- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766001716
感想・レビュー・書評
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佐藤雅彦という名前を初めて意識したのは爆笑問題の日本原論巻末のインタビューだった。
それから『プチ哲学』『毎月新聞』『経済ってそういうことだったのか会議』などを読み好きになった。
誰にとっても等しくある日常が見る人によっては平凡でもあるし、別の人には珍しく面白いものでもある。「面白いものは近くにある」というスタンスを貫いている姿勢がアートだと思う。反面もどかしくもある。果たして読者も楽しいのだろうか?という疑問のようなものが端々から読み取れる。
今作では作品を通してしか知ることがなかった佐藤さんの物語を言葉で知ることができる。映像作品が生まれる前のエッセンスとして読むと楽しい。
印象に残ってるのは「おまわりさん10人に聞きました」「見えない紐」「ふるいの実験」「「差」という情報」そして「その時」。
特に「ふるいの実験」はミステリー小説のようにスリリングで面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
佐藤先生のエッセイ的な何か。暮しの手帖に連載されているとは知らなかった。そもそも、暮しの手帖をほとんど読んだことがない。恐縮である。
読み終わっても、何とも感想が言いにくい。が、脳みそがシェイクされる何かがある。 -
面白い。
Eテレの人かぁ、って感じ。
好きだなぁ。 -
#79 今朝通勤で読んでいたら「差の情報」という一話でクリスマスプレゼントの小話がでた。イブの朝に思いがけず心暖まりほっこり。本のサンタさん、ありがとう。
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物語を発現する力
中田のスルーパスと芦雪
の章がおもしろい!
すべてを語らない方がより良く物語を語ることもあるんだ。
日頃の思考は枠組みから始まってるんだ。 -
おまわりさん10人に聞きました がすごくいい!地図をどこに携帯しますか?という話
その時 も震えます
震災の時の話
ロシアプチャーチン提督の船が安政の東海大地震に遭遇、戸田村にて避難生活、船の再建
戸田村には造船技術が残った
船大工上田寅吉は後に長崎へ行き勝海舟と出会い、日本造船の中心人物へ
それが作者の故郷伊豆での話 -
正のスパイラルに生きる人の羨ましさ。
本人の資質・業績があり、依頼されて書く徒然な文章で報酬が発生し、そのモチベーションでいろいろ好奇心も発想も豊かになるという。 -
どこかの雑誌の書評に上がっていて
タイトルに惹かれた。
日常の中で、何気なく視点を変えてみる事で
気づかされる事があるのだな、と。
書かれる文章の雰囲気も心地好く。
引き続き、「暮らしの手帖」で読んでおります。 -
佐藤さんの思考回路が好き。なんか「ふっ」と当たり前の日常に気付きが浮き上がるんだよね。
そして、読み進めると「夏の果て」に出てきた一軍のあの人、佐藤さんじゃんと気付いた。そういや、築地のあの会社出身だもんね。岡さんとも2歳差。ICレコーダーのイタズラがいいっ!難しいことを難しく語り過ぎない。敢えて、気付かせるためにストレートにも話過ぎない。そして、ユーモアに溢れる文章がくだらなくもあるけど、心地よいんだな。 -
引用したいことが山程、山程。
この人以上に文章力に魅力を感じたことはないはず。物事の核心より先に、輪郭を辿っていく考え方を得られた。
あぁ、これがわたしの好きな思考なのだと、改めて感じ、佐藤雅彦に恋しました。