言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
3.43
  • (155)
  • (352)
  • (419)
  • (118)
  • (37)
本棚登録 : 3713
レビュー : 474
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106637

作品紹介・あらすじ

きれいごとでは生きられない……。この社会の美言は絵空事だ。往々にして、努力は遺伝に勝てず、美人とブスには残酷な「美貌格差」があり、子育ての苦労はほぼムダになる……。人気作家が明かす、この「不愉快な現実」を直視せよ!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いろんなタブーのことが述べられている本かと思ったら、この本の内容はかなり限定されています。簡単にいえば、人種や性別による遺伝的な”差”の存在について。近年の研究によって、遺伝と進化の関係がかなり明らかにされ、人種や性別間の差が、知能(IQ)だとか性格だとかでも証明されている、それは進化の歴史の結果であるということが述べられています。まぁそりゃそういうこともあるだろう、と思うし、公の場とかいわゆるポリティカリーコレクトネスとしては「言ってはいけない」発言になっているのかもしれないが、経験上普通の人は「知ってる」ことだと思います。人間は平等だというような現実とは異なる理想論しか語らせない「リベラル」な考えを著者は嫌っているようで、随所で攻撃しています。ウソの理想論を前提とするのではなく、現実を把握してその上で皆の幸福を高める努力をしなくてはならん、と言うことのようです。ただ、本書で紹介される研究成果は、著者の主張に合うようなものだけ取捨選択しているのだろうし、このような行動科学な研究成果はどれだけ信頼性があるものか眉唾ものだと思う。また、結果が真実に近いとしても、その説明とか解釈はあくまでモデルに過ぎないのだが、本書ではそれが真実のように語られている点は注意して読まなければならないでしょう。個人的には、終盤の「子育て」に関する部分がとても参考になった。親に出来ることは子どもが育つ環境を用意してあげることだけだし、その環境というのも、レベルが高ければよいというものでもなく、子どもの特性に相応しいものでなくてはならないようです。

  • 身も蓋もないと言えばそれまでだけど、まぁ、何となく分からないでもない事をズバッと切り込んでます…
    遺伝がかなり影響するのね。
    美貌格差なんか、言われんでも分かってるけど、こんな文章にされると更に凹む。
    遺伝である程度決まるのは辛いけど、真実なら仕方なし!
    身の丈を知って生きていきます(*^_^*)

  • 絶望を与えぬように、それと、偏見を受けぬように。しかし、その偏見に繋がる不都合な真実を知り得る事で正しい判断もできるのでは?

    訳知り顔で、この不都合な真実を語るのが本著。しかし、アーサー・ジェンセンやチャールズ・マレーのベルカーブを引いて、人種間のIQに遺伝的な差は確かにある!と言い切った所で、それは本当なのか。様々な文献を引き、IQに限らず、心拍数やルックス、遺伝や性行為に至るまで、世間が好まぬ学説を紹介してくれる。それは真実とは言えぬ、好まれざる視点の一つに過ぎないのだが、それを踏まえた上でも、読む価値のある一冊と言えるのではないだろうか。

  • 文献が全て海外のものだったので最も日本の実例も欲しいところではあったが、世間に言ってしまうと過激派だと後ろ指を立てられそうな内容が書かれている。ただ、科学的なデータがあることなので(信じるとすればだが)根拠や理由は納得できた。
    1番参考になった項目
    「子育てや教育は子供の成長に関係ない」
    優れた遺伝子を持っていても、それが発現するかは環境によって影響される。特に、親との環境よりも友達や同世代の子供の集団内での環境が最も影響される。なぜなら、古代からの遺伝子プログラムによって、授乳を終えた子供に構ってくれない親よりも面倒を見てくれる年上の子供や同年代の集団の方が生存に重要なことを知っているからだ。だから、友達の世界で生きることが子供にとって死活問題なので、子供集団のルールと親の躾が衝突した場合、子供が親の言うことを聞くことは絶対にないのだ。そして、子供は自分のキャラを子供集団の中から選択するので、全く同じ遺伝子を持っていても集団内でのキャラが異なればちがう性格が生まれ、違う人生を歩むことになる。親ができることは、子供の持っている才能の芽を摘まないような環境を与えることだ。

