流しのしたの骨

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838707966

感想・レビュー・書評

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  • 江國香織さんの本ではこれが一番好きです。
    冬になると読みたくなって何度も読み返しています。

  • 大好きな作品、旅先のゆっくりした時間に読み返すのが好き

  • たまにはレビューをかきますか。

    とある、家族のなかの、四人兄弟、女子三人と末っ子の男の子の話。
    生活の中の、なんでもない瞬間の積み重ね。家族のなかの、謎に満ちたルール。品良く、育ちの良い子供達と、厳格な父と、天然なのだけどしっかりした母と。
    次女、ことこさんの視点で描かれる。
    文章はさらりとしてなにげないけれど、突如として、

    部屋の中の構成についてだいぶあとになって語られたり、思い出した時に一気にひらけてくる風景のなにもかもが優しくて、
    しかし、次女なりの世界との距離の置き方、たしなめかたもあって。平らかなこころ。

    ほんの一瞬だけ、その一家にお邪魔して、本当に邪魔者扱いされてかえっていきました。

    あーたのしくておいしくて幸せ。

  • 登場人物は個性的な人ばかりだけど描写やイベントにわざとらしさがなくて読んでて心地よい

  • ふつうでちょっと変な家族。
    独特のルールの暮らしと自分たちだけの遊び。ゆったりとした時間。


    ---------------------------

    友人にオススメしてもらって読んだ。
    何かが起こるわけではないふつうの日々。生活のなかで、恋愛をしたり、何かを食べたりする。余裕のある暮らしぶりが何だか羨ましかったかな。
    学生でもなく、就職しようともしないなんてニートじゃないの!と思いながら読んだけど、そういうことじゃないんだよな。ゆったりとした生活に必要なのは余裕。そして、幼い頃から続く自分たちだけの遊び。自分たちのルール。

  • うちの中を覗くのって面白いなぁと思わせてくれる小説。

    その家庭だけの空気があり、階段の軋み方も違えば、薬箱の中身も、よく口にされる冗談も、タブーも、思い出も、違う。

    だからこそ、あとがきで作者が語るとおり、たとえお隣であってもよそのうちは外国より遠い、わけです。

    その家庭だけで通じるルールがあり、その家庭だけの真実があり。

    「家庭」というのは本当に小説にとってなくてはならない要素であり、小説の題材としてとても魅力的です。

    当たり前のことなんだけど、そんなことに江國さんのあとがきではっと気づかされました。


    話としては、一風変わった変な家族のおはなし。

    普通じゃなくて、でもきっとその家庭の中ではそれが普通で。

    その辺のちぐはぐな自分の感じ方もなんか妙でおもしろくて。

    盛り上がりも息を飲む場面もない変わりに、なんとなく、落ち着いてしっとり楽しめる小説だと思います。

  • 淡々と進む家族の日常、習慣、ふるまい。江國さんの得意分野。読み進めるにつれて家族の事が手に取るように分かってくる。でも何も起こらない。このタイトルって怖いものを連想させるし、もしかしてこれって伏線か、と思わせる。しかし何も起こらない。家族が外の世界とはかけ離れて孤立しながらも絆を深めてく様にじりじりと怖さを感じながら何も起こらない。好き嫌いは分かれると思うが私はとても好き。そしてこの作品が、自分が忘れていた小さな頃の出来事をいくつも思い出させてくれた。

  • 独特な家族の物語だけど、本当はどんな家族も独特なものだと思えて、なんだか安心できる。

  • 初めての江國香織。面白かったです。

  • みょうちきりんなしま子ちゃんはあたしみたいです。。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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