ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ただのホラー小説と思い、読んでみました。
    しかし、「ぼぎわん」という妖怪退治と思いましたが、
    夫婦間の人間関係。

    家族を大事にしようと思った事と、
    良かれと思っていた事が裏目に出る事が怖いと思った。
    やっぱり人間が一番怖いです。

    「嫁はな、耐えてまうんや。辛いことも、苦しいことも、悲しいことも。
    それがええことやと思て。どんなにえらい目に遭わされても」
    「耐え ても ええ こと なんか あら へん からな」

    →そーだそーだ!!
     耐えるな。我慢せずに楽しもう

  • 比嘉姉妹シリーズ第一作目!
    映画「来る」を見てから読みました。

    映画とは少し違う内容であり、描写の捉え方も一味違ったものでした。
    映画も面白かったけれど、原作はもっと面白かった!!
    夫がクソすぎてムカつきました笑

  • ホラーにおいて、実は主人公自体が少し変わった人物で、というのは感情移入しにくくなるから、普通はタブーな部分だと思ってたけれど、そこに挑みそして描ききっている。すごい。 中島監督が映画化するらしいけれど、自己中心的な親に対する嫌悪感が扱われているあたりもぴったりだと思う。今から楽しみだ。

  • 最凶の恐怖だった!

  • 映画の「来る」はそれはそれで面白かったけど、原作とはかなり違うと聞いて気になって読みました。
    自分としては映画よりこっちの方が好きかもしれない
    映画では映えや大衆ウケのために変えられたんだろうなっていう設定についても、原作の方がしっくりきます(個人的に)
    あと、叙述トリック的に第一部と第二部で語り手が変わるところも、小説の方が鮮やかでたぶん初見でこれ読んだらだいぶギョッとするんじゃないでしょうか

  • ただでさえ怖いこの作品を『ホラー小説×Audible×100円イヤホン(税抜)』という組み合わせで読んでみたら、おしっこちょっぴりもれたろうになりました!100円イヤホンの音質で耳元に迫ってくる恐怖・・・!怖いものをあえて更に怖くして楽しんでみる!アリだと思います(^^)

  • 面白く拝読いたしました。
    映画を見てからしばらく経ってやっと原作を読む気分になり今まさに読んでいます。
    やや描きすぎという印象もありましたが、一定の読者層を広げるにはこういう感じの書き方をしなければならないというのも納得でき、また1章から続く人物の描き分けもとても素晴らしくそれぞれに共感できるような構成になっていることも納得の出来ではないかと思います。
    今、ぼうずめ人形を読み始めたのですがこの作者の問題意識や社会描写はどれもしっかりと見つめられている感があり、本当に様々な世代に共有して欲しい作品だと思います。

  • 映画観た後にみたから、イメージ湧きやすくて、終盤の「…え?!」っていうシーンはほんとゾッとする

  • ぼぎわんという未知の存在が迫ってくる、そして抗えない様子が読んでいて面白かった
    しかし最後の戦いは話として面白くはあったものの、バトル物的な気持ちで読んでしまい怖さは薄れた

  • いやー凄い!上手い!ホラーは苦手で一切ダメな自分でも続きが気になって気になって、ほんの隙間時間でも開いてしまう程夢中で読んだ。ただ、夜読むのはオススメしない。怖くなってトイレを我慢してしちゃうから。
    ついつい「凄い」「上手い」と口にしてしまうのは、構成の巧みさ。いろいろな事柄が糸で繋がって、それも一本ではなく何本も、読むうち或いは読み終わった後にそれに気づくのだが、その隠し方・バラし方も上手い。冒頭のシーンがまさか…。
    そして文章も上手い。するすると読めるし、眺めた時の雰囲気まで意識しているように見える。
    部屋の中の描写はいまいち分かりづらかったが、文章面での残念なところはこの点くらい。

    巻末の解説にもあるようにミステリの才能もある。おそらくここが、ミステリ好きの自分にヒットしたのだろう。どんでん返しに向けてほんの少しの違和感を盛り込み、「あれ、もしかして…」と予想させたところで、期待以上の返しをしてくれる。ただの伏線回収ではなく、さらにそれを繋げるところも妙。

    クライマックスでは厨二病っぽさが強く拍子抜けしたが、解説では「敢えて」と書いてあった。確かに物語全体を通じてぼぎわんの強大さを煽ってきただけに、表現もインフレせざるを得ないしリアリティに拘っていては頭打ちになる。その解決策としての、さらにはエンターテイメント性も付加できるような、琴子のキャラなのかなと腑に落ちた。それにしても口調まで変えなくても…あれで一気に厨二病くさく…。

    そして、疑問点が全て解消された訳ではない。想像させ考えさせる文と構成の上手さ故に、こちらはあれこれ気にして頭を回転させるので全貌を明らかにしたいと期待してしまう。
    なぜメール?戸が開いてなくても鍵が開いていれば良いの?知紗返事してないけど?ノックとか「ごめんください」への返事を回避するの無理じゃない?祖父母は噛まれずに殺されたの?京都に住めば解決?…
    怪異の中にも論理はあると書かれていたが、いまいち掴みきれず少しもやもやする。

    しかし、全体を見れば最初に書いたように「凄い」「上手い」。是非、人に勧めたくなる傑作だと思うし、次の作品も読んでみたくなった。

    最後に、素晴らしい点として不妊やDVにきちんと言及されていることを挙げる。どの作品だったか忘れたが、Amazonのレビューでこのシリーズはフェミニズムであると書かれており、一作目を読んだ段階でもその通りだと思った。なかなか他人には伝わりづらいモラハラや不妊における"女性の"責任。ただの「可哀想」では終わらさず、現実であるあるの"クソな常識"と、登場人物それぞれの視点での細かな内情描写とを両方描いている点からも、筆者が流行りで取り入れた訳ではなくしっかりと向き合っていることが伝わり、読んでいて安心感がある。特に陰に隠れがちな、不妊に悩む男性や、「出て行くのは秀樹の方だ」という香奈の小さな意地などは、解決策など提示されていないが、読者をほんの少しエンパワメントしてくれるのではないだろうか。
    また琴子の描写が主人公にありがちな「モデル体型の颯爽とした美人」ではないところにも、女性のモノ化やルッキズムに終わりを告げる意志があるのではないかと感じる。

    これが初の長篇とは思えない程の出来で、筆者の今後の進化が楽しみなのに加え、筆者の作品が広く世に知られることで今後のエンターテイメント界の倫理に変化をもたらしてくれるのではないかと期待する。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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