SF JACK

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103982

感想・レビュー・書評

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  • ★★★★
    上田早夕里「楽園」表現体を超えた意識の結びつきがテーマ。語りつくせない!
    小林泰三「草食の楽園」こういう作品が有るから小林泰三は目が離せなくなるんです…
    山本弘「リアリストたち」山本さんらしい意志の強い女性の目線で書かれる。リアリスト側の自分たちとしては彼女の選択の結末を見届けたくなる。
    堀晃「宇宙縫合」最後まで読んで、おー…となる。

    宮部みゆきさんと夢枕獏さんはもう大御所の風格。
    安心して読めるのですが、自分にはそれがちょっと物足りないくらいでした。

    新井素子さんのスイーツ(笑)女子語りがホント辛いです。冲方丁は…中学二年生だったら面白いかもしれません(苦笑)

  • ☆4つ

    SF友の会、ぢゃなくてほら例の「日本SF大賞」を出してるところ、SFペンクラブだっけ? ええいわかんねぇや。

    ともかくそこの会が50周年だってんで出した本。たぶんそういう本。だからなので、何人かの執筆者が書いている。

    夢枕獏先生の名前に惹かれて読み始めた。うまいもので夢枕獏先生のお話は一番最後に廻してある。獏先生の読んだ後につまんないのに遭遇した場合そこで読むのを放棄してしまう可能性がある!とよんだのであろう。そのよみ正解。

    特に件のなにやらSFの会の今の理事長(せな とかいう人)の作品はもうすぐにでも水にさらしてフニャフニャにふやかしてこの本から消し去った方が良いだろう、というくらいつまらない。まじ!

    でも山本弘や福田和代さんの作品とかわ結構よかったす。まあ、SFファンと自称するなら読まねばならぬ本でしょう。

    • ほんやだワンさん
      おぉ、今野敏も名を連ねているぢゃないか。
      おぉ、今野敏も名を連ねているぢゃないか。
      2013/06/24
    • ryoukentさん
      やあ、コメントのTawanさん。そしてこそーりとイイネ♪ のおけえさん。 いつもどうもありがとう。
      このSFモノ、読むのには結構パワーいるよ...
      やあ、コメントのTawanさん。そしてこそーりとイイネ♪ のおけえさん。 いつもどうもありがとう。
      このSFモノ、読むのには結構パワーいるよ。
      わたしゃ瀬名ダメ山脈を乗り切れなくなりそうでおもわづジャンプしてもたさぁ。だってつまんないのだもの。

      あ、今野さんのはおもろーかったです。

      そそ、きっとおけい姉御はとっくに読んでるのだろうから、感想みてイイネでもしてくっかな。いってきま。
      2013/06/24
  • SFの短編集。
    知ってる作家さんも、知らない作家さんも様々で面白かったです。

    冲方丁「神星伝」逆島断雄っぽい
    吉川良太郎「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」猫が喋ったと思ったら違うのか。
    上田早夕里「楽園」シュタインズゲートゼロのアマデウス
    今野敏「チャンナン」空手の話じゃんと思っていたら…
    山田正紀「別の世界は可能かもしれない」ジェリー。ミュータント対決。
    小林泰三「草食の楽園」結局戦うのか。
    瀬名秀明「不死の市」百年法のない世界。
    山本弘「リアリストたち」未来にありそう。
    新井素子「あの懐かしい蝉の声は」自分が主人公と同じ状態になったら気が狂いそうっていうのをおバカな女子感が薄めてくれてる。
    堀晃「宇宙縫合」記憶がない。自分の死体?
    宮部みゆき「さよならの儀式」ロボへの愛着。
    夢枕獏「陰態の森」毒草師的な。

