1Q84 BOOK 1 <4月-6月> (前編) (新潮文庫)

  • 新潮社 (2012年3月28日発売)
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本 ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784101001593

作品紹介・あらすじ

1Q84年――私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれ、主人公青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。

感想・レビュー・書評

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  • この本が話題になったころ、読み始めたのに途中で投げ出してしまった。
    村上春樹推しの娘に推され、再チャレンジ。
    面白くて、あっという間に1の前編を読み終わってしまった。
    青豆も天吾も、ふたりを取り巻くストーリーが魅力的だ。まだまだ道半ば。早く次が読みたい。
    パラレルワールドが気になる。

  • 二年程前に、一度読んでいる。一年程前に、ジョージ・オーウェルの「一九八四」を読んで、その時、
    村上春樹氏が、「一九八四」が、近未来小説ならば、私は「1Q84」で、近過去小説を書いた。というインタビュー記事を見つけた。そうだったかしら?と、どこかでそれを確認したかったので、再読。
    〈4-6〉前編1は、ここから始まる物語の主要登場人物達の輪郭。青豆と天吾を交互にに語部として。

    ○青豆 女性 表はスポーツインストラクター 影では、必殺仕事人風
    ○天吾 男性 予備校数学講師 小説家を目指してコツコツ書いている

    ○老婦人 青豆の顧客であり、雇い主
    ○タマル 老婦人の執事
    ○小松 天吾を認める編集者

    ○ふかえり 小説の新人賞に応募してきた女子高生
    美人、ナイスバディ 
    ○戒野 信仰宗教組織から逃げてきたふかえりの養育者 ふかえりの父の友人

    青豆は、1984年の4月、ある仕事の後から今まで生活してきた社会との違和感を感じる。自分の記憶の過去との相違を確認して、1Q84 と(Question )としておく。

    天吾は、ふかえりの投稿作「空気さなぎ」を小説としてリライトするよう小松に依頼される。その違法行為に悩みながらも、その作品感に圧倒され作品を仕上げる。

    子供の頃の回想から、青豆と天吾は、小学生の時のクラスメイトであること、二人に惹き合うものがあったらしいことがわかる。

    さて、次行こうか。
           

  • 天吾と青豆の二人の視点が交互に物語を進めていきます。
    久しぶりに村上春樹の長編を読みたいと思ったのですぐさま買いました。
    買ったのは良いが全部で6冊もあるので、中々
    コンプリートするのが難しいのかなと思った
    のですが、そんなこと無くてとても読みやすい
    物語と実感できたので、BOOK2以降楽しみです。
    表立てはジムのインストラクター、裏では殺し屋をしている青豆と、ある作品を秘密裏に完成させようとしている、予備校の講師の天吾。
    二人の物語はいつ交わるのか、宗教とは何なのか、リトルピープルとは何なのか。



  • 私にとって特別な小説。Audibleで見かけて懐かしくなり、再読したくなったのだけど……途中でやめようか迷ったほどナレーションが好みに合わない。俳優さんではなく朗読のプロの方に担当してほしい。これでは結果的に作品も俳優さんも損をしている気がするんだけど、人気俳優さんの起用ってそんなにプロモーション効果あるものなんだろうか?
    文句を言いながらも、やはり小説自体は面白い!
    次巻にGO!

  • オモシロイッ‼︎ 長編で6冊もあるので怯んで読み直せなかったのですが、村上春樹さんの中でも上位に好きかも!という雰囲気がすでにしています。
    青豆という女と天吾という男の描写が、章ごとに交互に語られていき、この2人はいつ交わるのか、どんな人たちなのかワクワクして読み進められます。
    初めの章での青豆の描写では、タクシーに乗って高速道路でどこかに向かっている様子で、村上春樹さんの細かい描写により、まるで映画のように頭の中にその映像が浮かび上がってきました。

    業者に装い、ホテルに宿泊するある男を尋ねる青豆…
    少女の書いた小説を、なりきって書き直そうとする天吾…
    いけない雰囲気が漂いながら、ギリギリの橋を渡ろうとするこの2人の展開がたまらなく面白いです。
    でもまだ5冊もあるのか、、、!と…

