墨のゆらめき

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3329
感想 : 362
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541089

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすく、面白く且つハートフルな内容。
    ライトな感じで読めるので、深い内容を求めると物足りないかも。

  • 感想
    真面目な続と破天荒な遠田のコントラストが不思議に心地よく物語として読みやすい。

    のんびりした本もたまにはいいかと思っていたら後半に急展開があり、ガツンとやられた感じ。筆者はやっぱり山場作ってきたなぁと感じた。また、書家や筆耕士など自分の知らない世界も見せてもらえた。

    オーディオブックベースに作られた本とのことで近年はそんなアプローチもあるのかとちょっと驚いた。

    あらすじ
    西新宿の老舗ホテルに勤める続は真面目な中堅ホテルマン。大事なお客のお別れ会の案内状の宛名書きを筆耕士に依頼する件で、書道教室をやっている遠田と出会う。遠田は先代の養子で、書道教室を継いだ型破りな書家だった。

    遠田はその後も続を代筆業の文面を考える役として呼び出し、付き合いが深まっていく。

    ある日突然、遠田から筆耕士を解除して欲しいという連絡が来て、続はすぐに確認に向かった。そこで遠田の驚きの過去が語られる。


  • ホテルマンの続力さんは、書道教室の遠田薫さんのもとを訪ねる。
    遠田さんは謎めいた過去を持つが、素晴らしい筆跡の持ち主。
    2人は手紙の代筆業を始めることに。

    オーディオファースト作品として三浦しをんさんが言います。
    「文字を音声で表現してみたら面白いかな?」と思ったんだそう。
    情景が浮かび上がり、思わず笑ってしまうシーンも。

    続さんと遠田さんの魅力的なキャラクターが描かれ、2人のやり取りに引き込まれます。特にパンダのくだりは必笑!
    大人の友情に心が温まる作品でした。

  • 大好きな三浦氏の作品。ホテルマンの主人公と筆耕の依頼者とのやりとりが主なストーリー。
    事件も何も起きない、平凡な日常の細かな描写がとてもリアルで私自身もその場面に居たような錯覚。良かった。

  • 性格も育った環境も職業も何もかも違う二人が、心を許し合っていく様がいい。

    厳しい幼少期を過ごし、一歩道を踏み間違えても、強い意志と周りの助けがあれば軌道修正できる。

    TVドラマか映画かマンガになりそう。

    筆耕士と代筆屋、いいコンビの誕生かな。続篇がありそうな予感。というか、あって欲しい。

  • しをんさんの描く同性同士の関係の距離感は絶妙だな〜と今回も思った。
    話の展開はえっ?と思わされたけれど、書道や書家の部分は面白く、男同士二人のやり取りは読んでいて心地よくて楽しかった。

  • エッセイはめちゃくちゃ読んでるんだけど、三浦しをんの小説は「船を編む」「きみはポラリス」ぶり。きみはポラリスが合わなかったのでちょっとドキドキしながら読んだんだけど、完全に杞憂だった。おもしろかった〜!

    人から話しかけられやすいという特技(?)を持つホテルマン・チカと、美形で圧倒的な書の才能があって破天荒で人を振り回しがちな遠田の筆耕士・代筆やとしてのバディもの。筆耕士としての縁は残念ながら切れてしまったけど、代筆屋やってるときのチカの憑依ぶりが好きなのでぜひ代筆屋としての続編が読みたい。

    しかし小説としてもおもしろかったけど、エッセイを読みまくっている身としては「しをん、萌えを詰め込んでおるな…」という感じで二重におもしろかった。特に遠田の過去についての設定とか。

  • 大人になってから、仲良くなりたいと思える人に出会えって貴重。お仕事小説かと思ったらちょっと違ったけど、程よい読後感。

  • 書道をテーマに凛としつつ寂しさや人の温かみがほのぼのと伝わってくる作品。読み終わった時に清々しい気持ちになった。
    ホテルマンである力ことチカの代筆屋として創作する物語にはクスッと笑わされて楽しく読んだ 

  • Audibleで聴了。

    続と遠田の関係性がとても良い。
    続の真面目な性格と遠田の自由な性格が
    ほどよい化学反応を起こしている。
    反対に見えるこの二人にあいだにできあがる
    友情にも注目したい。

    子供から大人までの字を自由自在に書ける遠田と
    依頼主の心に入り込み、まるで本人になったかのように言葉を紡ぐ続。
    この二人が作る代筆の手紙は、依頼主ですらびっくりするほどのできばえ。

    遠田のボケと続きのツッコミのかけあいも
    聞いていてクスリと笑えてくる。
    Audibleならではの楽しみ方だったな。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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