コンサルティングとは何か (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569796192

感想・レビュー・書評

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  • 働き始めて早1年が経つ。

    コンサルティングの仕事とは何であって、何でないのかを堀さんが説く。
    働いたからこそ実感できることも多々ある。

    しかし、その実態はよく分からないというのが多くの人の感想ではないか。
    もし間違った認識から「コンサル不要」と結論づけられてしまうのは残念だ。

    曰く、「コンサルタントは答えのない問に対して"考える"ことに対して対価を受け取る。そしてそれを主張するためにに分析した結果を表、グラフを作成し、クライアントを"動いてもらう"仕事」

    コンサルティングって何?その業界で働いたことないのに何ができるの?という方、コンサルになりたいという方におすすめです。

    最近、何を売りにするコンサルタントになるのかという問いに対して思いを巡らせている。「機能する組織への再編とチェンマネ」や「異業種同士のシナジー」など漠然と今後ニーズがあるであろう分野はあるが…まだ分からないことが多い。
    この問いに対する答えなくしてマネジャー以上になることはないのだろうと思っている。

  • 様々なコンサルティング経験が書かれていて面白い。BCGでホンダ、第一生命、JALなど多くの案件に関わってこられた話はとても面白い。

    戦略コンサルだけが真のコンサルだという強い自負と、真摯に取り組まれてきた姿が見えるようで面白かった。

    私も、戦略コンサルをやりたいと思っている。プロとしてのあくなき探究心と議論で深めていく場に入りたいと思った。社員(もちろん株主も)を大切にし、会社の方針に迷っている経営層と真剣に考えて、次の一歩を決める。そして、結果が出る、そういった勝負をしていきたい。

  • 全体としては、経営コンサルティングとはどんな仕事なのか、その過酷さややりがいなどをコンサルタントを目指す人(やコンサルを受ける経営者)に向けて書いているんだと思う。
    備忘のためにフレーズをいくつか記録しておこう。

    ホンダの経営学とは「ビジネスとは勝負事だ」という考え方に尽きる。勝負事である以上、喧嘩と同じでやるからには勝たねばならない。勝てない喧嘩はやってはいけない。勝つためには多少の出血を覚悟せねばならない。出血や骨折が怖いなら喧嘩をしてはいけない。

    企業にはマーケティング部門があって、市場のニーズや動向を調査してはいるだろう。だが多くの場合、企業はユーザーのことを分かっていない。特に市場が急激に変化しているときが顕著で、ユーザーの変化に全く気がついていないことが多い。これは、企業とエンドユーザーの間に問屋や卸、小売店が入っているのが通例で、企業が思うユーザーと実態としてのユーザー像には大きな開きが出る。

    限られた時間の中で最大限の情報を引き出すために必要なことは、何よりも事前準備である。具体的には「何が問題か」という「仮説」を立てておくことだ。「この仮説を検証するには誰と誰に話を聞けば良いか」が見えてくる。この繰り返しで、徐々に真の問題が明らかになってくる。

    コンサルタントは「あるべき論」を語るな。コンサルタントがよりどころとすべきは、あくまで事実だけだ。事実に基づいて論理によって物事を設計するのが本分である。新鮮な事実を発掘してそれを論理に落としていくのがコンサルタントに最も求められていることだ。

    コンサルタントはどのように育っていくのか、といえば、これはもう実践で鍛えるしかない。真剣勝負の場で実践の経験を積んでこそ、初めて能力を身につけることができる。理屈だけを学んで使えるような代物ではないし、稽古でも身につけることは難しい。演習プロジェクトなどみえみえの練習試合をいくら続けても現場で通用する力はつかない。

    現場を知らなければコンサルティングの仕事は成立しない。とにかく現場の人に張り付いて一緒に行動することが一番良い。現場を自分の目で見て自分の耳で聞くと、必ず何かを見つけられるものだ。優秀なセールス、標準的なセールス、成績の悪いセールスに二日間ずつついて回るだけでそれぞれのよしあしの理由がすぐに分かった。

  • ただ儲けるコンサルではく、日本を良くしていきい、という著者の思いがつまった本ではないだろうか。

    ■読書メモ
    コンサルにとって大事なことは、何が問題かを見極め、現場を徹底的に観察し、問題に対する因果関係を見いだすこと。因果関係を見いだす際は、x,yの2軸グラフで表すことを念頭におく。

