せんそうがおわるまで、あと2分

  • 合同出版
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (58ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772615280

作品紹介・あらすじ

ジュールとジムは、同じ日に同じ村で生まれた幼なじみ。
ジュールより2分早く生まれたジムは、いつもジュールより速く、強く生きてきました。
第一次世界大戦がはじまり、2人は兵隊に行きます。
しかし戦場は壮大で輝かしいものではなく、泥まみれでみじめなものでした。
いよいよ戦争をおわらせることは決まりましたが、11月11日11時、その時までジュールとジムは戦場へ出向くことを命じられます。そして――
実際の出来事から着想を得て作られた、シンプルなメッセージが深く心に残る絵本です。

作者は『おなじ星をみあげて』(辻仁成 訳、春陽堂書店、2021年)でカナダの児童文学賞を受賞した人気作家ジャック・ゴールドスティン。軽快なタッチに比して、悲しい戦争のリアリティを伝えます。

感想・レビュー・書評

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  • あと2分で戦争が終わったのに!
    なんでぴったりになるまで戦争をやめられなかったの?
    人間って愚かだ…
    読み終わって娘が一言。「11時って決まってたんなら、その前からやめてたって良かったじゃん」
    母も全くもってその通りだと思う。

  • 終了した催し
    ケベックのBD作家ジャック・ゴールドスティンのトークショー | Institut français du Japon - Tokyo(2019/3/23)
    https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/jacquesgoldstyn190323/

    Goldstyn, Jacques - Bibliographie, BD, photo, biographie
    https://www.bedetheque.com/auteur-11722-BD-Goldstyn-Jacques.html

    【近刊】せんそうがおわるまで、あと2分 - 合同出版
    https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b622331.html

  • 原題は『ジュールとジム、戦友』

    同じ日に2分違いでカナダで生まれたジュールとジム。

    第一次世界大戦が始まり、
    「ジュールとジムは戦争のニュースを聞いても、
     ヨーロッパでなにがおこっているのか、
     さっぱりわかりませんでした。

     でも、自分たちの国であるカナダが
     自分たちを必要としていることはわかりました。
     ふたりは軍隊に入りました。」

    そして
    「命令されたら、言われたままのことをする。
     ジュールが、まず学んだことでした。」

    これが戦争の恐ろしさ。

    裏表紙の絵がせつない。

    高学年に勧めたい本です。



  • 2分の差が分ける運命。
    戦争に駆り出される末端の庶民の視点で描かれる。

    実際に戦場で戦うのは、事情を知らない庶民。まして末端は子どものような兵士。
    それを悲惨と思い、理不尽と思うなら、平和なときに声をあげるべきだ。

  • カナダで生まれた仲良しの2人、ジムとジュール。
    ジュールが生まれたのはジムの2分あと。
    ジムはなんでも先頭にたって行動し、ジュールはゆっくりと行動しました

    大人になってヨーロッパは戦火に見舞われ、イギリスの自治領だったカナダはドイツと戦争することになりました
    ひどい戦争でどちらの国の人々も疲れ切っていました

    1918年11月11日、朝5時。
    国の代表は戦争をやめることで合意しました
    でも、すぐにやめてくれればよいのに、11時に戦争を終わることにしたのです

    そして、10時58分…

    〇戦場にたっていると、なんのために戦っているかわからなくなる
    命を脅かされない権利を誰もが持っているのだ
    〇コミック調のイラストが平時と戦時中を対比させる

  • でも、その2分はとてつもなく長い

    カナダにとても仲良しの2人がいました。ジムとジュール。いつもジムより2分遅れるジュール。最後、2分は2人の人生の明暗さえも分けてしまいます。

    始めてしまったものを終わらせることの難しさ、生きて戻っても元通りには過ごせず語れない辛さ、戦争が終わっても失われた命も心も終わってしまって戻っては来ない。

    ぜひともたくさんの子どもに読んで欲しい作品です。

    #戦争がおわるまであと2分 #NetGalleyJP

  • 戦争が終わる2分前に戦死した、カナダの兵士を悼んで描かれた1冊です。
    極上の一冊。
    読み聞かせにも最適!
    学校は、買い!
    でしょう。

    2024/01/19 更新

  • 新刊案内で気になった『せんそうがおわるまで、あと2分』(ジャック・ゴールドスティン)。

    完全にタイトルで気になりました。

    「何なんだろう、その時間」と。

    読み終えた今、「くだらない時間の取り決めなんかなければジョージやジムは生きていたのに…」という事だけを思ってたかな。

    私は歴史物語を知っただけにすぎないけど、

    戦争体験者は私以上に思ってたんじゃなかろうか。

    そして今もなお思ってるんじゃなかろうか。

    先日読んだ『世界をよみとく「暦」の不思議』(中牧弘允)の中にボスニア・ヘルツェゴビナのカレンダーがどう作られているかの話があったのですが、

    本書では第一次世界大戦に関するストーリーが描かれており、

    何だか導きのようなものを感じてしまうな。

    この偶然は、世界史を勉強し直せという事なんだろうか…。

  • 戦争をすると決める人と戦地に行く人はこうも違うのか。

  • ジム、ジュール

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著者プロフィール

ジャック・ゴールドスティン Jacques Goldstyn=イラストレーター、グラフィックノベル作家
1958年、カナダ・モントリオール生まれ。
父の影響から、子どものころは毎日絵を描いていた。大学では地質学を学び、1981年に子ども向けの科学実験の本に描いたキャラクターが人気となる。その後、子ども向け月刊誌の連載のほか、多数の雑誌にも寄稿。2001年には、カナダにおける科学普及への貢献が認められ、マイケル・スミス賞を受賞。2009年と2011年には、編集イラストレーションでケベック・インディペンデント・ジャーナリズムグランプリを受賞。著作に『アルブラガン(L'Arbragan)』(未邦訳、2015年)『アザダー(Azadah)』(未邦訳、2016年)『おなじ星をみあげて』(辻仁成 訳、春陽堂書店、2021年)など多数。『おなじ星をみあげて』で「2020年TDカナダ児童文学賞」と「ケベック書店賞 ユース部門」を受賞。

「2023年 『せんそうがおわるまで、あと2分』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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