1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001593

感想・レビュー・書評

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  • 塾講師の天吾と殺し屋の青豆、魅力的な二人が少しずつ交差する物語は続きが気になる。不思議な世界に迷い込んだ青豆、タクシーのシーンから始まる物語は最高にカッコいい。メタファーに溢れ、謎の人物も現れ、二人はどう出会うのか?
    村上作品の中でもかなりの長編だけど、好き。

  • 発売当初、めっちゃ楽しみにしてその日に全部読んだ。が、期待はずれ...と落胆した。当時19歳くらい。村上春樹が村上春樹をなぞってるようにおもえてしまったから。もっと新しいことがしりたかった。
    31歳のときふと気がむいて読み返した。ら、
    めっちゃくちゃはまった。1984年の話を10年ほど前に書いた本なはずなのに、すさまじく「現在」を感じたから。
    村上春樹は過去を書いたようで、未来を書いていたのか?
    しかしわたしは一体どこに現在を感じたんだ?
    物事の本質を書ききってるからなのか?
    よくわからない。
    よくわからないからすばらしい。
    春樹節ともいえるメタファーと哲学の世界。

    ともあれ、春樹大作あるあるの最後なんかビミョー、、は変わらず。

  • 村上春樹の作品は読みたいけど
    最初の一歩はすごく遠い。
    だけど読みだすと小説の世界に
    ゾッコンしてるのが定番。

    青豆と天吾の物語はこれからどう絡んでいくのか展開が気になる。
    世界観全体の日常にある非日常感が好き。(語彙力)
    あと村上春樹作品のエロティックな性の表現。
    やれやれ。

  • しばらく前に購入したものの、最初からこの本の読み方を理解するまで読み進めるのが難儀で積読気味に。
    でも半分くらい読むと慣れてきて、社会的な描写がちょうど自分の興味と重なったこともあって一気読みできた。
    とりあえずたくさんの謎を抱きながら話が始まった。続きが気になる。

  • 小説家ではないが、小説を書き続ける天吾と空気さなぎをめぐった物語、
    恐らく平行世界に迷い混んだ、暗殺(?)者の青豆
    二人の視点が交互に繰り広げられ、二つの物語から少しずつ連想が膨らんでいく。まだ全貌がなんとも言えないが、このズレがどこにつながっていくのかが見ものです。

  • 強烈な村上春樹ワールド。世界観がなんともいえないが、それを確実なものにしているのは、一人ひとりの人物の匂い立つようなリアルな描写である(といって、現実にこういうひとがいる、という意味では決してない)。
    わけのわからないところから、物語の指針が示されていくので、否応なくテンションが上がっていく。

  • 読了:2016.8.12

    いやぁ、ほんとに回りくどい言い回し(笑)
    だからこそ要/不要な情報だと判断するのが人それぞれになるため、作品の印象も捉える人によって違うんだろう。
    ようやく2つの話がかすりはじめた。

    どちらにせよ村上春樹はセッ×スが好きよなぁ。
    とても健全。
    ------
    ◆内容(BOOK データベースより)
    1Q84年――私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれ、主人公青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。

  • 『空気さなぎ』という作品のリライトを通して世界のねじれが明らかになっていくんだろうな想像。
    そこに青豆がどうからんでくるのか。

    相変わらず浮世離れしたまったり感がいい感じ。こんな風な時間の流れで生きていけたらいいなとどうしても思ってしまう。

  • 2人の別々の世界が交互に進んでいく感じ好きだよね…
    「6」まで耐えられるかなぁ…

  • 村上春樹は僕らの世代の同時代作家である。

    何しろ大学時代、図書館で「群像」に掲載された「羊をめぐる冒険」を
    リアルタイムで読んでいたぐらいだ。もちろんすぐに初版本を購入した。
    当時は作家で村上と言えば、村上龍だった。
    文壇では村上龍の「コインロッカーベイビーズ」が時代の最先端だった。
    「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」を書いただけの
    新人、村上春樹はどちらかというと流行作家の一人にすぎなかった。
    ちなみにこの時代の流行作家の代表格は「なんとなくクリスタル」の田中康夫だった。


    それでも僕らは、村上春樹が好きだった。
    村上春樹が僕らの時代の気分を代表していると思った。
    ほかの作家には「自分たちの時代の風」を感じなかったが、
    村上春樹の小説の中には「僕らの風」を感じた。


    そして、村上春樹が我々の同時代の風をつかんでいたことは、この25年が証明してきた。


    だから村上春樹の小説が発売されたら
    すべての本を発売直後に単行本で手に入れて読んできた。
    それは「海辺のカフカ」まで続いた。
    それなのに、「1Q84」だけは単行本で読まなかった。

    どんなにベストセラーとして騒がれようと、
    世界中で翻訳されようと、なぜか読む気がでなかった。


    そして、不思議なことにいまになって文庫本で読み始めた。
    なぜだろう?
    その理由を考えながら文庫版のページをめくる。そしてひとつの仮説に行き当たる。



    この「1Q84」は、村上春樹の集大成であり、
    彼が今まで書いてきたことをすべてまとめた、一種の変奏曲なのだ。
    変奏曲が終わるまでは手にしてはいけない。


    たぶん、一定の年月にさらされてから手にするべき本なのだ。
    その本質を理解するためには、時間が風化したほうがいい。
    ベストセラーのランキングにある期間に
    流行のひとつとして評価すべき本ではなく、
    長い時間の風化のなかで
    「古典」として評価されるべき作品なのだ。


    特に、当初Book2までという不完全な形で刊行された1Q84は、その後にBook3が刊行されて完結する。
    少なくても世界はこの本の評価をそれまで待つべきだった気がするのだ。


    だからこそいま僕は、村上春樹の歴史を踏まえて
    「変奏曲 村上春樹」というテーマで自分の評論をまとめてみようと思う。


    この変奏曲を読み解く評論は4つの楽章で成立する。


    第1楽章 世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド
    第2楽章 4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
    第3楽章 羊をめぐる冒険
    第4楽章 ねじまき鳥クロニクル


    変奏曲の旅は、村上春樹の世界を巡る長い演奏になるだろう。
    じっくりと感じてみよう、村上春樹がこの世界にもたらした風を。


    そして、その変奏曲を読み解いた時に
    1Q84に散りばめられた謎が収斂して、われわれの前に立ち上がってくるだろう。

    村上春樹がその作家人生をかけてわれわれに対して仕掛けた謎を読み解いてみよう。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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