんと本質を見られる人。
    見られるけど、独自のフィルターがある。けど、正義感に基づいてるから、そのフィルターが間違ってたら、きちんと修正できる人。
    いいなぁ。こういうの。

    電車の中じゃなければ号泣してたに違いない箇所もあったので、びっくり。
    この著者がこういうこと、書くんだ~。
    遠藤さんちのお父さんと比奈子さんのおともだちの件ね。

    殺された父親ひとりを悪者に仕立てるという結末ですが、これが正しい気がします。
    生きている者は生きていかなきゃならないのだから。
    全部悪いところは、死んだものに押し付けてしまう。
    とんでもない、
    という感覚が普通かもしれないけど、ある意味天晴!

    優しい気持ちがほわほわした状態で読み終える、というのはうれしい。
    数日前に読んだ、カッコウの卵~と同じく、生きているものの優しさに起因したウソは、気持ちがいいものだ。
    どんなときも嘘をついてはいけない、なんて、正しいことじゃない、ってことがよーくわかる。

    この、救いなき作家の本を一冊、知り合いに薦めるなら、迷わず夜行観覧車を選びます。

  • この人の作品は面白いのだけど、登場人物がほぼ全員どこか歪んでいるか壊れている感じで読んでいると気が滅入ってくるというか…。いちいちイラッとします。まともなのは鈴木家だけか。でもまあ人間ってこんなもんだよね、とも思う。
    しかしこの人の書く女性、特に母親はみんなアレだな。

  • ちょっとしたことで坂道を転がり落ちる可能性はみんなにある。
    他人には全然たいしたことでなくてもその人にとっては箍がはずれ崩れ落ちることも・・・
    そして、一緒に暮らしていた家族でさえその箍が外れる沸点はわからない。
    だからこそお互いを理解しようと努力をするのだろう。
    そして、お互いを少しづつ理解をし絆も少しづつ強くなっていく。
    少し絆が強くなることでもう一度家族で再び立ち上がれることもある。
    たとえ困難がこれからも続こうとも・・・・
    そんなことを感じさせてくれる物語でした。
    そしてそして、おもろかった~!! 湊かなえさん別の物語も読むぞ!!

  • 家族だからこそ犯行の真実が見えてくる

    本編とは関係ないけど、表紙のイラストがキレイ☆

  • 久しぶりに小説を読みましたが、「告白」の湊 かなえさんの作品ということで読んでみました。
    話の作りがすごく面白くて、夢中になって読みました。

  • 良く言えば家族の再生のお話なんですけど、う~~む、ちょっとすっきりしません。特に凝ったプロットでもなければ登場人物達にもコレと言った特徴無し。あまりにも凡庸過ぎます。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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