    読み進めていくと、少しずつ2人のしていることが明らかになり、これから先どんな展開が繰り広げられるのかとにかく楽しみでなりません。

  • 村上春樹の小説に苦手意識があったけど、これは面白くてすいすい読める。村上作品に出てきがちな、文化系自分語りナルシスト"僕"が嫌いなだけだった。

    青豆が好き。どことなく柚木麻子『Butter』の主人公に似ている気がする。

  • アサシン出てきた。

  • 読み終えて、「村上春樹さんの本だなあ」というのが率直な印象。
    でも、小説の中身の考察まではできない。
    何のために1Q84年に入り込んだのか。
    また再読すれば少しは分かるかもしれないけど、6冊もあるので、読み返しはなかなか…。
    理解は不完全かもしれないけど、1Q84ワールドにはどっぷり浸かれたかな。

    このストーリー展開は村上さんの小説によくある手法で、人物ごとの短いストーリーの組み立てで交互に話が展開して行く。
    読み手は話によって主役がしっかりと決まっているので大変読みやすい。
    視点が定まるからかな。

    そして何より、登場人物皆が魅力的なキャラ。
    この長編で、出てくる人物がみんな個性があってキャラ立ちしていてすごい!
    女性キャラの青豆もふかえりも読んでて好きになった。
    いい小説は、読み手が登場人物に恋をする。
    間違いない!

    読み終えるのに2ヶ月近くかかったけど、長いという印象はなかった。
    読みやすく、続きが気になる展開で。
    村上さんも書いてて楽しかったのではなかろうか、と想像した。

    あとしばらくは短めの本を軽く読みないな。
    1Q84の読後の余韻に浸りたいと思って。

  • 注!
    内容に触れていますが、あえてネタバレ設定にしていません



    もしかして、これから『1Q84』を読もうとしている人が自分のこの感想を読んでいるんだとしたら、その人に、この『1Q84』は“たんなるラブストーリー”だ、ということは頭に入れた上で読んだ方がいいよ、と伝えたいw
    巷では『1Q84』というと、ジョージ・オーウェルの『1984年』のオマージュだとか、オウムを題材にしているみたいに言われているけど、この小説にそういう要素はない。
    …と、思うよ(^^ゞ

    実はそれ、ウィキペディアの『1Q84』のところに載っている、『ニューヨーク・タイムズ』2011年10月23日号の村上春樹のインタビューにもある。
    “本書は短編小説『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』(1981年)から派生した作品であると答えている。「基本的には同じ物語です。少年と少女が出会い、離ればなれになる。そしてお互いを探し始める。単純な物語です。その短編をただ長くしただけです。”と。


    ただ、一方で、そのウィキペディアには、“執筆の動機として、『1984年』を土台に、近過去の小説を書きたいと思っていた。また、地下鉄サリン事件について、事件で一番多い8人を殺し逃亡した、林泰男死刑囚に強い関心を持ったことが出発点となった”みたいなことを著者が言ったとある(省略して書いたので、詳しくはウィキペディアを見てね)。

    とはいえ、たぶん、それはあくまで“出発点となった”なんだろう。
    そういえば、村上春樹は『みみずくは黄昏に飛びたつ』で、“僕は書きながら考えるタイプ”みたいなことを言っているんだけど。
    それを踏まえると、出発点にそれらはあったとしても、書いている内に次第にラブストーリーに変わっていったってことなんじゃないかな?
    ていうか。
    イジワルな見方をしちゃうならばw、BOOK1と2が先に出た後の市場(読者)の反応を見た上で、著者の判断で、あるいは著者と出版社が相談して、市場(読者)が受け入れやすように、ラブストーリーという形でおとしてみせたように感じがしなくもないw

    もちろん、自分なんかよりは、村上春樹の方が全然頭いいはずだし。
    なにより、いろいろ思考したうえでこれを書いているはずだし。
    そもそも、自分は、この『1Q84』を1度読んだだけだ。
    著者がいろいろ考えて書いたこの小説に込めたものを全て理解はしていないのは明らかだけど、それでもこれは、たんなるラブストーリーだと思うのは変わらない。
    というのも、たんなるラブストーリー、それも、昔のトレンディドラマ(←死語w)をそのままなぞったラブストーリーだと思わないと、自らが信じていることを当たり前のこととしすぎている主要登場人物たちがキモチわるくなってきちゃうんだよね。
    ま、その辺のことは、BOOK3の感想で書くつもりw


    そんな『1Q84:BOOK1前編』だが、つい引き込まれて読んじゃう(読まされてしまう?)のは、お見事と言うしかない。
    ただ、最初、華麗に登場した青豆ちゃんwが、読んでいく内に、そのイメージがミョーにギャグキャラ(必殺仕事人かよ!w)っぽくなっていくのは、ちょっとなぁーw

