ラブカは静かに弓を持つ (集英社文芸単行本) [Kindle]

著者 :
  • 集英社
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感想・レビュー・書評

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  • 最後の方の人間関係の繋がりのあたりで
    リアリティがあり泣きそうになった
    チェロの音を聞きながら読みたい本です
    私は耳からの視聴でしたが…

  • 静かで繊細なお話。橘樹がトラウマを克服し、居場所を見つけるまで。前半重たすぎてどうなることかと思ったけど、浅葉先生がコンクールを受けるってなった途端急に話が動いて、後は急転直下。話の組み方が上手い。この作家さん好きだわ。

  • 図書館で返却期限が来てしまい、いったんは返したものの
    気になって再び予約。
    数ヶ月越しで読み終わる。

    最近、惹かれているチェロをめぐる物語。
    ラブカは「スパイ」の意味で・・・
    著作権の潜入調査をするため、チェロ教室へと通う主人公。
    彼がかつてチェロを辞めた経緯と、今の人間形成に至るまでが
    次第に明らかになっていくというお話。

    これ、映像化したらおもしろいのにね、と読み進む。
    あ、だめか、実際の著作権問題裁判が絡んじゃうか。

    でも・・・
    桜太郎:賀来賢人 かすみちゃん:永野芽郁  三船:中条あやみ
    じゃ、主人公は?う~ん、ここが決まらないw

    読んでいて、音楽の楽しさを、あますところなく共有した♫

  • 音楽の著作権を管理する会社の職員が、音楽教室へ潜入して著作権侵害の証拠を集める話。実際にあったJASRACとヤマハ音楽教室の裁判をモチーフにしつつ、潜入を担当した職員や音楽教室の先生に光を当てて話が進行していきます。新聞では語られない個人の視点であるため、苦しくなったり暖かくなったりと心の動きが大きく、涙もろくなってきた近頃は泣くのをこらえるのがなかなか難しかったです。
    管理する側も作曲家・音楽家の権利を保護すること、ひいては、彼らの生活を支えることが仕事の大きな目的であるため、どちらが良い・悪いとも言いづらいところがあります。しかし、いずれのケースで判断されようとも、音楽教室への潜入の活動のなかでは、生徒・先生の生身の人間がそれぞれの信頼をもとに、色々なやりとりをしていることを改めて認識できます。
    著作権や信頼の問題を考える一方で、とりあえず音楽教室に通ってみたくなりました。

  • 平坦にすすんでいって、少し波があって静まってを繰り返したかんじ。
    読んでいて心地よい作品。

  • 読後が大変気持ちの良いものでした
    チェロ弾きはいいなあ
    「師弟は決して代替えのきかないもの」はその通りだと最近痛感しています。
    習い事をしていて、最近別の先生にも教えてもらうようになったけど、信頼関係ができるのは直ぐは無理だな

  • 音楽小説ってピアノばかりだから、チェロって新鮮だった!
    全著連と大手音楽教室(組織対組織)の争い。潜入捜査という形で嘘偽りを抱えながら、街の小さな音楽教室で生まれて紡がれた本物の人間関係・信頼関係。
    この物語の主人公ほどの秘密でなくとも、誰しも一つや二つ、誰かに対して秘密を抱えながら生きているはず。そこにいるきっかけがどんなものであったとしても、実は別の姿があったとしても、今ここで生まれた感情や、その人間関係のなかで紡いできた時間は偽りなんかじゃないし、尊いものだと思う。
    中盤にかけてのドキドキ感から、凪ぐように物語が締めくくられる感じはとても好み。
    見かけによらず読みやすかった!

  • JASRACとヤマハ音楽教室の著作権を巡る裁判をテーマにした小説。全日本音楽著作権連盟の職員が、裁判を有利に進めるためミカサ音楽教室に生徒として潜入してチェロを習うが、その講師や他の教え子たちとの間に信頼関係が生まれていき…というストーリー。話は穏やかに進むけど飽きない展開で、チェロの音色の描写がキレイだからか、頭の中でチェロの音が流れてました。過去のトラウマもあって人との間に壁を作ってしまう主人公が、最後に殻を破ろうとしてて良かった。本の題名も素敵だし、作中に出てくる曲名や映画のタイトルも本当にありそうで、上手い。

  • テンポがよくとても読みやすいです!メロディーと主人公の気持ちが重なっており、イメージがし易かった。 演奏や裁判の場面は、もっとボリュームがあってもよいと思ったが、それよりも作者は主人公の気持ちにフォーカスしたかったのかもしれない。

  • めちゃくちゃ面白かった。
    音楽×スパイとされているけど、
    音楽も実際の音源を聴きたくなるような表現で(調べたところ実際には存在してなかったらしい)、
    心理描写が丁寧で主人公や登場人物たちにとても感情移入してしまった。

    一度壊した信頼をすぐすぐ取り戻せない、人の本質は取り繕えない、信頼構築も信頼修復も時間が解決するけど自分に原因があるなら誠意を見せる、講師と生徒には信頼があり、絆があり、固定された関係がある、というのにすごく刺さった。。

    主人公の今までの人柄があったから、仲間たちや浅葉にも完全に拒絶されてはないんだなって思った。

    私も透明な壁を人に作りがちだから、浅葉みたいなオープンな人間をとても羨ましいと思うけど、こちらがどう想像を働かせても結局は自分の想像でしかないんだから、つべこべ考えずにぶつかることが大事なんだなって思わせてくれる作品。

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