アイデアのちから

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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822246884

感想・レビュー・書評

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  • 1

  • 9期 田畑
    叩き手と聴き手のアイスブレイクは秀逸

  • 創造的なアイディアは特別な才能を持った人が生み出すのではなく、一定の手法に基づいてそれを作ろうと努力を重ねて人が作り出すことのできるものであるということ。また、聞き手に対し、より影響を与えるために認識すべきこととしては、伝えたい情報の核は何なのかを見極めることや、情報に物語性を持たせる事が大切ということ。少し考えて思い付くだけでも、今まで読んできた良書と共通する点が多くあり、優れた書き手の考える事は共通する部分が多く見られることがわかった。
    知識として持っているだけでは生きてこないものだと思うので、日々の活動や、このインスタへの投稿などでアウトプットしていかなければいけないなと思う。

  • ”「記憶に焼きつく(=粘る:Stick)アイデアの育て方」がテーマ。ハース兄弟のまとめた六原則 SUCCESs をうまく活用することで、社外や社内にアイデアを効果的に広めるのに役立ちそう。本書冒頭の「臓器狩り」のような物語性や意外性があり感情に訴えかけることが粘りのコツ。

    シントピック・リーディングで読んだ6冊の戦略本・マーケ本の1冊。

    <実践しよう!>
    ・TF戦略説明
    ・10/5 のプレゼン

    <読書メモ>
    ・アイデアすべてに記憶に焼きつかせる値打ちがあるわけではないのだ。(p.15)

    ★記憶に焼きつくアイデアをどうやって組み立てるか(略)
     私たち兄弟(チップとダン)は、二人ともかれこれ10年間、アイデアが記憶に焼きつく仕組みを研究していることに気づいた。専門分野は違っても、「なぜ、成功するアイデアと失敗するアイデアがあるのか」という同じ疑問を追求していたのだ。(p.17)

    ・『ティッピング・ポイント』は三つの原則によって構成されている。第一原則は、少数者の法則、第三原則は、背景の力。そして第二原則の「粘りの要素」では、革新的なアイデアの中でも記憶に粘る(焼きつく)ものの方が一気に広まりやすいと説いている。『ティッピング・ポイント』が出版されたとき、チップは「記憶に粘る(焼きつく)要素」こそ、自分がアイデア市場の研究で追求している属性を完璧に言い表す言葉だと気づいた。(p.21)

    ★記憶に焼きつくアイデアの六原則【SUCCESs】 (p.23-28)
     原則1 ? 単純明快である(Simple)
     原則2 ? 意外性がある(Unexpected)
     原則3 ? 具体的である(Concrete)
     原則4 ? 信頼性がある(Credentialed)
     原則5 ? 感情に訴える(Emotional)
     原則6 ? 物語性がある(Story)

    <単純明快>
    ・ケレハーはこう答えた。
     「こう言うんだよ。『トレーシー、チキンシーザーサラダを追加すれば、当社はヒューストン?ラスベガス間で最格安航空会社になれるのかな?無敵の確約航空会社となるのに役立たないなら、チキンサラダなんて出さないよ』とね(p.45)
     #サウスウエスト航空の「核となる部分」の見きわめ方。とても Simple。

    ★大事なのは平易化ではなく、的確さと優先順位である。(p.47)

    ・デイリー・レコードの成功の理由を聞かれたアダムズは、こう答えている。
     「理由は3つ。人名、人名、とにかく人名だ」(p.65)
     #「地方紙が読まれる最大の理由は、地元の人の名前や写真を読者が見たいからだ」という核となるアイデアがあり、何よりも優先することを社内に知らせるために使った言葉。

    <意外性>
    ・コミュニケーションにおける最初の問題は、相手の関心をつかむことだ。(略)
     関心をつかむ最も基本的な方法は、パターンを破ることだ。(p.91)
     #「恋人と別れる方法は50通りもありますが、この飛行機から脱出する方法は6つしかありません…」

    ★核となるメッセージはトランジスタラジオという夢である。このメッセージに意外性をもたせるには、どうすればいいか。どうやって部下の好奇心と興味を掻き立てればいいのか。(略)
     井深が部下に提案したのは、
     「ポケットに入るラジオ」
     だった。
     (略)
     井深は、数百人の技術者に全力投球を迫る意外なアイデアによって、何年もかかる取り組みへと彼らを駆り立てたのだ。(p.132-133)

    <具体的>
    ・何かを「具体的」にするにはどうすればよいのか。五感で検証できるものは具体的だ。V8エンジンは具体的だが、「高性能」は抽象的だ。具体的であることは、つまるところ特定の人々の特定の行動である場合が多い。(略)「一流の顧客サービス」は抽象的だが、顧客のシャツにアイロンをかけるノーディーは具体的だ。(p.145)