  • 論理的推論能力の遺伝率68% 一般知能IQの遺伝率は77% 頭のよしあしは7-8割は遺伝で説明できる

    統合失調症の遺伝率は8割

    身長の遺伝率が66% 体重の遺伝率は74%

    サイコパスの遺伝率は81% 環境の影響は2割弱 環境は子育てでなくはなく、友達関係のような非共有環境の影響

    よくある誤解は、遺伝率を個々のかくりつでと取り違えること

    相関関係があるからといって因果関係があるとは限らない

    ユダヤ アシュケナージ系ユダヤ人だけ知能が高い
    アシュケナージはドイツのという意味 ライン川沿いのユダヤ人コミュニティを発祥とする
    ユダヤ人差別 キリスト教では禁忌とされていた金貸しで生計をたてざろうえなかった

    セロトニン 幸福ホルモン
    セロトニンを運搬するトランスポータ遺伝子
    伝達能力が高いL型 伝達能力が低いS型
    その組み合わせで LL LS SS
    日本人の7割がSS型
    不安感がつよく将来に備えようとする

    アメリカの経済格差は知能の格差

    貧困女子の3つの障害 精神障害、発達障害、知的障害
    社会資本(家族や友人)も金融資本(貯金)もほとんどもっていないので、人的資本(仕事)を失うとあっというまに社会の最底辺に陥る

    風俗がセーフティーネット

    風俗市場の縮小

    セックスのデフレ化 コンビニ、居酒屋の店員、介護職員と給与がかわらない


    知識社会とは、知能の高い人が知能の低い人間を搾取する社会のことなのだ

    心拍の低さ
     怖れの欠如、共感の低さ、刺激の追求

  • 3年前に話題になった本です。不愉快になる内容ということですが、それほどでもないです。文化人類学、生物進化、脳科学、心理学に興味のある人であれば既知の内容が多いのではないかと思うわけです。
    人種による知能差は、遺伝なのか環境なのか?
    黒人のIQについて本の中で前半は遺伝、後半はグループ内における同調圧力(白人みたいに勉強しないのが黒人だ!)という環境という論を展開しており、結論としてはよく分からんということになってしまっています。犯罪者、サイコパスの遺伝についてはすでに多くの本で書かれていますので目新しくないです。
    で、遺伝的犯罪者を防止するため10歳からの脳検査の義務付けとか、デストピアっぽいけど、それでみんなが幸せになれる社会の話は創作としては面白いろいです。
    極端な意見を紹介していますが、著者は普通の常識的な考えの持ち主かなーーと思うのです。社会に受け入れられない意見ということを分かって淡々とそれを紹介しているだけで、「そうすべき」というべき論はないです。
    また、最後には人間進化と作り上げた社会の齟齬によって生じる不幸がある社会が、犯罪も減って、戦争も以前より少なくなって「ましな世界」になりつつあると肯定しています。今の社会を肯定してるのです。
    タイトルを含め、インパクトのある内容で、商業的な成功を狙った作品かなーと感じさせます。作者の正気、常識を感じさせる作品になっていると感じました。
    ただ、知能については、著者も定義が難しいとしながらもIQを使っている。
    ところどころに、現代社会の規範、社会の中で武器となる能力を「知能」として判定しているという感じは漏れている。その社会の中で武器となる知能なので、高ければ成功する可能性が高いのだけども。

    ジャレド・ダイアモンドが著書で書いているようにニューギニアの原住民の知能の方が、日々生きる厳しさを味わっている分、安全な現代社会の人間よりある意味知能が高いと書いてあったのを思い出した。知能の指標というか、武器になるかどうかは、その社会のあり方によるのだよなーー

