-
仏果を得ず (双葉文庫)
- 三浦しをん
- 双葉社 / 2011年7月14日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
「まほろ駅前」の三浦しをんによる、人形浄瑠璃の世界を舞台にしたお話。
若い義太夫である健は、変人であると評判の三味線演者の兎一とコンビを組むように師匠に命じられ、困惑する。方やボランティアで浄瑠璃を教えている小学校でも様々な出会いがあり、様々なドラマに巻き込まれながら芸の道を歩んでいく。
「まほろ駅前」でもそうだったが、登場人物は軽やかに役割を演じでおり、本作では人形浄瑠璃という伝統芸能を扱いながらも、なんというかポップな感覚で読み進めることができた。浄瑠璃の演目を知っている人ならさらに楽しめるだろうが、まったくその分野に明るくない自分でも、よしながふみの漫画を読むように楽しめた。
最後は、浄瑠璃の世界観と、現代に生きる主人公たちの思いがリンクして、何時の時代も人の思いや感情がひしめきあって社会ができているんだなあと、じんわりとした感慨を覚えた。
2015年6月14日
-
ようこそ、わが家へ (小学館文庫)
- 池井戸潤
- 小学館 / 2013年7月5日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
面白かった。一気に読んでしまった。昼は会社の敵、夜は家族を守るため見えない敵と戦う一人の平凡な男。舞台はセンター南、武蔵小杉と身近なところばかり。自分も自分の人生の中で頑張ろうと思うのだった。
2014年6月7日
映画にもなってたな、という知識だけで、図書館で何と無く借りてみた。
不倫相手の赤ちゃんを誘拐した女と、その赤ちゃんが成長した後の話。主要な登場人物は女性ばかりなので、感情移入しようもなかったが、女性が母になる苦しみや葛藤、喜び、救いのようなものが見事に描かれていたように思う。読んで疲れてしまった。。。
-
サクリファイス (新潮文庫)
- 近藤史恵
- 新潮社 / 2010年1月28日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
ロードレースを題材にした小説は珍しいのではないかと思う。
スポ根的な話かなと思って読み始めたが、途中からミステリー仕立てになってくる。
展開はある程度読めるが、それよりもその犯行の背後のドラマにまんまと感動させられた。ロードレースは一人のエースをゴールさせるために、チームの他のメンバーがアシストを勤め上げる。それが1つのサクリファイスなのだが、もう一つのサクリファイスが爽やかな感動を呼び起こす。
解説で作者はロードレースの観戦したことなく、ロードバイクに乗ったこともなかったとの記載があり非常に驚いた。
2013年8月22日
-
社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
- ちきりん
- 大和書房 / 2012年5月19日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
有名なブロガーの、若い時からの海外旅行で感じたことのエッセイ。職業柄経済的な観点が多い。
ピラミッドをはじめ、多くの文化遺産が、おびただしい名もなき奴隷によって成立しているクダリは、モダニズム以前の建物を見るにつけ私も常々感じていることだった。
私も学生時代の貧乏旅行で、ドメスティックな価値観がいい具合に壊された時のことを思い出した。
2013年6月3日
-
おにぎりの丸かじり 「丸かじり」シリーズ28 (丸かじりシリーズ 28)
- 東海林さだお
- 朝日新聞社 / 2008年3月7日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
クスッと笑える、日常の「食」にまつわるエッセイ。不覚にもこのシリーズをいままで読んだことなかった。コンビニのおでんを買う顛末を2回分も使って書くとは。。。確かにあのおでんを初めて買った時はドキドキしたような気がする。
2013年5月6日
-
決弾 最適解を見つける思考の技術
- 小飼弾
- アスペクト / 2009年3月23日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
「弾言」と同じく、kindle本で100円セールだったので、買って読んでみた 。Q&Aで、人生、仕事、子育てなどの決断について答えていく形式。 持ち家を買うには自分のことをバランスシートで捉えられるようになってから、というように、人生を定量的に見ることが、前作と共通した著者の主張の一部だろう。「弾言」のほうが読み物としては まとまりがあった。
2013年5月4日
-
知の逆転 (NHK出版新書)
- ジャレド・ダイアモンド
- NHK出版 / 2012年12月6日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
言語学の巨人ノーム・チョムスキーや遺伝子分野の第一人者ジェームズ・ワトソンなど、インタビューの相手は現代の知性を象徴するような学者ばかり。
MITの教授であり、インターネット企業アカマイ社を設立した、トム・レイトンの話が最もエキサイティングだった。アカマイ社がiTunesでのコンテンツ配信などを支えていることや、やインターネットでのセキュリティがますます重要になっていることなど。。。
ほとんどの学者が宗教は否定しないが、自分は無宗教、という態度を示していることも、当然ともとれるが、興味深かった。
2013年7月29日
-
ネコを撮る (朝日新書 33)
- 岩合光昭
- 朝日新聞社 / 2007年3月13日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
動物写真家で知られる岩合氏の本。カメラに関するテクニックについてほとんど書かれておらず、猫との仲良くなり方とか、猫の気持ちについてのことがほとんど。イタリアやスペインなど海外での取材についての話や、猫科ということライオンについての話などもあった。
2013年5月5日
-
弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
- 小飼弾
- アスペクト / 2008年9月25日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
Kindle本で100円だったので購入してみた。友達関係その他を定量化するためにカネで換算したり、自分自身の能力をバランスシートで捉えたりと、下手をすると反感を買いそうな内容。しかしながら論理的な破綻がなく、ユニークな思考がダイレクトに伝わってくる熱さがあり、一気に読めた。各章最後のブックガイドも良し。
2013年5月2日
-
海賊とよばれた男 上
- 百田尚樹
- 講談社 / 2012年7月12日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
とりあえず上巻読了。
永遠の0の著者による、出光創業者の物語。
誰よりも世の中のためを考え、あらゆる困難にめげずに、商売の哲学を貫いていく主人公。
このような人間を今この日本で描くということに非情に意味があると思った。
下巻も楽しみだ。
2013年2月24日