怪物はささやく

  • あすなろ書房
4.02
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本棚登録 : 1178
感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751522226

感想・レビュー・書評

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  • ともかく絵がいい、影絵のような絵が。

    人が寝ているときに見る夢は、実はモノクロなんて言われるけれど、
    そういう意味では本作品の絵も、人の深層心理を微妙に表現しているのではないか・・・。
    ※“微妙”は本来の意味として

    肝心の内容はというと、繊細で内省的な話なんだろうけれどあまりピンとこなかったかな・・・。
    少し感想的な前置きを受けて読んだので、そのポイントを探すのに気が向いたかも(笑)。

    もう少し若いときに読めば、ちゃんと感じられたかな。

  • たとえば、親が離婚をするのは自分のせいだと子供は思うとか。「あなたのせいじゃない!」と伝えることがどんなに難しいか。正しいことと間違っていること、真実とはなにか。深い話である。

  • 重くてつらくて悲しい。
    涙が後半は止まらなかった。

    けれど、この感情は確かに存在するな、とも思った。
    もう助かる道はないのでは、という患者の家族が、解放されたいと望む気持ち。

    これを文字にして(しまった)という本。
    おばあちゃんと、母と、自分、のそれぞれの心の動きがとても泣けました。

    でもハリーのくだり、いまひとつ理解できない。
    ちょっと全体に期待しすぎていたのかも。
    すごい本だと思うけど、特別ひとにすすめたい本ではないかも。

  • 母親の病名は特定されていないけれどおそらく癌。その母親と二人暮らしの13歳の少年が主人公。
    父親は離婚して別の国で新しい家族と暮らしており、気の合わない母方の祖母が二人暮らしの少年の家庭を手伝いにきているが母の症状が悪化。
    母親が末期癌と言う特殊な状況へ係わりたくない生徒達による無視やいじめ、祖母への反発等の鬱屈した心を持つ少年のもとを訪れた『怪物』の「わたしが三つの物語を語り終えたら、今度はおまえが四つめの物語をわたしに話すのだ」と告げる。

    怪物が少年の日々の生活にも現れ、心の奥底の闇を曝け出させて癒しを与える物語なのですが…これが結構キツかったです。
    人はどんなに愛しい相手にでも愛だけを抱き続けられるわけにはいかない現実を突き付けられた気分でした。
    身内に病人を抱える人間にとっては抉られる痛みが伴う本だと思います。

  • どこかで読んだことがあるような、懐かしい雰囲気。かの国の暗さ、不安な感じ。少年の成長の痛み。

  • 8/21

  • 主人公は13歳の少年、コナー。
    コナーは病弱な母親と二人暮らし。
    父親は再婚してアメリカで新しい家族を作っている。
    心の中に鬱屈したものを抱えて、家庭でも学校でも孤独なコナー。
    ある夜そんなコナーの前にイチイの木の怪物が現れる。
    怪物は「おまえに三つの物語を話して聞かせる。以前わたしが歩いたときの物語を三つ。わたしが三つの物語を語り終えたら今度はおまえが四つめの物語をわたしに話すのだ」と言う。
    そしてイチイの木は語り始めた。
    魔女と恐れられる女王と民に慕われる王子の話を。
    司祭の娘を救わなかったアポセカリー(薬剤師)の話を。
    誰からも見えない男の話を-。

    児童書です。
    物語全般のイメージが黒い。そして重苦しく暗い。
    物語もそうだし挿絵も。
    この表紙のようにずっと黒い絵。

    怪物の話は少年が現実に生きる世界とどこかリンクしています。
    登場人物も状況も。
    そしてそこから思うことは、物事は裏表があり、一面だけ見ては判断できないのだということ。
    人間とは不思議で複雑な生き物だということ。
    それらの話は孤独で屈折した少年の心にどう響いたのか。

    面白い発想で話自体は魅力的だと思いますが、文章に魅力がなく、訳にも違和感を感じて、物語の中に入り込むことができませんでした。
    もしストーリーに引き込まれて読む事ができるのなら感動する作品になるだろうと思います。

  • 素晴らしかった。児童向けということでストーリーの雰囲気を増幅する挿絵も全体についている。タイトルは一見するとおどろおどろしい感じだけど、読了したあとに改めてみるとまた違った印象を受ける。
    バイトの帰り、雨上がりの夜の喫茶店で読み始めたけどページを捲る手が止まらなくなって、後半からぽろぽろ涙しながら読み進める不信人物になってしまった…
    母が癌で入院していた時の自分とダブらせていたのかも。久しぶりに自分自身と共鳴する本に出会えた。

  • 真実から目をそらしながら、心では理解している。その歪みに現れたのが怪物だったのかもしれない。
    最初は重い雰囲気に気分が暗くなりながらも、母親の病に始まる主人公の置かれた状況に胸を痛めて読んでいたけれど、最後はかなり心理的なお話だったな、と論理的に考えていた。

    その思考がどんなに汚れていてもおそろしくても非道でも、それから目をそらすのではなく、それも自分と認めることが始まりである。
    自分自身から目を逸らしていると、必ずそこに歪みが生じて苦しむことになる。
    怪物が言っていたように、言葉は言葉でしかない。考えも考えでしかない。人間なんて善とも悪とも言い切れず、両方ともを持っているのだから。それでいいのだから。
    受け入れた上で、どう行動するか。が大切。なるほどね。

  • ぎゅっとした。
    怖い本のように見えて怖くはない。

    矛盾。
    何をどう考えるかは重要ではない。
    大切なのはどう行動するかだ。

    はー。。たしかに。
    たしかに。

    課題図書だったらしいけど、これで感想書くのは辛いな。ましてや中学生で。
    わたし無理!
    感想など求めるな!

    挿し絵と物語の融合っぷりがとても良い。

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