  • 人生は遺伝によって決まることが多いという内容の本。
    そうかもねと思うことも多いけど、自分と親で性格が似ていると思うことが少ないから、いまいち実感はわかない(顔と鼻炎は遺伝した)
    遺伝以外だと、親よりも友達付き合いの方が性格を決定づけることが多いのだとか。そういうもんなのか。自分は昔から友だち少なかったから、これもあまり実感がわかない。
    よく分からないのが「遺伝率」という言葉。「身長の遺伝率66%」というのは、背が高い親の子どもは66%の確率で背が高くなるという意味ではなく、子どもの身長については66%が遺伝で決まる(説明できる)ということらしい。ようは、背の低い親から生まれた子供でも、残りの34%の要因を行うことで、環境次第で背の高い子になるということなのだろうか。いや、それだとこの本の主旨にあわないか。ちょっとまだ理解できていないかもしれない。
    なお、心拍数の低い人と、反社会的・攻撃的な人には相関関係があるらしい。心拍数が低い人を監視することで、犯罪を減らせる可能性があるということかな。このへんは監視社会といわれて問題視する人も多いだろうけど、犯罪が減るならある程度、そういう推測によっての監視も必要になってくるのもありかもなと思った。
    なお、人は「幼年時代を共有した異性には性的関心を抱かない」らしい。幼馴染同時で結婚することは少ないと聞いたことがあるけど、ある種の本能みたなものなのか。

  • 現実社会で生きていくためには秩序を乱すことに対する抑止力を持ったルールが必要だ。
    「言ってはいけない」が、社会生活する上で認識しておいたほうが良いと思う。
    共感することは多い。ただし、これが100%真実なんだと洗脳されもしない。
    データも納得性を増すために都合のいいものが選択されているということを忘れずに!

  • 世間的には『言ってはいけない』ことと言われているかもしれないけれども、私のなかでは、「世の中とはこういう原理で成り立っている」のだよという既知の了解の話しでもあった。
    具体的な遺伝学的な実証データや参照例は、確かに驚かせれものであったり、極端なデータの一部を切り取ったのではないかと疑いたくなるものもあったけど、この本の世界で描かれていることは厳しくも映るが世の中の掟であるのだというこたは、科学が徐々に明らかにしてきている。
    ただ、人間がこの世の中で繁栄するためにはそれでは酷だから物語を作り、神を想像した。そして希望という概念を創造し、共有した。
    それでも、物語では覆い隠しきれない掟の一部はつねに現実の生として付きまとってくる。
    「見えないフリをするのはもうやめよう!」
    「都合よく脚色された世の中に閉じ籠もってはいけない。」と気づかさせる本でもある。

  • 人類進化論の視点で、研究データをもとにした遺伝と環境における社会的な影響について書かれている。馬鹿や犯罪は遺伝するのか、親の収入と子供の学歴の関係など知能格差についてや、美人とブスの経済的格差、人種や性についても触れており、幅広く詳細且つ明瞭で素人にも分かりやすい。「分かりやすい」が「抵抗無く受け入れられる」内容かは個人により異なると思う。著者自身そこは前提とし、オブラートに包めない内容だからこそ文体に気を配っている印象。冒頭から「最初に断っておくが、これは不愉快な本だ」とあり、本文にも幾度となく「不愉快に思うひとがいるかもしれないが」「抵抗があるかもしれないが」といった記述が多い。もしも実際に公的な場所で著名人が話したり、教育の場で親や教師が話すとバッシングを受けるような「社会的タブー」とされる内容が大半を占めている。けれども個人的にはとても興味深い話ばかりで全く抵抗無く、寧ろとても楽しめたし納得できた点も多々あった。軽々しく人に「言ってはいけない」ことだからこそ、多くの人に読んで欲しいと思えた。

全474件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年生まれ。作家。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎)でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と称された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラーに。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)で2017年新書大賞受賞。近著に『上級国民/下級国民』(小学館新書)、『2億円と専業主婦』(マガジンハウス)、『人生は攻略できる』(ポプラ社)、『女と男 なぜわかりあえないのか』(文春新書)など

「2020年 『マンガ 投資のことはなにもわかりませんが、 素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください』 で使われていた紹介文から引用しています。」

橘玲の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
メンタリストDa...
又吉 直樹
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×