墨のゆらめき

著者 :
  • 新潮社
3.93
  • (208)
  • (460)
  • (234)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 3341
感想 : 364
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541089

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • テンポがよくサクッと読める本。
    ジャンルでいうと日常系というか。
    何かが起こったようで、2人の日々は変わらず続いていく。

  • 何か劇的な出来事が起こるとかそういうわけではないのに、ページをめくる手が止まりませんでした。
    なんと言っても、登場人物がみんな魅力的で、すぐに愛着が湧いてしまいました。
    出てくる猫ちゃんも、なんとも言えない可愛さがあり、猫好きのわたしとしてはたまりませんでした。
    最後まで楽しく読むことができました。

  • Audibleにて。
    何となく堅そうなお話なのかと思ってたけど、遠田の「ズッ友だよ」で心を鷲掴みにされた。

    遠田と続のやり取りが何とも面白くて、題名の墨が書道から入れ墨と、そこにも繋がっていくのかーって感じ。もっとこの2人のお話が読みたくなる。

  • クスクス笑いながら読んでいたのに、涙がにじんできて
    あっという間に読み終わってしまいました。
    読後感は、良かった~。です

    「役者のようにいい男」の薫
    ホテルマンの続力(つづきちから)
    小学生の遥人君、土谷君。

    日本語の名前が嬉しい。
    漢字から連想するのも。

    韓国の人の作品でカタカナの名前に四苦八苦して少し落ち込んでいたので、

    スルスル読めて楽しかった。

    京王線を使っていたので、下高井戸に緑の玉電、府中の競馬場。
    九段下の書道道具のお店は、二松學舍の手前のあそこかな?
    神保町のジャガイモ2コのカレーはあそこかな?
    新宿中央公園そばのホテルって立地はホテルニューシティ
    で想像しましょうか?

    身近な地名が出てくるだけでもワクワク楽しかったです。






  • ホテルマンと書家がタッグを組んで、代筆屋みたいなことを!?
    三浦さんによるニッチな職業シリーズとでもいいましょうか。
    作文下手、字も下手な自分にとって、むちゃくちゃ羨ましいコンビです。
    紆余曲折ありますが、全体として爽やかな風が吹いているような作品でした。芸術的な表現がとてもいい。
    続編ありそう。

  • 書については全く何もわかっていないの中でも、書かれた字の凄さが伝わってきました。
    万物について謳いはじめる書。本物の書を見て感じるようになりたいと思いましたが、たくさん学ばないとわからないのでしょうね、、

    書道家とホテルマンの2人の関係もよかったです。
    ほんとうに会いたいと思える人に出会えるっていいなと思いました。

    最後の方は、最初の雰囲気と違ってちょっとどきどきしながら一気に読めて楽しかったです。

    カネコ氏がかわいいです。

  • 面白かった!
    読めば読むほど、遠田氏の書を実際に見てみたいっ。漢詩の事も改めて知りたくなりました。
    なんと言ってもチカの文章センス笑笑!!
    特に“パンダ”に笑いが止まりませんでしたー
    …と、気を許しているとブチ込まれる遠田氏の過去。
    上下の振り幅がまるでジェットコースターでした。

  • 久々に三浦しをんさんの小説を読んで、やっぱり好きだなぁと思った。知っていそうで知らない世界を丁寧に描いてくれるので、読後に世界を見る目が変わる感じ。これがいいんだよね〜

  • ホテルマンのチカと書家の遠田の関係がとても心地よく、面白い。
    自由で細かいことにこだわらなさそうだけど、実は気遣いもできる遠田はもちろん魅力的なのだが、チカの憑依力!
    三木君の手紙の文面をさらさらと紡ぎだす能力はすごい。
    そして牛肉の女性の手紙は面白すぎ(笑)
    2人のバランスがよくて、しかも2人とも職業人であるのがいい。

    遠田の過去が予想したよりもさらに上だった。
    今現在の人としてのつながりが一番なんだよな、と再確認。
    またいつか、この2人に会えるといいな。

  • 私の母が書道の師範で、妹も師範だが、私は3日と持たなかった。小学校低学年の時に、書道教室をクビになった。出禁と師範に言われたが、入るのは良いのかと言ったら、一層怒られた。

    この作品はホテルマンの続力が、書家の遠田薫との出会いを通じて、書の魅力に目覚めていくストーリーであるが、文字から滲み出る心情表現が三浦しをんさんらしい文章だ。

    師範曰く、2段以上にならないと使えないと。記帳や宛名書きは少なくとも2段にならないと恥ずかしさを感じられないらしい。
    書家の文字の勢いや表出する内面は、ただ体裁を整えたものとは明らかに違う事は、ど素人の私が見てもわかる。
    作家の文章、画家の絵画、音楽家の演奏や歌声などとも同じような感動を書からも感じられる。それを綺麗な文章で表現しているこの作品から、上品さを感じるのである。

全364件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×