あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 (ハルキ文庫 た 19-22 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442848

感想・レビュー・書評

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  • 幼くして親を亡くし、女中奉公に出た少女が、奉公先の店で商売の才覚を認められ、様々な困難にあいながらも、驕らず、腐らず、真摯に知恵を絞ってどんどん店の評判を上げていく。『みをつくし料理帖』の呉服屋バージョン。
    あれこれ波乱は怒っても、そこは高田郁さんだもの、ハッピーエンドに決まってるよね、と、安心して読める上に面白い!最高の娯楽小説だと思います。

  • 前作迄でも、類い稀なる商いの才に恵まれた五鈴屋の店主、幸による発想、行動、施策の数々は、現代の企業経営、事業運営においても必要なマーケティングのセオリー通りと感心させられて来たが、本作では、特に人との縁を大切にするところから強力な協力者を惹きつけていくという正に求心力の働く理想的リーダーに近づいている様が描かれていると感じる。
    ・「私たちが売り手として大事に思うことと、お客様が買い手として大事に思うことは、必ずしも同じではないのです」
    とか
    ・「ご寮さんは、物の見方や目ぇの付け所が私らと違うさかいに」
    などなど、印象的描写は数知れず。

    謂わばそんなサクセスストーリーが、例えば「月の出は早く、半分ほど柔らかに身を欠いた月が、陽と対になって天に在った。姉妹してそれを愛でつつ、広小路へと続く通りまで辿り着く。」なんていう江戸情緒感じさせる描写の本シリーズの世界は、時折り浸りたくなるものがあるなぁ。

  • 久しぶりのホッコリした終わり方
    最後、富五郎さんから智ぼんさんの名前が出てくるのも良かった

  • 自分の仕事への関わり方をすごい考え直す日々です。まだまだ続きます。ほんまええ話です。

  • 個人的には、お竹どんの大活躍が嬉しい( ◠‿◠ )お竹どん、大好き。身分に関わらず、性別問わず、有能な人材を活かせるかどうかはリーダー次第。これは時代に関係ないんだと痛感。このシリーズ、管理職向けのマネジメント本に分類されてもいいんじゃないでしょうか笑。

  • 2019年8月ハルキ文庫刊。書下ろし。シリーズ7作目。あれよあれよと江戸店での商いを展開する幸たちにわくわくします。

  • シリーズ第七弾。

    五鈴屋江戸店の面々が「買うての幸い、売っての幸せ」を目指し、一丸となって取り組む姿が清々しく、気持が良いです。
    それだけに、着々と実を結びつつある展開が嬉しかったです。
    そして、今回は“縁”を感じさせる巻でした。小紋染、伊勢型紙、白子。富五郎、亀三と智蔵の縁。様々なシンクロ、巡り合わせが、素敵な繋がりを感じさせました。
    惣次の存在が、今後どう影響してくるのか気になりますが、とにかく皆が笑顔でいられるよう願うばかりです。

  • 大阪天満の呉服商「五十鈴屋」の女店主 幸の物語。
    波瀾万丈の人生を悩みながらも、持ち前の機知で乗り越えていく姿が、かっこ良い。
    この先もどうなっていくのか、ワクワク。

  • 2020.5.28完了
    江戸店になって順風満帆を字で行く印象。
    読みやすい、取り入りやすい、うまく行きやすい。
    次はなにかある。

  • 江戸店も軌道に乗りはじめ、いよいよ小紋の商いへ。
    読みながらワクワク。
    着物はもちろん食事など江戸の暮らし向きも興味深い。
    お竹どんが「鍋の底磨いて一生・・・の女衆」から抜け出ていく様子や、結の華やいだ様子に元気がもらえる。

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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