あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 (ハルキ文庫 た 19-22 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2019年8月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758442848
感想・レビュー・書評
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幼くして親を亡くし、女中奉公に出た少女が、奉公先の店で商売の才覚を認められ、様々な困難にあいながらも、驕らず、腐らず、真摯に知恵を絞ってどんどん店の評判を上げていく。『みをつくし料理帖』の呉服屋バージョン。
あれこれ波乱は怒っても、そこは高田郁さんだもの、ハッピーエンドに決まってるよね、と、安心して読める上に面白い!最高の娯楽小説だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作迄でも、類い稀なる商いの才に恵まれた五鈴屋の店主、幸による発想、行動、施策の数々は、現代の企業経営、事業運営においても必要なマーケティングのセオリー通りと感心させられて来たが、本作では、特に人との縁を大切にするところから強力な協力者を惹きつけていくという正に求心力の働く理想的リーダーに近づいている様が描かれていると感じる。
・「私たちが売り手として大事に思うことと、お客様が買い手として大事に思うことは、必ずしも同じではないのです」
とか
・「ご寮さんは、物の見方や目ぇの付け所が私らと違うさかいに」
などなど、印象的描写は数知れず。
謂わばそんなサクセスストーリーが、例えば「月の出は早く、半分ほど柔らかに身を欠いた月が、陽と対になって天に在った。姉妹してそれを愛でつつ、広小路へと続く通りまで辿り着く。」なんていう江戸情緒感じさせる描写の本シリーズの世界は、時折り浸りたくなるものがあるなぁ。 -
久しぶりのホッコリした終わり方
最後、富五郎さんから智ぼんさんの名前が出てくるのも良かった -
自分の仕事への関わり方をすごい考え直す日々です。まだまだ続きます。ほんまええ話です。
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個人的には、お竹どんの大活躍が嬉しい( ◠‿◠ )お竹どん、大好き。身分に関わらず、性別問わず、有能な人材を活かせるかどうかはリーダー次第。これは時代に関係ないんだと痛感。このシリーズ、管理職向けのマネジメント本に分類されてもいいんじゃないでしょうか笑。
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2019年8月ハルキ文庫刊。書下ろし。シリーズ7作目。あれよあれよと江戸店での商いを展開する幸たちにわくわくします。
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大阪天満の呉服商「五十鈴屋」の女店主 幸の物語。
波瀾万丈の人生を悩みながらも、持ち前の機知で乗り越えていく姿が、かっこ良い。
この先もどうなっていくのか、ワクワク。 -
2020.5.28完了
江戸店になって順風満帆を字で行く印象。
読みやすい、取り入りやすい、うまく行きやすい。
次はなにかある。 -
江戸店も軌道に乗りはじめ、いよいよ小紋の商いへ。
読みながらワクワク。
着物はもちろん食事など江戸の暮らし向きも興味深い。
お竹どんが「鍋の底磨いて一生・・・の女衆」から抜け出ていく様子や、結の華やいだ様子に元気がもらえる。