たけださとみの本棚。

「失われた日々への愛惜」を描いた青の巨匠。
惹かれるのは日本人がみんな知っている感覚を、やさしく愛情深く描いたからなんだと、作品を眺めているうちにじんわり理解できてきた。でもやっぱり東山魁夷の作品は、本物を観た時の感動に本を通してみた感動はちっとも追いつかない。いつかすべて、本物が見たい。

この人の感性は、やっぱりスライドしてた。くすくす笑わせてもらえる方向へ。

観ている途中でしっくりくる言葉と出会ったんだけど、観終わったころには忘れてしまった。市川さん、すごい。すごくて苦しい。

セリフがものすごい。「はじまったね」てセリフが特にものすごかった。

異国情緒と母国情緒とそこにいる人たちの情緒。

大切。

読む側に、一定のレベルの、持続的なエネルギーが必要でそれが心地よい小説だった。文章の癖、世界観が、一番良く出てる作品じゃないかな。小川さんの長編を久々に読んだのもあって、そう思った。この作品で色々整理されたから、次の、新しい長編が楽しみだ。

人生は引き返せないなってことを、じんじん教えてくれるけど、今の私にはとても閉塞感だ。

また、すごい小説読んだ。私はそんな風に世界を認知できない。自分のやり方を見つけないと、いけない。今はまだ、ただ、羨ましい。