  • 色々な人のが読めるのが良いですね。
    「神星伝」冲方丁:世界観を予測して読む必要があるかも。ハマれば楽しめる。
    「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」吉川良太郎:主人公は...ちょっと怖いかも。
    「楽園」上田早夕里:もうちょっとしたらこんな世界になっているかも。
    「チャンナン」今野敏:昔からあるテーマですが、綺麗にまとまっています。
    「別の世界は可能かもしれない。」山田正紀:人間の能力は世界を変えるかもしれないというテーマですね。
    「草食の楽園」小林泰三:うまいな。オチが良かった。
    「不死の死」瀬名秀明:歌がカギなのだが、前提知識が必要。わからない文字列を見つけたらググれ!
    「リアリストたち」山本弘:「楽園」とは別の角度から。自分が信じているものが崩れる!
    「あの懐かしい蝉の声は」新井素子:人間は複雑なことをいとも簡単にできるということが良く分かります。
    「宇宙縫合」堀晃:これもうまくまとまっている。
    「さよならの儀式」宮部みゆき:今でも供養されているロボットはいますね。
    「陰態の森」夢枕獏:異色だがこんなSFもありだと思います。

  • 「SF Jack」日本SF作家クラブ 編
    SF短編集。黒。

    日本SF作家クラブの50周年記念、全編書き下ろし。
    そうそうたる作家陣で、最近のSFの勃興を感じます。

    「神星伝」冲方丁…宇宙戦闘記。スピード感凄い。
    「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」吉川良太郎…人類滅亡。ダークファンタジー、暗いフィルターかけた映画っぽい。
    「楽園」上田早夕里…バーチャル人格。綺麗なストーリー。
    「チャンナン」今野敏…タイムパラドクス。今回軽い作品はこれだけだったなあ。
    「別の世界は可能かもしれない。」山田正紀…テレパス。結構ボリュームあったけど感じさせず、全く古臭くなく、大御所の貫禄!
    「草食の楽園」小林泰三…新世界の理想郷。あっさりショートショートふう。
    「不死の死」瀬名秀明…再生医療。重い!重い!最近の流行のヘビーなSF文学。
    「リアリストたち」山本弘…サイバー社会。意外と読みごたえあって面白いストーリーだった。
    「あの懐かしい蝉の声は」新井素子…新人類。ちょっと内容浅すぎた。
    「宇宙縫合」堀晃…エネルギーミステリ。これぞ凝縮された短編、面白かった!
    「さよならの儀式」宮部みゆき…ロボット社会。読みやすく考えさせられて突飛でない。上手い。
    「陰態の森」夢枕獏…傀儡ホラー。どうみてもSFではない、さすがこの人(笑)いい意味です。

    ちと2010年代のSFに食傷気味なのもあったので、この方々の書き下ろしはすごく面白かったです。
    何よりSF作家の人たちは年齢を経ても技術工学の発展についていって作品に取り込んでるな、ってのを尊敬します。(4)

  • 良かった。SF満載でした。
    こんなにいろんな人の文が読めて幸せ。

  • 色んなお話があって楽しめた。中には「金出して買った本だから読まなきゃ」という義務感で読み切った話もあったが、それは個人の好みの問題で技術的に拙い小説だからという理由では断じてない。
    というわけで私個人の好みの話ですが、面白かったのは「黒猫ラ・モール」「楽園」「別の世界は可能かもしれない」「リアリストたち」「あの懐かしいセミの声は」「チャンナン」ですかね。
    「チャンナン」はよくある話でしたが、逆に安心して楽しく読むことができました。
    「黒猫ラ・モール」は直前の「神星伝」とのギャップも相まって楽しめたかもしれない…正直しょっぱなのウブカタさんがライトノベルのノリでちょっと困惑していたので。
    「リアリストたち」は怖い。なんか怖い。ネットやらバーチャルやらがこんだけ進化している世の中だから余計に怖く感じるのかもしれない。あ、でも電子図書が紙の本より爆発的にヒットしない世の中ならもう少し大丈夫かもしれないとも思う。

