- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635140140
感想・レビュー・書評
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登山はしないし、これからする予定もありません。克明な記録に心の底から恐怖を感じました。全ての登山者がこの本を読むべきだと思います。自分の身は自分で守る、それに尽きる気がします。
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事故報告書を元にして書かれてる部分があり、目新しさはなかった。
内容(「BOOK」データベースより)
2009年7月16日、大雪山系・トムラウシ山で18人のツアー登山者のうち8人が死亡するという夏山史上最悪の遭難事故が起きた。暴風雨に打たれ、力尽きて次々と倒れていく登山者、統制がとれず必死の下山を試みる登山者で、現場は衆らの様相を呈していた。
1年の時を経て、同行ガイドの1人が初めて証言。真夏でも発症する低体温症の恐怖が明らかにされ、世間を騒然とさせたトムラウシ山遭難の真相に迫る。 -
【登山関連書】
2009年7月に北海道のトムラウシ山で起きた遭難事故。
ツアー登山に参加したツアー客とガイド・8名が、真夏にもかかわらず低体温症で亡くなるという事故だった。
本書は、生き残った当事者からの聞き取り調査を元に、事故当時がどういう状況だったのか、どういう過程で事故が起きたのかが詳細に書かれている。
また、気象遭難に関するレポート、医師による低体温症についてのレポート、運動生理学についてのレポートと専門的なレポートも収録されている。
山登りをするなら一度は読んでおくべき一書だと思う。
事故状況を詳細に知るだけでも山での危機管理の助けになる。
天候が変わったときに取るべき行動、低体温症の初期症状、生死を分けた原因、そういうのを知ってるだけでも、もし自分が似たような状況に陥ったときに正しい選択ができるんじゃないだろうか。 -
命をつないだ生存者の証言をもとに事故の流れを再構成。震えが襲う悲しい実話に、明け方うなされて眼が覚めました。低体温症の恐ろしさ。自分では気がつかないまま、早く下山せねば、と焦る足がもつれだし、どんどん症状が悪化していく。いつの間にか携帯で助けを呼ぶことも難しくなっている。文字を追うだけの私ですら感じる、身に迫る寒気。どうしようもない無力感。犠牲者の方に安らかな眠りを。
本の後半部分では事故の検証が続きます。事故の際の天候やガイドの判断について、低体温症とは身体に何がおこっていたのか。ツアー登山の問題とは。
生存者の「重ね着をさせるなどガイドが指示を出すべきだった」という証言に対する違和感にも、一応の答えが書かれています。新聞や文字の上だけではわからない。そんな当たり前のことをあらためて感じ、自分を諌めました。私は大丈夫、そう思ってる自分こそ危ない。
楽しい本ではありません。
が、一人でも多くの山好きの方に読んでもらいたいです。 -
この本を読んで、ツアー客、ガイド、ツアー会社それぞれに問題はあるんだろうと感じたが、
最近この会社がまた事故を引き起こしたことを考えると、
やはりこの会社に問題があると思わざるを得ない。
この羽根田さんの山の遭難関係の本はどれもとても良いと思う。
この本に関しては遭難のことだけではなく、低体温症や登山における
運動生理学のことも大変参考になる。 -
たまたまこの本を読んだ後に、中国の万里の長城の遭難があってびっくり!
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何が起こったのかはこの本に詳しい。
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今年の抱負②:通勤読書の29冊目を読み終わりました。
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亡くなった人には気の毒だけど、そもそも人里のルールは通用しない世界であり、死ぬこともあると思って行くべきなんだろうなと思う。他人の世話して死んだガイドが一番気の毒に感じるかも…(´Д` )
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低体温症というものは夏山登山でもなるということ。
その人の疲労度と体力、補給、雨、風などが重なると発症するらしい。
そんな山は登らないけど、
冬も近所の山に登るし、万が一ころんで足をけがして沢に落ちて動けなくなったりしたらなる可能性はあるでしょう。
そう言う注意点が実際に起こった死亡事故を検証しつつ、
危険は身近に有るという事を換気されているドキュメンタリーです。
どんな場合も備えあれば憂い無し。
気をつけましょう。