- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087211580
感想・レビュー・書評
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2021/10/9
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4人それぞれの「利他」についての考察が書かれていた。わかったようなところと難しいなぁと思うところがあったが、「利他」を考えるきっかけになった。
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利他とはうつわのようなもの
自分が立てた計画に固執せず、常に相手が入り込めるような余白を持つ
組織のあり方、会議の議事進行のなかでも雑談のような「余白」が必要 -
利他。わかったようなわからないような。
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コロナ禍に「利他」が流行っているらしい。それを東京工大の「未来の人類研究センター」のメンバーで、この言葉の論考を集めた本。伊藤亜紗、中島岳志、国分功一郎、若松英輔、磯崎憲一郎と今はときめくかどうかは分からないが、私自身は共感を呼んでいる著者ばかり。それぞれの論考の切り口が興味深い。「利己」の反対は「利他」ではなく、國分氏の言う言う「中動態」の概念を持ってしないと本当の理解には到達しないもの。「間主観」的なものか。色々な思いがわきあがる良書であった。こういうメンバーを揃えている東京工大は侮れない。
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5人に共通している考えは、「利他とは生み出すものではなくて、生まれるもの」ということ。
伊藤さんパートがいちばんわかりやすかった。自分の行為の結果はコントロールできないと自覚すること。不確実性を意識すること。見返りを期待しないこと。
國分さんパートは理解しきれてないけどおもしろかった。中動態/意思/責任。自己責任のあり方について。 -
300857158
S151.5-シユ-1058C
利他主義altruismは、クライアントの支援にあたる専門職には欠かせない概念です。Arnold & Sternによる医のプロフェッショナリズムの定義では、臨床的能力(医学知識)、コミュニケーション・スキル、倫理的・法的理解の3つからなる基盤の上に、卓越性、人間性、説明責任、利他主義の4本の柱が支えてプロフェッショナリズムが構築されています。難しい本ですが、「利他」について考えるよいきっかけになると思います。 -
自分以外に利する行為・考えとは何か。
第一章 「うつわ」的利他
日常生活における行為から利他を考える。著者の「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を読んだ事もあり、具体例から分析しており分かりやすい。
第二章 利他はどこからやってくるのか
人文科学的な見地から利他を考える。著者の文章をいくつか読んでおりこちらも理解しやすかった。特に「小僧の神様」のくだりは面白い。
第三章 美と奉仕と利他
柳宗悦から始まる「民藝」から利他を考える。利他の定型化を警告する。
第四章 中動態から考える利他
哲学から利他を考える。やや抽象的であり少し分かりにくい。やはり具体例から考えていくのが初心者にはいいかな。
第五章 作家、作品に先行する、小説の歴史
それまでど毛色が異なる。著者と先輩作家である、北杜夫・小島信夫・保坂和志との交流を描く。純粋に面白い。
紀伊国屋書店天王寺ミオ店にて購入。 -
東京工業大学の「未来の人類研究センター」の共同研究から生まれた本。専門テーマの違う5人がそれぞれの観点から「利他」への向き合い方を探る。5人分合わせても200ページもなく短い文なので深い論考というよりはそれぞれの論点の紹介という雰囲気も強いが面白い。個人的には伊藤亜紗氏は元々の関心が近く引用されていた未読本は読みたくなったのと、あとは國分功一郎氏の中動態の話は前から気になっていたのでこの本で簡単に触れて改めて興味がわいた。