    ■印象に残ったフレーズ
    ・政策×戦略×技術の三位一体モデルによるコンサルティング
    ・コンサルティングは考える事で対価を得る仕事
    ・理論をもとに仮説を出し、経験をベースに本質に迫るのがコンサルタント

    ■自分の感想
    今までコンサルってどんな仕事?と言う質問に答えられなかったけど、この本で得たことと、自分の経験を踏まえれば自分なりのコンサル像を語れるようになれる。

  • 著者のコンサルタントとしての30年間の経歴について書かれており、ある意味まさにタイトル通りの内容。
    コンサルタントを志望する新卒や20代の人は一読の価値あるかも。

  • ★戦略コンサルティング4つの意義
    ①企業は往々にして、顧客を把握できていない
    ②過去の成功体験が発展を阻害する
    →企業は往々にして、プロの常識に縛られてしまっている。
    ③因果関係を徹底的に追求できる。
    →過去に売れた商品と売れなかった商品をリストアップして、そこから売れた理由、売れなかった理由を分析したりグラフを描いてアンケート結果の相関関係を捉えたり。。
    「売れてる商品◯個と逆に売れてない商品◯個を見せてください」「トップセールスとダメセールスを各二人紹介してください」→その因果関係を分析し共通点を分析する
    ④戦略立案には技術と経験が必要
    →未来は過去の延長線にない。また、論理力もかかせない。
    未来の変化をよむ力、鍛えあげられた論理力が企業を大きく成長させる
    ★コンサルティングはインタビューに始まる
    →問題解決のヒントはズレにあり!
    各階層や各部門間での、現状認識のズレ。→事実関係を把握。
    限られた時間で最大限の情報を引き出すには仮説が必要。
    誰に話を聞くべきかという絞り込みができる。
    ★事実!事実!事実!
    ★スライド作成→クリスタライゼーション(結晶化
    一枚あたり五行まで
    一行あたり十五文字まで
    周りの反応を見ながら話を進められれば一流
    ★コンサルが生き残るための条件→地頭のよさ、素直さ、努力家かどうか、打たれ強さ、運
    ★コンサルタントは子どもであれ!?
    ★徹底した現場主義がすべての基本
    ★コンサルティングの三つの喜び
    ①限られた時間のなかで、クライアントに納得してもらえるような戦略の論理を構築できたとき。創造的な行為
    ②コンサルティングの価値を認めてもらったとき
    ③提案した戦略をクライアントが実行して成果が数字にあらわれたとき

  • <読んだ日>
    110507

    <概要>
    “経営コンサルティング”の歴史・提供価値、および“経営コンサルタント”に必用な資質等、タイトル通り「コンサルティングとは何か」について堀紘一が語っている本。世に氾濫しているコンサルティングという言葉と、真の“経営コンサルティング”の違いについても言及している。

    <感想>
    若干BCG贔屓が感じられるものの、“経営コンサルティング”が何たるかが明確にわかるのが面白い。この本を読むと、軽々しくコンサルタントと名乗れなくなる自称コンサルタントも多いのでは。

    <印象に残ったことが>
    ・「何が問題なのか」が最大の問題である
    ・コンサルタントとはビジネスの世界における傭兵である

    <行き先>
    本棚

  • イメージでコンサルタントはかっこいいと思っていた。給料もいいと思っていた。しかし、実態は仕事料に対して、給料は安く激務。それはまるで、日本の研修医に近いものがあるとのこと…。一方で、やりがいとロマンを感じさせ、ステレオタイプな自分のコンサルタントへの価値観を代えた本。

  • 内容はタイトルの通り。
    コンサルタントの方は是非読みましょう。

    まず、よくあるコンサルに対してのネガティブなイメージを否定してくれます。
    「机上の空論だ」「経営をやったことが無い人がコンサルティングなどできるわけない・・・」などなど。

    一方で本当のコンサルタントは「戦略コンサルタント」のみと、厳しいお言葉も。

    あまり目にすることの少ない企業名を挙げた実務の話やコンサルタントの料金の話もおもしろい。(BCGを最初に使った企業がとっても意外でした)

    【メモ】
    -コンサルタンとしてあればかなりの確率でものになるもの-
    ①地頭の良さ
    ②素直さ
    ③努力家
    ④打たれ強さ
    ⑤運

  • キーワードがわかればかなりの通です。成功の復讐 ヘンデルとズレーテル

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著者プロフィール

ドリームインキュベータ会長

「2017年 『戦略の本質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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