女の機嫌の直し方 (インターナショナル新書)

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680089

感想・レビュー・書評

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  • 考え方が違うわけね。

  • 黒川先生、またしてもありがとうございます。
    男女の脳はそもそも構造からして違うというお話。
    AI研究に携わる黒川先生だからこそのアプローチです。
    男女の行動の謎が脳科学の視点で鮮やかに解明されます。
    キャッチーなタイトルで敬遠する人もいるかもしれないですが。
    男も女も読んで損なし!!何度も読むべし!!

    それにしても黒川先生の息子さんが出木杉君過ぎて泣ける。
    ご両親のお話なども含め家族エピソードで何度涙ぐんだか。

  • AIの開発をしていた研究者から見て女性脳と男性脳の違いについて解説した本。女性の心理学的な本で言われている主張と大筋は同じであるが、その考察の仕方が面白かった。女性の無駄話と思える話も、その経験話の結論ではなく過程をゆっくりと共感することで他の人にもまるで経験したかのように自分の記憶の中に取り入れることができる。それによって、実際に経験していなくても、何か事象が起きたら、うまく対処できるという。これは、こどもを生む性として、自分自身や子供の命を守るために必要なことであるという。
    女性のおしゃべりは無駄だと思っていた私にとっても、不思議と説得力がある話だった。

  • スタートから時系列に沿ってプロセスを語る女性脳
    ゴールから遡る男性脳

    女性にとって検討するとは感じ尽くすこと
    男性にとって検討するとは、比較検討すること 全体をつかみ、位置関係を把握する癖

    男性も、相手の言葉の反復と同情を返すと良い

    女 腰が痛いの
    男 ☓病院へいったか?
      ◯ あー 腰がいたいのか それはつらいね

    過去時間をねぎらうこと。彼女が心を尽くしていることに気付き、ことばにしてあげる

    女性の兄弟に囲まれて育つ 共感がうまい
    相槌にはあいうえおを使え

    あーそうなの、いいね、それ、うんうん、そうなんだ、え、そうなの、お、そうきたか

    女性のモチベーションを上げようと思ったら、成果を褒めるより、経過をねぎらうと効果がある

    プロセス指向の女性のは、結果がよかったときには、そこに到るまでのプロセスから、さまざまな気付きを切り出して、正の情報として整理している

    男性脳は、ゴール指向型なので、成果主義。結果がわるかったときには、モチベーションどころか免疫力までぐっと下がっている

  • 名著。凄い。

    著者の黒川伊保子氏は人工知能の研究者。
    故に、人生経験の豊富な方が「女はこう扱え」的な話を並べるハウツー本ではない。
    女性脳と男性脳の異なる特性をベースに、悩める男性陣にヒントをくれる本。女性にも読んでもらいたい、あなた方がイラつく理由もこの本に答えがある。

    備忘録。
    ・女は共感されたい、男は問題解決したい。脳の特性がそうなっている。
    ・女性脳は、ことの発端から時系列に経緯を語りながら、そこに潜む真実を探り出している。聞き手に共感してもらいながら聞いてもらえると、この作業の質が上がる。
    ・女性脳は、怖い・辛い・ヒドイなどのストレスを受けると、そのストレス信号は男性脳の何十倍も強く働き、長く残る。何故ならば、その危険な事態を細大洩らさず記憶して、二度と同じ事態に追い込まれないため。哺乳類のメスは自己保全を最優先が必要なので、自分や子供を守る為に脳がこのように発動する。
    ・女の勘というのは、この脳の作業の賜物のようである。右脳と左脳の連携密度と頻度が男性脳に比べて圧倒的に高く、右脳で感じたコトが左脳の顕在意識に上がってきて、「なんとなく気づき、自然に行動に移す」。
    ・女性は太めの脳梁を持ち、密度の高い左右脳連携をもって自分を感じ尽くして生きている。思春期は「他人にいい子だと思ってもらえないと生きていけない」という妄想に絡め取られる。

    ・男性脳はゴール志向型で、とにかく解決すべき問題点を洗い出そうとする。
    ・女性に対していきなり結論、話の遮りはNG。とにかく共感を。
    ・男性脳には共感欲求は少ないので、女性に共感していくのは無理をすることになる。打が、無理して共感するか、共感しないで絡まれるか、どちらか二択だ。男は女に対し、程よく共感、ちょっといじるが、正解。お手本はNHKあさイチのイノッチの有働さんいじり。