    天吾は天吾で、10歳上の人妻にタマもてあそばれてるばかりだし(爆)
    さらに言えば、ふかえりは17歳の潤いのある漆黒の瞳を持つ美少女で、ほっそりした体に人目を引く大きな胸、おまけに身勝手な喋り方って、なんなんだよ?、そのいかにもすぎる中二病キャラクター?って(^^ゞ

    ただ、青豆ちゃんwと一緒に男漁りするようになる、あゆみは読んでいて気持ちのよいキャラクターだ。
    『ねじまき鳥クロニクル』を読んでいた時もつくづく思ったけど、村上春樹の小説はひたすら受け身の主人公や過剰にキャラ付けされた主要登場人物と比べて、脇役が魅力的だ。
    ただ、それは、主人公に思い入れをして読む傾向があるという読者の習性を知った上での著者の策略(テクニック)なのかな?とも思う。


    おっ!と思ったのは、天吾がふかえりを世話している戎野センセイに会いに行くくだり。
    なんと、降りる駅が二俣尾!w
    著者(といっても天吾の語り)は、“駅の名前には聞き覚えがなかった。ずいぶん奇妙な名前だ。小さな古い木造の駅で…”と、二俣尾駅を表現しているけど、実は自分も二俣尾の駅を見た時、同じようなことを思ったのだ(ま、奇妙とは思わなかったけどw)。

    この話は1Q84年の世界なんだけど、自分が二俣尾の駅を最初に見たのは1984年よりちょっと前くらいだったかな?
    棒ノ折山に行く時だったから、自分が降りたのは川井で、二俣尾は電車が駅に停まった時に開いたドアから見ただけなんだけど、天吾が見ていたのは、まさにあの風景なんだなーと。そう思ったら、10歳上の人妻にタマを弄ばれているだけだった天吾wにやっと親しみが湧いた(^^ゞ


    親しみが湧いたといえば、エッチしたくて、したくて(青豆ちゃんwの言葉で言うならば、“発散したくなる”)にバーで男を物色していた青豆ちゃんwが、好みの男がいないとため息を吐く場面だ。
    店内にテレビに流れていたクイーンの映像がやっと終わったと思ったら、次にアバが流れ出したことに、“ひどい夜になりそうな予感がした”って、すごく可笑しい。
    ていうか、著者って、クイーンやアバが嫌いなのかな?
    村上春樹っていうと、自分とは音楽の趣味が100%合わないというイメージだったけど、合う部分もあるんだ?とちょっと驚いた(爆)

    もっとも、青豆ちゃんwはその後、一緒に男漁りをする仲になるあゆみと出会うことで、無事、(青豆ちゃんの言葉を使うならば)発散することになるのだが。
    発散しすぎて、知らぬ間にお尻でもエッチしちゃっていて(・・;
    それって、普通の人なら大ゴトだと思うんだけどw、青豆ちゃんwときたら、「まったくもう」、「あいつら、そっちの方までやったのか。」と意外に平静で(知らぬ間にされていた自分のお尻を“そっち”と、まるで人ごとのように言うヤツいねーよw)。
    あ、この人、そっちでするご趣味もお持ちだったのね……と、かなりのギャグキャラwで。
    かなり引いた(爆)

    ただ、それはBOOK1後編で明かされる話w

  • 海辺のカフカのような視点が一章ごとに移り変わっていきながら二つの物語が紡がれていく。一見全く関係のなさそうな青豆と天吾の物語だがいずれ二人は何処かで邂逅し、少なくない犠牲を伴って「あちら側」の扉が開き、日常を取り戻すための冒険が始まるのだろう。
    book1では旧式の装備を纏った警官の存在で青豆の生きている世界の自明性に揺らぎが生じている。昨日までの世界といまここにある世界、そして明日からの世界が全て同じである保証なんてどこにもなくて、僕たちが存在すると信じている世界の連続性なんてものは朧げな記憶によってしか根拠づけられていない。
    そういうメッセージが込められていると仮定すると本作が1Q84というタイトルを冠しているのも頷ける。主人公だけが数年前の世界のあり方をなんとなく覚えていて、現在の世界との矛盾に違和感を覚えつつもせっせと歴史の改変作業に勤しむのが本家「1984」のストーリー。青豆が営む殺し屋業と天吾、そしてふかえりの描く空気さなぎがどう絡んでくるのかとーーーーってもたのしみ!

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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