「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334044220

感想・レビュー・書評

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  • お母さん、の連呼は少ししんどかったです

  • タイトル&見出しに惹かれて読んでみたが、正直内容の薄さ&チグハグさに苛立ちを覚え、最後まで読み終えるのに苦痛を感じた。

    データを元に結婚・出産・子育て・離婚について述べているが、主観的意見をサポートするデータの羅列が多くみらた。多角的な視点に欠けており、都合良いデータ&支離滅裂なデータ情報が散見された。

    あまりにこの本で紹介されてる内容が一般的な意見ばかり、しかも、この意見がどれだけ合っているかを証明することに意義がある、と説明しているが、内容が薄すぎて説得力に欠ける。
    持論がいかに正しいかを周りに知らしめたいだけのように感じた。

    また一部の内容において、政府の政策を擁護するかのような内容の箇所がみられたり、結論のなくデータを羅列しして箇所が多く散見されたため、この本は著者の自己満との印象が強い。

    正直偏見に満ちた内容との印象が強い。

    本のタイトルから期待した内容のが全くみられず、ひさしぶりに非常に残念な本だった。

  • 内容自体はとても興味深い。本当に因果関係なのか、単なる相関関係を恣意的に解釈しているのかが全ての根幹。プライバシーや生活の多様性があるのでこれ以上の追加調査は困難だろう。

  • 男性の20%、女性の10%が50歳時点で未婚。
    結婚の目的は、費用の節約と分業の利益とリスクの分かち合い。
    子供の費用が大きくなったことと分業の利益が下がっていることが未婚率上昇の理由。
    結婚は似た者同士が多い。
    日本は世界2位の低出生体重児が多い国。未熟児を救えるようになったから。
    帝王切開は子供にも悪影響がある。細菌や微生物をもらえない、物理的圧力を受けられない、遺伝子に変化、など。
    母乳は健康面でメリットがあるが、そのほかははっきりしない。

    育児休業制度は雇用保障と給付金。失業保険から支払われる。
    あまりに長い育休は逆効果。
    アメリカは育休後進国だが、人材確保策として、企業が実施。
    中小企業には両立支援等助成金がある。
    長いとスキルも労働習慣も失われる。
    子供がお母さんと一緒に過ごした期間は、子供の将来には影響がない。しっかしした保育士が育てても同じ。
    北欧では7割りのパパが育休を取得する。
    日本は制度では育休先進国。
    ノルウェーは給料と同額の給付金。それでも当初は珍しかった。法律で4週をお父さんに割り当てた。
    ボーナス分は補填がない。
    育休は伝染する。
    お父さんが育休をとるとその後の子育て時間も伸びる。

    幼児教育は知能をつけるというよりは社会情緒的能力が上がる。その結果、周囲とうまくやる能力が身に付き、将来成功する確率が高い。
    生涯所得の上昇だけでなく、犯罪の減少などで幼児教育から受ける恩恵は社会全体に及ぶ。

    体罰は、自分の問題や葛藤を暴力で解決していいという謝ったメッセージを伝える。
    保育園無償可より待機児童解消が先。

    3組に一組が離婚、は結婚が減っているので分母が小さくなったせいで数字がそうなるだけ。
    離婚しやすくなるとDVが減る。
    離婚しにくくするのではなくその後のフォローが大事。
    離婚よりその後の貧困が子供に悪影響を及ぼす。
    共同親権は離婚後の子供にとって必要。養育費の受け取り率が上昇した。離婚後の男性の自殺率が下がった。

  • 結婚、出産、子育てにまつわる事柄について、データに基づく、経済学をはじめとしたさまざまな科学的研究成果をもとに、家族がより「幸せ」になるためのヒントを紹介。
    マッチングサイトのデータ分析、出生体重の影響、母乳神話の虚実、育休制度の政策評価など、本書で紹介されている結婚や子育てについてのデータに基づく最新の研究成果は、どれも興味深いものだった。また、育休に伴う給付金の充実よりも保育園の充実のほうが重要、幼児教育・保育無償化よりも待機児童解消が急務といった有益な政策的含意も多かった。
    本書で紹介されている研究成果のほとんどは海外の事例を分析したものであり、日本と同様と考えていいのか確信が持てないという点で少し物足りなさもあったが、その背景には日本のデータが質量ともに劣っているという現状があるという。的確な政策立案のためにも、統計調査や社会科学分野での実証的研究の充実が重要だということを感じさせられた。