    ・女性には依怙贔屓が重要。特別感。
    ・女性の機嫌を直すには真摯に謝るしかない。ただ、いきなりゴメンはNG。先ずは相手の気持ちをいたわる(待たせてしまい、寒っかったしでしょう、とか)。

  • 本当に気付きが多かった。多過ぎて何をメモしたらいいか分からないから、取り敢えず、多かったとだけ…

  •  結論から言えば「脳には性差がある」し、そもそも結論から言いたくなること自体が男性脳の特徴である。

     最近「なんで私が怒っているかわかる?」という言葉が流行った(ネットでは本当にいろいろなものが流行る)。実際よくわからないことが多いし、謝っても火に油を注ぐような事態になりがちなので、その辺のヒントでもあればと思い本書を取った。
     どうせ筆者の主観垂れ流しだろうと高をくくっていたわけだが、筆者は人工知能の研究者ということでその道のエキスパートである。なるほどこれは男性脳にも理解できる本なのではないかと期待も高まる。
     いま「男性脳」と書いたがこれは筆者自身が述べている言葉であって、本書の第一章はまるまる「脳には性差があるのか」という話である。
     男性脳は問題解決を求め、女性脳は共感を求める。もちろんこれはそうした傾向があるという話であって、身体的には男性でも女性脳的思考をする人はいるし、逆もまた然りである。

     自分用メモとして大雑把に整理しておくと、女性が共感を求めるのは子どもを含めた自衛のためであり、「怖い」という記憶を集団で共有することにより身を守るのである。一方で男性が問題解決を求めるのは、自ら根本を除去することで危険を解消しようというのである。
     女性は感情を共有することでストレスを解消する。「怖い」などのネガティブ感情だけでなく、可愛いだの嬉しいだのといったポジティブ感情でも共有することで自分の感情を客観視し、信号をリセットするのである。
     男性は「転びそうになった」とか「お花が綺麗だった」とかいうことにかまけている余裕はない。狩りなど最前線においては意識共有をしている暇などなく、生きるために必要な情報だけを拾い上げ、速やかに問題を解決しなければならないのである。

     人工知能の設計は、元々研究者の大半が男性だったこともあり、「男性脳」を基準に作られてきた。しかし「女性脳」はそもそも思考プロセスが違うため、同時に搭載することができない。コミュニケーションロボットの対話エンジンは男女脳を別々に搭載して目的によって使い分けなければならないという発想になっているらしい。
     「男性脳」「女性脳」は経験上分類されているだけではなく、脳の構造の違いもあるという。たとえばゲイの人の脳は、女性脳に近い構造を持つ傾向があるという論文がある。右脳と左脳を連携させる神経線維の束(脳梁)が、男性の方が細いという統計もある。タレントのKABA.ちゃんはいわゆるオネエ系であるが、この脳梁が男性の平均よりも10%太かったという。
     物理学者のアインシュタインも脳梁が太かったが彼はオネエでも同性愛者ではなかったということで、脳梁の太さだけが起因しているわけではないが、一応科学的な根拠もあることはあるらしいという興味深い話である。
     将棋のような体力差の関係ないゲームであっても、男性の方が圧倒的に強いらしく、参加者の男女比を考慮してもその差は歴然としているという。これももしかしたら脳の構造が影響しているのであろうか。

     第三章の「女の機嫌の直し方」という部分がまさに本題であろうが、まるで異世界を覗き込んでいるような記述であった。私も読みながら心の中で無数にクソリプを送りたい気持ちが湧き上がった。
     本の構成上、筆者は男性に向かって「女性脳を理解しよう」と呼びかけている。いやそれはわかる、理解できるものならしたいと思う。しかし大事なのは歩み寄りの姿勢ではないか。なぜこちらだけが一方的に相手を理解しなければならないのか。
     だがその「なぜこちらだけが」という思いが争いの元凶なのである。そう考えてとにかくクソリプを送りたい気持ちを押さえ込み、まずはありのままを受け入れよう、と読み進めた。たぶん日頃から女性の無理解に悩んでいる男性諸志であれば、本当に意味のわからない記述が続くだろう。たぶんそれは仕方のないことで、ごく自然なことなのである。
     一度読み終えた今に至ってもさっぱり理解できない、共感できない部分も多いが、わからなくてもすぐに解決する必要はない。まずは一緒に「わからないねえ」と言えばいいのだ。それが男女ハイブリッド脳への第一歩である。たぶん。