    ・具体性をもたせるのは難しくないし、それほど努力もいらない。唯一の問題は、つい忘れてしまうことだ。私たちは自分が抽象的な物言いをしていることを、つい忘れてしまう。自分は知っていても他人は知らないということを、忘れてしまうのだ。(p.178)

    <信頼性>
    ★シナトラ・テスト
     フランク・シナトラは名曲「ニューヨーク・ニューヨーク」で、ニューヨークの街で新たな生活をはじめる心境を歌った。そのコーラスにこんな一節がある。
     「ここでうまくいけば、どこへ行ってもうまくいくさ」

    <感情>
    ・寄付金はすべてロキアという少女に贈られます。ロキアはアフリカのマリに住む7歳の少女。極貧生活を送り、深刻な飢えに脅かされています。皆様の寄付があれば、ロキアはもっとよい暮らしを… (p.227)
     #マザー・テレサの言葉「大衆を見ても私は行動しない。個人を見たときに私は行動する」

    ・いったん「分析」という帽子をかぶった人は、感情に訴えられたときの反応が変わってしまう。感じる能力がそがれてしまうのだ。(p.229)

    ★多くの人は、自分を最も動機づけるのは三番目(学習の魅力)だと答える一方で、他人を最も動機づけるのは一番目(安全)と二番目(自尊心)だろうと答える。
     つまり、たいていの人は、他人は皆マズローのピラミッドの底辺にいると思っているのだ。自分は最上階の住人だが、他人はみんな下の階の住人、というわけだ。(p.252-253)
     #これ、けっこうありがちな落とし穴。
     #だから、何かの制度を考えるとき、つい安直なインセンティブに走ってしまう。自分が対象ならどうか、という思考が必要!!

    ・「一生必要ないさ。これから先、君たちが代数を使うことはないだろう」
     (略)
     君たちが数学の問題を解くのも、論理的な思考力を高めて、よい弁護士や医者や建築家や刑務所長や親になるためだ。
     数字は頭脳の筋肉トレーニングだ。ほとんどの人にとって、数字は何らかの目的を達成するための手段であって、数字自体が目的ではない。(p.263-264)
     #「代数を学ぶ必要性」を問う生徒に対する、ある数学教師の素晴らしい回答!

    <物語性>
    ★私たちはつい物語を省いて「助言」だけを書きがちだが、その誘惑と戦うことが大切だ。(p.284)
     #大学生ジャレドが「サブウェイダイエット」で体重を驚くほど減らした物語をキャンペーンに。


    <まとめ>
    ★「話術の才能」とアイデアを記憶に焼きつける能力には、ほとんど相関性が観られない。魅力的なスピーチをした学生も、そうでない学生も、アイデアを記憶に焼きつける能力に差はなかった。(略)アイデアを多くの人の記憶に焼きつけたのは、物語を使って証明したり、感情に訴えたり、10のことを言わずに一点だけを強調した学生だった。(p.328)

    ・アイデアを聴き手の記憶に焼きつけ、後々まで役立たせるには、聴き手を次のような状態にする必要がある。
     1.関心を払う        → 意外性がある
     2.理解し、記憶する     → 具体的である
     3.同意する、あるいは信じる → 信頼性がある
     4.心にかける        → 感情に訴える
     5.そのアイデアに基いて行動できるようになる → 物語性がある
    (p.331-332)
     #p.334-336に 症状と対策の記述あり。

    ・アイデアを記憶に焼きつけるための手引き(p.341-)
     #本書の内容が思い出せる MindMap のようなキーワード集。こりゃすごい!


    <きっかけ>
     プレゼンテーションzenで紹介されていたため気になりつつも、本棚で3年間寝かしていたらしい。”

  • 自らのアイデアを相手(あるいは世間)に伝える上で意識すべき6つのポイントを示しているのだが、当たり前と言えば当たり前のことばかり。でも、この当たり前を忘れてしまっているがためにポイントを突いた表現やアピールができないというのも理解できる。
    もっと事例にのめり込みながら読めればよかったのだが、アメリカの事例ばかりで今一つピンとこないものが多かったかなという印象。
    だが、ポイントがしっかりまとめてあるので、自分なりに必要と思うキーワードを抜きだすなり、マインドマップ化するなど工夫してまとめ直すことによって、アイデアを形にする際の参考には大いになると思う。
    逆に言うと、そのような工夫がないと頭には残らないかな…

    ※個人的に印象に残ったのは、P106~107の「木曜日は休校」とP131~135のSONY・井深さんの話でした。

  • 邦題から受ける印象だと、独創的ですぐれたアイデアを生み出すための発想力や構想力について書かれた本のように思えますが、そうではありません。
    原題は"Made to Stick"、自分のアイデアを多くの人たちの頭に”くっつけさせる”、すなわち脳裏に刻み深く印象付けるためにはどうすべきか、効果的なコミュニケーションのスキル・テクニックを豊富な実例をもって教えてくれる極めて実用的な内容です。
    逆に言うと、独創的な発想力などまったく持ち合わせていない平凡な人でも、この本で提唱されるチェックリストを実践すれば、自身のアイデアを印象的で多くの人を惹きつけるものに高めることができる、というのがこの本の主張です。