    知っている作家さんも知らなかった作家さんも色々楽しめてよかったなーと思います。

  • 「神星伝」
    シュピーゲルで、最後のライトノベルとうたった以上、この続きはないのでしょう。「ばいばいアース」みたいな雰囲気なんだけどな。
    短編だからか、スピードで読まされた感じ。長編だと世界観を取り入れるのに、一苦労しそう。この人のは、たいがいそうだけどね。
    入れば、没入感すごいけど、そこまでが大変なのよ。

    「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」
    火の鳥のあれに似てる。人類滅亡後、なめくじ文明ができるやつ。

    「楽園(パラディスス)」
    これが実用化されたとき、本当の自分ってどこにあるんだろう?って疑問がでるんだろうね。「銃夢」や「攻殻」の世界への入り口かな。
    リアルで接触している友人と、ヴァーチャルでしか接触しない友人とで、同一人物のはずなのに、別の人物ってコトになるだろうし。人間関係で、接する社会が多いほど、仮面を使い分けるものだけど、それを浮き彫りにいやおうなくされそうで怖い。
    今実用化されたら、他人を攻撃することしかしない人格のが、大量発生かな。そんな人は、この機能使わないか。
    これを、楽園とは呼べないねl。

    「チャンナン」
    最近、ゼルダの不思議な木の実(時空)やってるので、それとかぶってしまう。

    「別の世界は可能かもしれない」
    なんか気持ちわるい話だったな。
    ちょっと、ついていけないテイスト。

    「草食の楽園」
    理想郷テストに、外部からのウイルス迷い込んで~っていう、人間の本性をむき出しの、ぐちゃぐちゃした話のはず。
    でも、ラストシーンがラブラブで困っちゃいます。理想郷は失敗して、社会も崩壊してるんだけど、ラブラブで。
    ごちそうさま。

    「不死の市」
    一番入り込めなかった話。

    「リアリストたち」
    「楽園」と同じようなテーマかな。ネット依存というか、ネット肥大の現在を、皮肉っているようにも感じました。
    この話の世界って、技術の進歩とかでなくて、精神の落ち着きどころだから、一番身近な世界なのかもしれない。

    「あの懐かしい蝉の声は」
    なくしたものは、二度と戻ってこない。当たり前だけど、忘れがち。前だけ見て進むときって、たいていそうなんだ、って感じさせられる。
    一番、切ない話だ。

    「宇宙縫合」
    合わせ鏡が思い浮かんだ。違うんだけどね。
    何度も繰り返して、破断点を治すのに、そのイメージだったもので。過去のツケは未来で、じゃなくて。未来のツケは過去で?ん?

    「さよならの儀式」
    ペットを擬人化して可愛がりすぎる人と、それを好ましく思わない人の齟齬って、こういう感じかな、と思う。
    自分は、どっちつかずです。可愛いと思うけど、鬼のように可愛がりはしないし。鬼のように、邪険にもしないです。

    「隠態の家」
    SF?伝奇じゃない?

  • なにもかもを超えて、あなたのことを知りたい。
    すでにある沢山の枠、壁、溝、境界を超えたい。
    その思いを抱いて私たちは今日も均一な肉の殻の中で多様化していく。

    沢山の切り捨ててきたリアル。
    これからも無意識に切り捨てるであろうリアル。
    もうないリアルな世界に人は憧れ、嫌悪を抱き生きてく。

    なにも困ってなんてない。
    マジョリティよりなにかが多すぎても、何かが少なくても。
    その世界はとても豊かで、穏やかだ。

著者プロフィール

1977年「わたしの中の・・・・・・」が奇想天外新人賞佳作に入賞し、デビュー。以後『いつか猫になる日まで』『結婚物語』『ひとめあなたに・・・』『おしまいの日』などを発表。1999年に発表した『チグリスとユーフラテス』が第20回日本SF大賞を受賞。

「2022年 『絶対猫から動かない 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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