  • 経済学、とタイトルにあるけど、多くは統計学的な話の紹介に留まっているの印象。
    アウトリーチ、として広く一般の方々に興味を持ってもらうことが主目的なのだろうか、と思う。

    何にせよ、相関関係と因果関係の違い、他の要素の見落とし、には気をつけていきたいと思う。
    あんまり、そこら辺を厳密に議論したがると、普通は煙たがられてしまうけど。
    自分の直感にこだわる人たちは多くて、それに統計的な検証をあてはめても、嫌がるばかりで益のないことも多そう。「偉い」人に多いかも。
    「理屈は好悪の奴隷」だから、「偉い」人の直感を補強できる素材探しと編集作業が「分析」になりかねないし。

    ところで。
    幸せって難しいな、とつくづつ思う。
    家庭を、家族を、大切にしたいと思う。
    この本の感想ではないけど。

  • 働く一児の母です。私自身は育児休暇を1年とり、今は保育園に預けています。
    特に保育園に預けていることは子どもに"悪いこと"をしているのではないか、本当は親が面倒を見るのが子供にとって"良いこと"なのでは?という思いをずっと抱えています。
    この"悪いこと""良いこと"がデータで分かり、少し心のわだかまりがとれたと思います。
    客観的な視点で出産、子育てを考えるきっかけをもらいました。
    思い込みのアドバイスが多い出産、子育ての世界をデータ分析から解き明かす試みはとても興味深いです。全ての人が自分の意思で最善の選択肢ができる世の中になることを願っています。

  • 結婚、出産、子育て、離婚、、、といった分野は、経済学とは程遠い分野だと感じる人もいるかもしれませんが、家庭のなかの身近なもんだいについても、経済学的なアプローチ、つまりいろんなデータを使って科学的・統計学的にみていくことで、客観的で冷静な評価ができるようになります。直感的には「家族のため」になりそうな「3年育休」も、実はあまり効果がなかったりとか、「母乳で育てるべき」という考え方もそこまでのエビデンスはないようです。家族の幸せは主観的かつ個別事情になりがちですが、一般的に見るとどうなの?という疑問に一定の答えを出してくれる本です。

  • 結婚・出産・子育てについて、統計をもとに、何が幸福につながるかを分析した本。経済学というタイトルだけど、「興味深い統計分析」という印象です。ちょうど同時進行で「論理的思考力を育てる三角ロジック」という本を読んでいたのですが、まさにこの手法で、まず統計によって「根拠」を示し、そこに多角的な分析を加えて「理由」を述べ、だから・・・・・が幸福度を高める可能性があるという「主張」を組み立てており、わかりやすいです。
    新書を選ぶときは目次を見て興味を持って買うのですが、私が興味を持ったのは「赤ちゃんの出生時の体重がその後の人生に影響があるか?」という項目や、育児休暇制度の是非に関わる項目です。日本では「小さく産んで大きく育てる」などと、出生時は赤ちゃんが大きすぎない方が良いような情報が出回っているけれど、出生時の体重が大きい方が、その後、大人になったときに健康だったり、IQが高かったり、所得が高かったりするデータがあるそうです。なんとびっくり。あと母乳育児の良さなども検証しているけれど、さまざまな立場の女性に配慮しながら書かれていて良かった。
    私は職場で絶賛、「働き方改革」実践中なので、育休の取り方のデータにも非常に興味があったのですが、著者の結論では育休は3年は長過ぎ(必要ない)、1年がベスト、ということでした。根拠となるデータにも理由にも文句はないけれど、あくまでも子どもを一人しか持たない場合のことしか考えてないところが突っ込みどころです。(著者の経験を踏まえて書いてある部分もあるのですが、著者もお子さんは一人のようです)。女性が教育を受けて社会に出て、キャリアを積んだ後結婚して子どもを産み、一年間の育児休暇を経てそれまでのキャリアに大きな影響が出ないうちに復帰し、また二人目、三人目の子どもをのぞむということは想定されていないようで、それが残念。
    女性(母親)の学歴と子どもの発達との関係など、ちょっときわどい統計もありますが、非常に興味深く意義のある内容でした。

  • この手の話題がめちゃくちゃ好きなはずなんだけど、斜め読みで終了。
    なぜか引き付けられない。

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著者プロフィール

東京大学大学院経済学研究科教授

「2021年 『子育て支援の経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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