  • いやー、これは高校生の時とかに読めていれば、と思わざるを得ないな。

    夫婦生活において、起こる色々な諍いはかなりの部分本書で説明できることがわかりました。
    女性はそういう生き物なのでしょうがない、と書かれる一方で、男性はこういう生き物なのでしょうがない、とも書いてあり、平等です。女性の方が優れているというありがちなトーンになっていません。

    Kindleで読みましたが、良書なので書籍も買ってみました。妻にも読んでもらおう。

  •  男女の脳の違い、思考回路の違いについては2000年に出た、「話を聞かない男地図の読めない女」が嚆矢、と思っていましたが、人工知能開発の現場では1980年代から男女の脳は違う、ということがわかっていたそう。
     人間と同じような反応をするAIを開発しようとする。スパイロボットを作ろうとすると、男脳をベースにすると遠方に注意し何かを察知した時に反応するような組立になる。女脳を基にすると手近な範囲(3m)をなめるように見て不審な点に気づく。これは並立しない。一体のロボットにこの二つの回路を詰め込んでしまうとどう行動していいか即断できず立ち往生してしまう。スパイロボを開発する、というシチュエーションでは、男スパイ、女スパイの2体を開発し敵地へ送り込むというのが正解になる。007で美女を伴って危険に立ち向かうというのは実は理にかなっている。
     女性が最もなりたくないのはウルトラマンの妻(あるいは母)である。なんの縁もゆかりもない星を命がけで守りに行くなんて…ということになる。
     女性が昔の話を蒸し返すのは、「こんなことがあった」ということを言葉にして再生しその中から学びや再確認をしたい、ということ。再生は何年前の記憶でも瞬時できる。また古い記憶をよびさますことで新たな発見や反省をする。したがって、それを中断することはタブー。
     女性が脳内にある経験を総動員して選んだもの、特にひとめぼれで気に入ったものを否定してはいけない。「もうちょっとよく考えた方が」「こんな選択肢も」という話をしてしまうと女性は自分の意思を踏みにじられたように感じてしまう。
     ロボットやAI開発の現場で「人間とAIをどのように対話させるか」は大きな問題。しかし、著者が感じたのは「それ以前にあなたたち男とどう対話すればいいのか」という問題。
     女性脳が感情、過去の確認主体なのに対し、男性脳は結果、将来。男の脳はぼーっとしているときによく働く。座禅を組むのはそれを人工的に作り出すことで理にかなっているがあくまで効果があるのは男。
     男女の間には深い溝があるがお互い、これを知っていればすれ違いはかなり少なくなる。

  • ‹内容紹介より›
    なぜ女たちは思いもかけないところで不機嫌になるのか?”女の機嫌”は男にとって永遠の謎だ。
    だが、この謎は、脳科学とAI研究でいとも簡単に解き明かすことができる。女性脳は共感のため、男性脳は問題解決のためにことばを紡ぐ。だから両者はすれ違い優秀な男性脳ほど女を怒らせるのだ。
    女性脳を知り、女の機嫌の直し方がわかれば生きるのがぐっと楽になる。すべての男たちに贈る福音の書!

    ーーー
    女性=共感,男性=問題解決という話し方をする、というのは知っていましたが、「なぜ」そのような思考回路になるのか、という理由もわかりやすく説明されていて納得できました。なかでも、男児と女児の「気持ち」語りや、「お絵描き」から見る脳の発達のちがいは目からうろこでした。
    具体的な場面やたとえ話も多く、どのように接すれば相手の女性に不安感やストレスを抱かせないか、ということもよくわかります…実践できるかどうかは別として。
    男性脳と女性脳のちがい、という視点で多くの話が書かれているので、男性だけではなく女性にもぜひ読んでもらえれば、と思います。
    互いの脳の性差(思考回路の差)がわかれば、おたがいによりストレスなく過ごせるはず。

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著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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