    チェックリストは”SUCCES”という六文字で表されます。
     Simple「単純明快であること」
     Unexpected「意外性があること」
     Concrete「具体的であること」
     Credentialed「信頼性があること」
     Emotional「感情に訴えること」
     Story「物語性があること」

    この本に書かれていることのエッセンスは、終章のラストにダイジェスト形式でまとめられているので、そこの部分だけでも切り取って手元に置いておけば役立ちそうなんですが、それでも9ページもある。
    「核となる部分を簡潔に」というこの本の教えに従い、個人的に印象に残った部分をさらに厳選して、以下備忘のため残しておこうと思います。

    <単純明快であること>
    ・逆ピラミッド構造:新聞記事のリード。
    ・既にあるものを利用する:既存のイメージを活用。「ザボンとは要するに超大型のグレープフルーツ」。

    <意外性があること>
    ・聞き手の推測機械を打ち壊す。
    ・謎を生みだして、関心をつなぎとめる。「土星の輪は何でできているのか?」

    <具体的であること>
    ・「サドルバック・サム」:宗教団体が想定する「教会に来てほしい」詳細な人物像。

    <信頼性があること>
    ・「ダースベイダーの歯ブラシ」:細部を語ることで生まれる内在的信頼性。
    ・シナトラ・テスト:「ここでうまくいけば、どこへ行ってもうまくいくさ」

    <感情に訴えること>
    ・マザー・テレサの法則:「個人を見た時に私は行動する」
    ・マズローのピラミッド底辺部を避ける。:他人は自分より下にいるという誤った思い込み。
    ・「テキサスを怒らせるな」「テキサス人はポイ捨てをしない」:アイデンティティに訴える。
    ・「知の呪縛」:「他人も自分と同じくらい気にかけている」という思い込み。ピアノ二重奏財団の例。

    <物語性>
    ・「シミュレーションとしての物語」と「励ましとしての物語」
    ・三つの筋書:「挑戦」「絆」「創造性」

  • アイデアを発想するための本ではない。面白い話、はどういうものかを解説したもの。
    かわなくてもよい。

  • ビジネス
    自己啓発

  • 記憶に焼きつくアイディアの6原則
    1)単純明快である 
    2)意外性がある
    3)具体的である
    4)信頼性がある
    5)感情に訴える
    6)物語性がある

    1)単純明快である
    ・理想はことわざ。ことわざは「知恵のかたまり」で何世紀も生き残り、異文化間に共通して見られるものが多い
    (火のないところに煙はたたない=55を超える言語に見られる)
    ・「知の呪縛」にかかると自分の知識を他人と共有するのが難しい
    ・星の王子さまのサンテグジュペリ
     「設計士が完璧さを達成したと確信するのは、それ以上付け加えるものがなくなった時ではなく、それ以上取り去るものがなくなった時だ」
    2)意外性がある
    ・パターンを破ること
    ・ヒトは情報をえれば得るほど自分の知らないことに目を向けがち
    3)具体的である
    ・文脈算数はアジアの学校に見られる特徴
    ・記憶はマジックテープに似ている。フックの数が多ければ多いほど記憶に引っかかる
    4)信頼性がある
    ・統計自体が意味を持つことはない⇒統計は関係性を示すために使われる
    5)感情に訴える
    ・一旦分析をすると、感情に訴えられたときの反応まで変わってしまう(感動しにくくなる)
    ・世界一の芝の種ではなく、世界一美しい芝を言い忘れる
    ・数学は頭脳の筋肉トレーニング。数学は何かの目標を達成するための手段であって数学自体が目的ではない
    6)物語性
    ・頭の中で練習しただけで、体を動かす練習の2/3の効果が得られている

    ・アイディアを記憶に留めるかどうかを決めるのは聞き手である
    ・知識が豊富なヒトは、どうしても全部伝えたくなる。そうすると大量の情報の中にリードが埋没してしまう

  • アイデアは創造ではなく、ある種の発見と表現方法の工夫により生まれる。
    良いアイデアの要件は、以下の6つである。
    1.単純明快である。
    2.意外性がある。
    3.具体的である。
    4.信頼性がある。
    5.感情に訴える。
    6.物語性

    本書では、上記6要件についてそれぞれ章を設け、例を挙げながら説明されている。6つの要件、言われれば誰でもそうだろうなと思うだろう。でも、実践するには、その真意を理解する必要がある。自分の言っていることが相手に伝わらないと悩む人にはお勧めの本です。

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