お砂糖とスパイスと爆発的な何か—不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門

著者 :
  • 書肆侃侃房
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863853652

感想・レビュー・書評

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  • 英語英文学科 相木裕史先生 推薦!
    シェイクスピアからクリスティの探偵小説、そしてディズニー映画まで、さまざまなテキストを取り上げながら「フェミニスト批評」を実践してみせる本です。わりとゆるーい感じだけど、文学・文化批評の基本的な考え方をしっかり学べます。

  •  『アナと雪の女王』や、シェイクスピア劇など、映画、戯曲、文学の有名作品を対象に、「フェミニスト批評」を用いた批評集です。本作を元に、対象作品の女性像やジェンダー観に注目してみてください。作品に込められているステレオタイプへの諷刺、あるいは隠れた性差別に気づくことで、作品と自分がより近づくと思います。また、本作を通して、自分の批評性を意識できるのではないでしょうか。普段「あたりまえ」と思っていることは、「なぜあたりまえなのか」、時代背景と併せて考察したり、その環境が自分に与えてきた影響を振り返るきっかけになると思います。

    京都外国語大学付属図書館所蔵情報
    資料ID:637243 請求記号:904||Kit

  • 映画や小説といった作品をフェミニズム的な視点から批評した本。作品をそのまま受け取るだけではなく、つくり手の背景や内包されているメッセージに注目すると、おもしろく作品を読んだり見たりすることができるようになる。この本から作品との新しい向き合い方を学び、雨の日にじっくり自分で作品を批評してみるのもよいのではないだろうか。

  • 【所蔵館】
    りんくう図書室

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000940720

  • 【注:本レビューは,旭川高専図書館Webサイトの「私の推薦する本」に掲載した文章を,執筆者の許可を得て転載しています】

     皆さんに1冊,本を紹介するとすれば,何が良いだろうか。このコンテンツを執筆するにあたり,しばらくの間,そればかり考えていました。以前は小説なども読みましたが,今は家でもなかなかじっくり本と向き合う時間が取れずに,日々の断片的な時間に,雑誌やエッセイのような軽い読み物,家庭菜園や庭仕事の本を読んだりする毎日です。学生の皆さんは,おそらくあまり庭関係の本には興味はないだろうと思われますのでここでは触れませんが,最近読んだエッセイでは,星野源『働く男』(後日談入りの文春文庫版)がエンターテインメントとしてとても面白かったのでお薦めです。
     さて本題ですが,今回は,北村紗英著『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』をご紹介しようと思います。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが,著者は道北の士別市出身で,旭川の高校を卒業し,現在は研究者として関東の大学で教鞭をとる傍ら,ウィキペディアの執筆・編集もされています。Twitterでは「saebou」先生として有名です。私自身,旭川で生まれ育ち,札幌や関東を行ったり来たりの生活を経て,約20年ぶりにこちらに戻ってきたのですが,自分が知っている,かつての賑わいを見せていたころの旭川とは様子が違ってきているなあと感じる一方で,地元に誇りを持ちたい,旭川の良さを見つめ直したい,と考える機会が多くなりました。その流れで,旭川にゆかりのある研究者という点で,個人的に大変身近に感じ,この本を手に取りました。
     この本の副題は,「不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門」です。フェミニズム...!と距離をおきたいと思ったあなたも,まずはこの本を読んでみてほしいと思います。文学,映画,演劇作品などを分析対象としていますが,著者があとがきで「私がふだん書いている学術論文などに比べるとけっこうゆるーい感じを心がけている」とあるとおり,お堅い本ではありません。また,まえがきやあとがきで述べられているように,批評ではいろいろな解釈が可能というスタンスなので,思想の押しつけもありません。未見・未読の作品の分析が多かったとしても,saebou先生がおおまかなあらすじを書いてくれているので,安心して読むことができます(ただし,いくつか,ネタバレ注意です!)。メジャーな映画では,『ローマの休日』等に見られる男性のプリンセス願望についての分析や,『アナと雪の女王』のエルサが「ゲイ」なヒロインであるという視点なども面白いです。
     この本のあとがきで,「私たちはフツーに生きているだけでいろいろな偏見を身につけてしまって,檻に入ったような状態になっています。(中略)私を檻から出してくれたのは文学とフェミニズムでした」とあります。ちなみに自分は学生の頃,日本美術史を専攻していましたが,当時の指導教員の先生のひとりは,ジェンダー批評で日本美術史を読み解くことを専門としていました。その先生が,ジェンダー論は,女性のためだけのものだけではない,とおっしゃっていたのを,覚えています。私はできのいい学生ではありませんでしたが,今まで生きてきた世界が決して当たり前のものではない,ということを学べたことは大きかったです。批評は出発点だと思います。皆さんも,この本から何かを感じ取ってくれたら良いなと思います。
    (学生課学生係 (図書館担当) 問谷 実希 職員)


    ▽配架場所・貸出状況はこちら(旭川工業高等専門学校蔵書検索)
    https://libopac3-c.nagaokaut.ac.jp/opac/opac_details/?kscode=004&amode=11&bibid=1014130348

  • 【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001768538

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著者プロフィール

英文学者、批評家。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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