- Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751692
感想・レビュー・書評
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【日本に一度も来たことない/アメリカ人女性による/70年近くも前に書かれた】本のはずなのに、「あーね」「分かるわー」「それな」連発。参りました。笑
少し前の「そのツイート玄関に貼れますか?」事案もそうだが、表面は変われど本質は変わってないんだろうな、日本人って。ベネディクトさんまじ慧眼。 -
日本に来たことがないだけあって、ややまとはずれな点もあるが、なんとも日本人の特質をとらえている。
分別をわきまえる文化を世界に広めようとした結果があの戦争だとするのは大変興味深い。終戦についても、明治維新についても、変わらない日本人の根っこのようなものをとらまえて分析している。表面的には右から左への転向にみえても、何かに狂信的なほど従うという国民性は変わらないという日本人だけでは気がつかない日本人のおかしさがきちんと描かれている。 -
名著として読む価値はあると思います。学生時代に読んだときは挫折してしまいましたが、改めて読むと「菊」と「刀」にはそういう意味が込められていたのかと感心。日本人として疑問に思う箇所は多々ありましたが、滞日経験なくこれだけの考察をまとめ上げたのはすごいです。禅の「公案」による悟り(p387~)は初めて知って興味深かった。
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日本人論の古典的作品として有名な本書、学生時代に読んでみた時には翻訳が難解すぎて、数ページ読んだだけであっけなく挫折。新訳書が出ていることを知り、ウン十年ぶりに再挑戦したら、読みやすかった。
もっとステレオタイプな日本人論が展開されているのかと勝手に思っていたが、日本人の行いや心理への目のつけどころが鋭く洞察が深い。特に、日本人自身も明瞭に説明しずらい天皇制についての考察は興味深い。
戦後生まれの世代には、名実ともに「古典」となってしまっている日本人の習わしも分析されているが、子供の頃の昔話を聞いているような懐かしさがある。 -
すごく精緻な日本人の分析だった。日本人あるあるネタもあるし、自分が考える所以となった背景が分析されていたのはすごく興味深かった。
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昔からこの著書のことは知っていたが「日本語の論理」(外山滋比古氏)に書かれていたので読んでみたいと思った。訳者泣かせの難解な部分があり、途中何度も読みずらいと感じた。しかし、これを超える優れた日本論はなかなか現れないというのはうなずける。学問的裏づけ、方法論をもった著書である。題名の「菊」と「刀」の意味がわかるのは終盤である。読者それぞれが自分のイメージをもって読むと面白いかもしれない。マッカーサーと天皇の話にもふれられていて、戦後処理を知る上でも興味深い。
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下層だった商人の台頭で封建社会のヒエラルキーが崩れても、商人組織で成り立つ企業の中は結局年功序列の階層社会。
自由と平等に憧れながらも階層社会に安定感を見出だす日本人。
平重盛いわく「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」
忠臣蔵では主君への義理を仇討ちで果たし、自ら命を絶つことで幕府への忠をも示した。
二者択一でシンプルな答えを出すのではなく、両者その身に抱え込んで生きるのが日本人。
来日したことなくても優秀なスタッフがいるだけで、こんなにもまとめられるものかね。
賛否両論ある日本人論らしいが、70年近く前でこのクオリティならいいんじゃないすかね。