墨のゆらめき

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541089

感想・レビュー・書評

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  • ホテルマンと筆耕士との友情?のお話
    なんだろ、ほっこりしたり、ギュッとなったり、私の中で斬新で、心地よい話の流れに引き込まれた
    勝手にホテルマン続力は濱田岳、遠田薫は鈴木亮平のイメージで映像化の際の配役決めてました。
    初!三浦しをん先生めちゃくちゃ面白かったです!

    • くにちゃんさん
      2人の人間関係、いいですよね。
      三浦ワールド気に入ってます。「愛なき世界」「舟を編む」良かったです。
      2人の人間関係、いいですよね。
      三浦ワールド気に入ってます。「愛なき世界」「舟を編む」良かったです。
      2023/08/13
  • 面白くて一気読みしました。書道とは学校で書いてきたぐらいで、ほとんど関わったことがないので筆耕士の仕事や代筆など、読んでいて楽しかったです。しをんさんの文章は読みやすいし、たまにふふっと笑いが出てしまったり、遠野さんのキャラがすごく良かったです。私も小学生の頃に、遠野さんみたいな先生に書道を習いたかったなぁ。

  • 真面目なホテルマンと奔放な書道家の友情の物語。
    タイトルから、もう少し重厚な作品を期待していたのだけど、三浦作品らしく、終始ラフな感じで描かれる。
    老舗ホテルに勤める続力は新しく筆耕をお願いするべく、遠田を訪ねる。
    訪ねて、いきなり小学生の代筆の文案を頼まれたり、その後も食事を一緒にするなど、仲を深めていく様子が微笑ましい。
    中盤までは、書の話はタイトルだけなのかと思ったが、話が進むに連れ、遠田の描く書にも興味を持ち始める力の心の揺れが読んでいる側にも伝わる。
    もう少し書について触れて欲しいと思いつつも、猫のカネコ氏や書道教室に通う小学生のミッキーの存在が良かったので、評価はおまけの高評価。

  • 少し笑えるような文章が面白い。書に魅せられ、それを書く人にも魅せられ。

  • 真面目なホテルマンと奔放な書家の組み合わせがよかった。朗読されるために書かれていることもあって、地の文の語りもテンポ良く、二人の会話もコミカルで楽しい。

    そして、書の世界。
    三浦しをんさんほどの力のある方が書について書くとこうなるのか!と思わされた。どんな文字なのかを文章で伝えるのは並大抵のことではないけれど、きっとこんな字なのだろうと想像できる。すばらしいなと思った。

    時間がとれたら朗読でも物語を味わいたい。

  • 三浦しをんさんの作品、初読みでした。温かい気持ちになりました。
    表紙を見て墨繋がりで砥上裕將さんの『線は、僕を描く』が頭の中に浮かびましたが、その印象とは異なるジャンルでした。
    遠田さんとチカの関係性良い~相棒関係のその後がいつか読めるかな…

  • 三浦しをんさんの作品初読みでした。図書館で人気だったので借りてみたのですが、とっても面白かったです!

    まず文章力がとても高いなと感じました。紡ぎだされている日本語の語彙が素晴らしく、元々とても面白い内容に更に深みが増したように感じられました。

    サリリからタッくんへの手紙の代筆の場面では、主人公の力が考え出した文面がユーモアに溢れていて、読みながらクスクス笑ってしまいました(´▽`)
    力と遠田さんのやり取りもテンポが良くて好きでしたし、2人の人柄もとても好感が持てました。
    ページ数も少ないですし、サラッと読めるいい話なのでオススメです。

    私も力と同じく接客業のバイトをしているので、力の仕事への熱意と態度にすごく尊敬の念を抱きました( * ॑꒳ ॑* )私もあんな風に仕事に誇りを持って取り組めたらなと思います。

    完全に余談ですが、集合体恐怖症(私もですが)の方は今作の表紙に少し鳥肌がたっちゃうと思います(笑)

  • 面白い!
    遠田薫さんがひょうきんな人なので、ワハハと笑った。楽しい。
    書道なので、墨のゆらめき。
    えっと、土屋に書いた手紙がめっちゃ良い手紙で感動。
    まず、土屋が神。転校してしまうなんて寂しい。
    手紙の代筆は、カウンセリングみたいだと思う。
    依頼者から聞き取った思いを代筆者が文章にまとめて代筆すると、可視化されて依頼者の気持ちがスッキリすることがある。
    まりも羊羹、食べてみたい。
    ミッキー!グッジョブ。
    遠田さんの生い立ちが凄まじくて驚いた。
    友達だょ!
    友達って言い切って良いと思うょ。
    良い話だった。
    さすが三浦しをんさん。
    表紙は、彫刻だそうで、二度見してしまった。
    カネコ氏の肉球が素敵。
    線は、僕を描くでも思ったが、書道の奥深さや美しさが文章に溢れ出ていて、良い。
    お習字がしたくなる。
    続編希望!
    映画化もして欲しい!
    中学校図書館 ◎

  • 対照的な遠田と続のやり取りが面白く、何度も笑ってしまった。
    筆耕の仕事絡みで知り合った二人がの距離が、どんどん近づいていくのに引きこまれて一気読み。
    書道好きとしては、もっと書に関する描写があった方が嬉しかったな。

  • 新宿中央公園を借景にした三日月ホテルのホテルマンと、筆耕士であり書道教室を営む書家との心温まる友情の話。
    三日月ホテルの大事なお客様のお別れの会の宛名書きを頼むべく、ホテルマンである続は遠田先生宅を訪れる。
    書道教室に通う小学生から手紙の代筆を頼まれて、2人で作成した所から、2人の距離は少しずつ近づいていく。
    続は、徐々に遠田の人柄に興味を持ち本当はどんな人なのか知りたくなる。
    が、遠田には暗い過去があったのだ。


    大雑把なようで人を気遣える口の悪い遠田と、杓子定規的な性格だけど人から話しかけられやすく聞き上手な続。
    2人のやり取りが面白い。
    チグハグしているようでも会話は成立していて、何やかんや言いつつ楽しそうで、2人の仲の良さが伺える。

    続が本人になりきって考え出す手紙の文章は秀逸だし、思わず笑ってしまう部分が幾度となく出てくる。
    パンダが地球外生命体である旨の手紙は、外で読んでいたにもかかわらず声を出して笑ってしまった。

    こんな友情素敵だなぁと思いながら、三浦しをんさんの「政と源」を思い出した。
    あれも、おじいちゃん2人の面白おかしい友情の話だったから。
    三浦しをんさんのお仕事小説は、私の好奇心を満たすワクワク小説だ。
    今回もサクサク読めて、存分に楽しんだ。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

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