英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

  • 亜紀書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750513041

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとした食べ歩きの本かと思って読み始めたのだけど、背景や文化的なことまでよく調べられているなと感じた。アイヌのことについてなど。きっと精力的に興味の向くまま話を聞いたり調べたのだろうなと思う。
    表題通り一家の旅のあれこれも楽しく読めた。
    壬生での食事の下りはなぜか感動的だった。

  • トラベル・フード・ジャーナリストのマイケルブースが、未知の食文化・和食を求めて英国からやってきた。
    しかも、奥さんと4歳、6歳の息子をつれて。

    北は北海道から、南は沖縄まで、見たこともない食材や文化との出会い。
    子どもたちの率直な反応も面白い。

    和食をべた褒めするだけの本ではなく、少しの勘違いや辛口批評があるところがいい。

  • イギリス人のフードライター一家が日本で食べ歩き旅行をする。日本の料理を紹介するが、おもしろくよく書けていて趣味と実益が一致している。この本が売れるというのは、日本人が外人から評価されるのが大好きなことがよくわかる。日本人って自分の中に評価基準がないんだね。自信喪失症候群ともいうべきか。

  • イギリスのジャーナリストがふと思いついて、東京-北海道-京都-大阪-福岡-沖縄と三か月ほど家族で旅する食レポ。

    一般人としてのグルメ本などを頼りにした食べ歩きなのかと思っていたが、辻調理師専門学校、服部栄養専門学校の両校長に会って一緒に有名店に連れていってもらったり、『SMAP x SMAP』のビストロSMAPの収録を見学したり、ちゃんこ鍋を食べるために尾上部屋の稽古を見学したりと、日本料理について非常に踏み込んだレポートになっている。もちろんラーメンも食べる。なんといっても今日、日本食と言えばラーメンだ。

    京懐石や服部先生に連れていってもらった伝説の料亭「壬生」のレポートはそこらの日本人にも書けない。確かにだし汁や季節っていうのが日本料理の肝なのかもな。

    面白いよ。


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    続編もあり。
    『英国一家、ますます日本を食べる』のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/475051408X

  • 日本を褒めすぎなんじゃないかという懸念が少々。
    そりゃ、おいしいところばっかり食べ歩けば、おいしいわけですよ。
    現代日本でよく食べられているものを食べれば、そうそう褒められたものじゃなくなると思いますけどね。
    ま、それでもよく食べる子どもたちとか、把瑠都のほほえましいエピソードとか、読んでいる間は、ほほえましい感じに楽しめました。

  • ベストセラー本に入っていた本著。テレビ番組でも外国人が不思議の国ニッポンを旅する光景は面白い。島国日本に住むコンプレックスが強いくせにプライドは高い私たちは、外国人の評価を知りたいし褒められたいのだろう。著者はフードジャーナリストで食べ物を題材にしているからいっそう喜ばれたのだろう。
    私も何度もクスっと笑いながら読んだ。お好み焼きはグローバルで売れるレベルなんだな、とか北海道の昆布は珍しいんだな、など。また、ビストロSMAPの収録、一見お断りの超高級料亭、銀座のクラブ、料理学校の有名校長など、日本人でも知らない、珍しい世界だ。
    トーンが同じなので最後の方は飽きてきたし、日本人が読んで日本の料理についての理解が深まるというものでもないけれど。

  • よく似たタイトルの米国人のものとは違って、より高度な(高価な)「日本食」の分析や取材をしているのでハイソなにおいが強い。一般的な日本人でも知らないようなことが時折書いてあって、そこは興味深く読んだ。しかし英国人ならではの、見下したような皮肉の利いた語り口は好き嫌いの分かれるところ。日本文化よりもかなり「日本食」に特化された読み物。(手放した)

  • NHKのアニメを見て面白そうだったので書籍版にも挑戦。

    いわゆる“日本料理って、なんて繊細なんだ!”的な、諸手を挙げて礼賛するようなリポートではないところにむしろ好感が持てた。

    作者のイギリス人特有のちょっと皮肉っぽくって、なんでも頭から鵜呑みにしない姿勢とほどよいユーモアが心地よい。

    ちゃんとした味噌汁を果たして自分は作れるのか、自分の舌はバカではないかと不安感に苛まれる一冊。

  • デパ地下の夕張メロン、思い出横丁の焼きそば、相撲部屋のちゃんこ、道頓堀のお好み焼き…。現代日本のリアルな料理の現場を「食いしん坊」と「ジャーナリスト」の複眼で探し、食べまくった異邦人食紀行。

    マクドナルドのコーラも不味かったという私のロンドン経験から英国人の舌を疑っていたが、さすがにフードライターだけあって日本料理への指摘は鋭いし、何より研究熱心だ。「日本のビール:すばらしい、日本のワイン:僕が飲んでみたからみんなは飲まなくていい」など、ユーモアあふれる文章も楽しかった。NHK深夜でアニメ化されているが、そちらは大袈裟すぎていただけなかった。
    (B)

  • 若干茶化すようなユーモアもありつつ、貪欲に日本の食文化を調査してやろう、ああ、でも家族サービスも忘れずに…という著者の姿がどの程度イギリス人らしいものなのかはわからないけれど、なかなか面白く読めた。
    ただの出たとこまかせな観光グルメ日記でなく、有力なガイドに頼んで日本人であっても足を運べないようなところまで「調査」に赴いているのは羨ましいような恐ろしいような。服部氏やら辻氏やらと対面し、案内もされ、さらにタクヤ・キムラまで出てきたときはびっくりした。
    ただの研究に終わらず、ユーモアなグルメ旅行記というだけでもなく、読み終わって思い返してみると、何やらファンタジーだったような心持になっているのは、やはり最後の「壬生」の力だろうか。

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著者プロフィール

英国サセックス生まれ。トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト。2010年「ギルド・オブ・フードライター賞」受賞。パリの有名料理学校ル・コルドン・ブルーで一年間修業し、ミシュラン三つ星レストラン、ジョエル・ロブションのラテリエでの経験を綴った"Sacre Cordon Bleu"はBBCとTime Outで週間ベストセラーになった。

「2020年 『三頭の虎はひとつの山に棲めない 日中韓、英国人が旅して考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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