亥子ころころ

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065161203

感想・レビュー・書評

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  • 前作を読んでから時間が経ってしまって
    お君の縁談の話が何だったか…
    なんとなく、みをつくし料理帖のような、
    和菓子のアンのような…
    とにかく、和菓子がムショーに食べたくなります。
    そして、シリーズ化は間違いないと確信しました。

  • 南星屋ーーー!!またこのお店とお菓子たちに会えるとは。まるまるの毬は、もう4年から前に読んだ本だけれど、ずっと忘れられない大満足の1冊のひとつ。いつまでも心のなかで家族愛と職人の粋とともに続いていてほしいお店。シリーズになるとは!
    1冊目ほどの、御落胤の秘密を超えるインパクトはもうさすがに超えられないんだけれども、でも、治兵衛、お永、お君のこの老父、娘、孫娘な家庭の営む個人経営の菓子舗のその先を描くなら、家族以外のだれか職人が必要なわけで、、、時代的にはお君が職人となるってのは厳しい展開かなあ、と勝手に思っていたら、現れたなあ、雲平、なんか、出会うべくして、現れたなあ。
    この作品から先に読んでしまうとどうしても、魅力半減するので、まずはぜひ「まるまるの毬」→から順番どおりに手に取ってほしい、そして美しくふくよかな菓子たちの描写が今回も見事!脳だけでなく目に舌に五感想像を豊かにさせてくれる。こうなったら、治兵衛が職人として退くときがいつか来るその場面とその先までも、見せてほしくなったなあ、ぜひ、3作目もいつか心待ちにしよう。すれ違いや言えない言葉を抱えながらも、思い合う人間模様は心を温めてくれる。満足の第二弾!でした。

  • お君ちゃんが立ち直って良かったわ。

  • 「まるまるの毬」の続編。江戸の小さな和菓子屋を営む3世代家族を中心とした話。ストーリーもよいのだが、何より和菓子の描写が美味しそう。和菓子が食べたくなって困る。続編希望。

  • 雲平が加わって話に新たな展開も出つつ、どっしりとした安定感もあって良かったです。どの人も皆きちんとした人達で、ねじくれた所が無いので、話がすとんと入ってくる。恋の行く先や店の将来等、見守って行きたいです。

  • 美味しい和菓子の工夫&お江戸人情話で、とても楽しく読めました。
    文中に和菓子の絵は出てこないんだけど、文字から想像が膨らみます。
    登場人物の心の機微を、くどくどと説明しない所も読みやすくて良かった。
    治兵衛の娘のお永、孫娘のお君の今後、雲平が加わった「南星屋」のこれからの和菓子が、とても楽しみです。

  • 今回も美味しそうなお菓子、日々起こる事件?にページをめくる手が止まりませんでした。

    どのお菓子も調べるとどこかの銘菓として出てくるのですが、南星屋さんで工夫されたお菓子を見てみたい、食べてみたい。
    こんな和菓子屋さんが近くにあったら本当に通ってしまいますよね。

    今回は治兵衛さんが手を怪我したことをきっかけに、南星屋に手伝いとしてわけありの職人が入るところから話は始まりました。

    最後、一区切りついて終わるのですが、是非ともその後が欲しい、と毎度のことながら続編を期待してしまいました。

  • どなたかのレビューであったように「スイーツテロ」!まさにww 白亥と名づけられたお菓子の外見の風情もすばらしく、和菓子の見立ての楽しさも味わえました。
    雲平という新キャラも出て、互いを思いやりつつゆったり進む季節。父親の、娘に対する口にできない愛情。老いても人に教わる、精進していく気概。読後、とてもよいものをいただいた気持ちです。
    続編あるのかな、と調べたところ、2020年8月号の小説現代に西條先生の「饅頭くらべ」が掲載。これは……続きなのでしょうか……だと嬉しいのですが!

  • 「まるまるの毬」の続編。

    今回もスイーツテロかと言わんばかりに、美味しそうなお菓子がズラリ。現在も存在する銘菓もありますので、ついつい手に取って食べながら読みたい気にさせられます。
    今回は、南星屋主人の治兵衛が菓子を作るのに大事な手を怪我している最中、行倒れの菓子職人・雲平が現れ、なりゆきで南星屋に雇い入れることになります。ある問題事を抱えた菓子職人の出現に南星屋に途中一波乱起きそうな具合ですが、そこはもう、こんな美味しそうな菓子が出てくる話に悪人など出せるはずはないでしょう、皆が皆、良い人たちばかりで安心の展開で読むことが出来ました。一人割を食ったと思われるのは、お君の父親くらいかな(笑)
    全国津々浦々、地方の伝統銘菓はいろいろあると思うので、それらを携えてまた次作をお願いしたいです。

  • 『南星屋』シリーズ第2弾と言ってもいいのかな。きっとシリーズ化して次もある、そう期待を込めて…。

    今作では南星屋に新しい菓子職人・雲平が加わり、いい意味で新しい風を吹き込んでくれた。
    雲平さんと相談しながら楽しそうにお菓子を作る治兵衛さんの様子が何とも良かったし、読んでいても楽しかった。
    でもきっと物語の終わりにはお店を去って、また元の南星屋に戻るんだろうな、なんて思っていただけに、この結末には驚いた!そして嬉しかった!
    お永さんが元旦那とよりを戻すのは嫌だ!と前作から強く思っていたので、この先どうなるの!?と次を楽しみにまちます。
    こんな終わりだからきっと続きがあると信じて!
    志隆さまもそう簡単にお君ちゃんを諦めるのかな?
    その辺もどうなるのか、とにもかくにも人間模様から目が離せない。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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