あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 (ハルキ文庫 た 19-22 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 187
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442848

感想・レビュー・書評

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  • うーん、やばい。
    高田さんの小説飽きてきた、というよりこのシリーズ飽きてきた。
    さすがに伸ばし過ぎでいろいろ新しい展開になるものの、やってることはずーっと一緒なんだから飽きない方がおかしい。
    昔友禅の型製作所で働いていたからこの巻で描写されている染めの一連の作業に懐かしさを感じたものの一気に読めるはずのものがだらだらと間をおかないと読み切れなくなってきた。
    五代目がいずれ現れるだろうなとは思っていたけどやっぱりすぎたのと、ご縁がご縁がとご縁ありきの話の流れはやり過ぎはよろしくない。もうつぎの8巻で完結することを願うばかりだ。

    あとがきの鳥の鳴き声解説はクスっと来たw

  • 木綿、絹、縮緬と素材の良さ、読本や手ぬぐいでの宣伝、そして昼夜帯、反物を見せる工夫、着こなしや帯結びを教えるサービスなどなど、現代にも通じるマーケティング。
    知恵を絞り、工夫し続ける幸だからこそ、頑固な職人も心を動かし、とびきりいい仕事をしてくれる。

    本作では、江戸でのあきないの決定打になると思われる、江戸小紋染めという成果が。型紙の素晴らしさと、染色の素晴らしさに加えて、五鈴屋の青緑色から江戸紫へと、次々に打つ手打つ手が抜かりない。
    幸は、なんだかとてつもなく完璧超人になってきた。

    商いの幸せだけでなく、ひとりの人としてのささやかな幸せは、戦国武将には与えられないのかしら…

  • 読み終えて表紙を見ると晴れがましい気持ちでいっぱいになる。
    江戸にきて本流の意味がよくわかる。
    食文化だけでなく装いにも江戸と上方の違いが随所にあっておもしろいなあ。

    このまま結と賢輔が継いで、幸は江戸店でひとかどの成功を収めて、とはきっとすんなりいかないんだろうかな~
    あんまり苦労せずみんな幸せになることを願ってるよ。

  • 7巻 碧流篇

    ネタバレあります。
    ーーー

    6巻にて赤穂浪士の討ち入りの日に江戸への出店を遂げた五鈴屋。
    無事年を越して、睦月十四日に帯結びをただで教える催しを行う。
    7巻はまさに、小さく生んで大きく育てる、地道に堅実に商いをおこない徐々にお客さんの信頼を得ていく、五鈴屋を見せてくれる。大きな出来事もなく、次の手の準備を影ながら進めていく。
    不穏な空気が漂ったものの、あのお方の影は謎のままに、逆に、幸の女名前の延長がかなってラッキー!?

    跡目にも私が激推しした人の名が出てきて、ふんふん良い流れ。あとはこの方に江戸にやってきたあの人が年上女房で万々歳になる!と勝手な予想をしてニンマリ。

    五鈴屋、白雲屋、伊勢型紙、人形浄瑠璃に歌舞伎、人が人を繋いでうまれた江戸紫の長着と羽織。
    人気の歌舞伎役者が身につける小紋となれば、その後に大フィーバーまちがいなし!!

    高田郁さんにしては穏やかな1冊だったと思っていると、最後にお竹さん同様、顔を覆って肩を振るわす昔話が…。
    こんなハレのお披露目に、愛しいあの人も空の上で満面の笑顔でしょう…泪。

  • 江戸店で奮闘する幸と五十鈴の面々。ゆっくりと前へ進んでいきます。縁によって結ばれ、渾身の傑作が作りあげられ、それが最高の舞台で披露されることになりました。智蔵の想いが伝わってくるようで、目頭が熱くなりました。大きな試練もなく心穏やかに読むことができました。大好き度❤️❤️

  • 江戸店を立ち上げスタートした幸
    無料の帯締め指南から始まり、着物を掛ける撞木を作った人、その姉、その夫と型染めの小紋に至る迄、正に 縁 で繋がっている
    極め付けが亡き夫智蔵が作っていた縁であった
    泣けてしまったなぁ・・
    妹の結も江戸に、幸の元に来た
    恋をしてるんだね(人´∀`).☆.。.
    きっと誰もが祝福してくれると思う
    幸は気づいてるのかなww

  • 江戸へ出ても地道に奢ることなく人情深く。
    幸にも高田郁さんにも感心するばかりですねぇ。
    生き方のお手本です。

  • 女性が商売をすることの難しい時代に人に恵まれて商いをする。
    嫉妬もたくさんあるだろうが。。。
    心根の美しい女性。
    本当にこんなにきれいな人がいるのだろうか。
    不幸が続くと心も汚れてしまいそうだけど。
    そんな時に、必ず助けてくれる人が現れる。
    人徳なんだな。
    BSで澪つくしの再放送を見てて、雲外蒼天。
    澪ちゃんのように、苦難を乗り越えて幸せなエンディングを読みたいな。

  • 人との繋がりを大切にしていたら、こんなふうに突然道がひらかれることもあるのかもしれない。
    今自分のことでうまくいかないこともあるけれど、負けないでいようと思います。

  • いやぁ、このシリーズも7作目なんですね。
    大阪の呉服屋五鈴屋が、とうとう東京進出を果たしました。
    東京と大阪とでは、気質が違うように帯の巻き方、好まれる着物の柄と違うことが多く、戸惑いながらも、女名前を許された7代目店主幸とそれを盛り立てるみんなの奮闘のおかげで、何とか軌道に乗り出します。
    他店と違うものをと模索するうち、武士の柄だった小紋を町民にと思い付き、型彫師、型染め師、型紙と皆の奔放のおかげで、ようやっと初の小紋地がしあがりました。
    しかし、問題は、難題は尽きず、今後の五鈴屋の跡目は?
    なんと失踪したあの人が生きていた?
    などなど、話はまだまだ続いてくれそうです。
    もうしばらく楽しめそうです。
    あ~次作が待ち遠しいです。

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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